サービスの課題解決に向き合う機械学習エンジニア

サイバーエージェントでのキャリアは十人十色。
実現したい夢や目標に向かって、あなたの強みが活かせる環境で一緒に働きましょう。
活躍している先輩エンジニアがどんな強みを活かしてどんな仕事をしているのか、ほんの一例を紹介します。
今回はビデオ&エンターテインメント「ABEMA」の推薦アルゴリズムの改善や動画解析などを担当している上岡将也をご紹介します。
Profile
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上岡 将也 (カミオカ マサヤ)
2019年新卒入社。研究開発組織「秋葉原ラボ」にてメディアサービスの動画像データ利活用を推進。具体的には、タップルにおける画像審査自動化システムの開発・運用やABEMAにおけるユーザーとコンテンツの分析、推薦アルゴリズムの改善などを行なっている。
──現在の業務内容を教えてください。
現在は主にビデオ&エンターテインメント「ABEMA」の推薦アルゴリズムの改善や動画解析などを担当しています。これまで「ABEMA」のレコメンドは、視聴履歴をベースにした推薦アルゴリズムを採用していました。しかし視聴履歴のみを用いていると、コールドスタート問題や、視聴数は少なくても好みに合うコンテンツがレコメンド候補に上がってこないという課題が出てきました。その課題を解決するために、機械学習を用い、動画データからそのコンテンツの特徴を自動で抽出し、レコメンドに活用する取り組みを行なっています。これは現在すでに本番環境に適用されています。
──身につけておいて良かったと思うことはありますか?
コンピュータサイエンスの知識です。サービスにおける課題を機械学習を使って解決するためには、機械学習モデルをつくって終わりではなく、そのモデルを使ったシステムを設計・開発する必要があります。そのためには当然、機械学習・コンピュータビジョンの知識だけでは足らず、コンピュータサイエンス全般の知識が必要不可欠です。私自身、大学では電気電子工学科専攻だったこともあり、授業でコンピュータサイエンスの知識をすべて身につけることができたわけではありません。足りない知識を補うため、大学4年生の頃から、情報系の学科のカリキュラムを参考にして独学で勉強していました。それでも知識不足だと感じることが多く今も学び続けていますが、大学生のときとは違い、身近にこの領域のプロがたくさんいるので、わからないことがあれば積極的に質問して深い知識を身につけられるようにしています。その領域のプロにすぐに聞ける、そしてそれらをわかりやすく教えてもらえる環境があるのは非常にありがたいと感じています。

──ベストエンジニア賞にノミネートされましたが、高いパフォーマンスを出すために日頃から取り組んでいることがあれば教えて下さい。
毎日個人の日報を書いています。日報の内容は、当たり前のことかもしれませんが「毎日やること」「今日やること」「今日やったこと」「明日やること」の4項目です。「毎日やること」は、主に情報収集ですね。GithubやTwitter、Medium、arxivなどから情報をキャッチアップしています。その他の項目は、主にタスク管理や自分の考えをまとめる目的で取り組んでいます。注意するべきことは、チームで開発を行っているため、プロジェクトのメンバーや関係者への情報共有はこの日報以外の場所や方法でもきちんと行うということです。リモートワークが多くなったことで情報共有などはより一層意識するようになりました。
──秋葉原ラボでは、どのような取り組みをしていますか?
データ利活用促進を目的とした大規模データ処理基盤・機械学習システムの開発・運用やデータ分析などを行なっています。それらの成果を最終的に論文のような形でアカデミックな場で発表することが多いです。またメディアサービスの横断組織であるため、各サービス固有の短期的な課題を解決しながら、それぞれの課題の本質的な部分を見極め、開発したシステムや解決プロセスなどを共通化、標準化していくことも秋葉原ラボの役割であり、サービスやユーザーにそれらを還元できることは非常にやりがいを感じています。

──これからどのようなことを成し遂げたいですか?
メディアサービスの動画像データの利活用を促進していきたいです。弊社が運営しているメディアサービスのほとんどが動画像コンテンツを持っており、それらが重要な役割を担っています。しかし現状では、その全てを解析し、有効に活用できているわけではありません。今後は、動画像コンテンツの解析を通して、コンテンツやユーザーを正しく理解することで、既存の推薦・検索・監視・分析の質を向上させることはもちろんのこと、弊社独自の新たなユーザー体験を提供していきたいと考えています。
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「信頼でつなぐ広告 Bank Ads」
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2023年、三菱UFJ銀行とサイバーエージェントは、金融データと広告技術の融合による新たな広告事業「Bank Ads」を立ち上げました。
信頼性を前提とした広告のあり方が問われる時代において、銀行が保有する1st Party Dataと、広告業界で培われた開発・運用ノウハウを掛け合わせ、安心かつ効果的な広告体験の実現に挑んでいます。
本記事では、プロジェクトの中心メンバーである杉山・伊藤の両名が、「Bank Ads」の誕生背景や具体的な開発プロセス、信頼と成果の両立を目指すための思想や仕組み、そしてテクノロジーとビジネスの境界線を越えたキャリア観について語ります。