周囲との実力差に焦っていたバックエンドエンジニアが、入社後急成長できた理由
メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業を主軸に多様な事業を展開する当社が、新卒採用において特に注力している職種の1つがバックエンドエンジニアです。年次に関係なく裁量権が与えられ、規模やフェーズの異なる様々なプロダクトに携わることができます。
2020年に入社した川口は、アバターSNSアプリ「ピグパーティ」のバックエンドチームのリーダーを経験後、現在は新規プロダクトの開発に取り組んでいます。
リリースから8年目という歴史の長いサービスに携わってきたからこそ、得られた知見が現在の仕事に大いに活きていると言う川口に、入社後バックエンドエンジニアとしてどのように成長してきたのか、話を聞きました。
Profile
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川口 遼
2020年新卒入社。「ピグパーティ」SRE(Site Reliability Engineering)担当として、システムや開発のパフォーマンス向上、ミドルウェアのバージョンアップやシステムの保守等に携わる。同プロダクトのバックエンドエンジニアチームリーダーを担当した後、現在は新規プロダクトのインフラや基本機能の設計、実装、技術検証に取り組んでいる。
大学院では情報ネットワーク系の研究室に所属し、リアルタイム通信のプロトコルや、それらを活用したアプリケーションの研究を行っていた。
成長角度を最大化できる環境を探していた
── 入社理由を教えてください。
大学院で研究をしていた頃にプログラミングを始めたことがきっかけで、エンジニアという職業に興味を持ちました。ただ、実務経験や開発に必要な知識が一切なかったため、エンジニアを目指していた周囲の学生と自分の実力差に絶望していました。そんな中、私が所属していた研究室の教授から、研究室の非常に優秀な先輩がサイバーエージェントへ入社したという話を聞いたのです。その先輩にお話を伺ったところ、若手の裁量の大きさや技術力の高いエンジニアが多い点など、成長角度を最大化させるためには、他社と比較してサイバーエージェントが最適な環境であると感じました。最速で成長しなければ周りに追いつくことができないのでは、と焦っていた自分にぴったりの環境だと感じ、選考に進みました。
── サイバーエージェントへ入社して、実際に成長実感はありましたか?
はい、常日頃から非常に成長を実感できています。
まず入社直後は、上長が私に、スピーディに成長する上で最適なタスクをたくさんアサインしてくれました。そのおかげで実務経験の浅い私でも、最高のスタートダッシュを切ることができました。もちろん実力不足でわからないことも多かったので、毎日必死で勉強しました。サポリストの制度を活用して書籍をいくつも購入し、技術的な基礎知識をたくさん習得することができました。
また、若いうちから大きな仕事を任せてもらえたことで視座が高まり、技術以外の点においても成長できたと感じています。新卒2年目からは「ピグパーティ」のバックエンドチームのリーダーやボードメンバー、新規プロダクトの設計などを任せてもらえたのですが、チームマネジメント、オーナーシップ、エンジニアとしての事業への向き合い方など、広い領域で様々な学びがあり、より成長角度を高めることができました。
── バックエンドエンジニアとして、サイバーエージェントの開発環境のどのような点に魅力を感じますか?
いくつかありますが、特に感じるのは経営層やビジネス職のメンバーが技術課題に対して理解があるため、技術的な挑戦を行いやすい環境だということです。私たちの事業部では、新機能の開発と並行しながら、技術的なアップデートや、新たな技術の導入にも積極的に取り組んでいます。過去にはクラウドサービスへの移設を行い、最近では新言語の導入 (参照:本人執筆ブログ「100万行の大規模なJavaScript製システムをTypeScriptに移行するためにやったこと」)にも取り組みました。
── 「ピグパーティ」で新言語の導入を決めたきっかけは何ですか?また、取り組みの中で特にやりがいを感じたものがあれば教えてください。
TypeScriptへの移行を決断したのは、既存の言語であるJavaScriptでは型(データを取り扱う際の分類の定義)がないことによる開発効率の低下が課題だったからです。移行が成功すれば大きな成果に繋がるため、是非挑戦してみないかと上長が提案してくれました。TypeScriptの導入で開発効率が大きく向上するだけでなく、ピグ事業部の技術的取り組みを社内外にアピールできる良い機会になり、組織にとって大きなメリットになると自分自身でも強く感じ、挑戦しました。また、上長が「川口ならきっとできる」と背中を押してくれたことも大きな支えになりました。「ピグパーティ」は他プロダクトと比較して桁違いにコードの量が多く、この規模でのTypeScript移行はおそらく前例がありませんでした。そのため、最小限の工数で移行を行うためのさまざまな工夫を要したので、大きなやりがいを感じました。
バックエンドエンジニアとして、歴史の長いサービスに携われる魅力
── 入社後に感じたギャップがあれば教えてください。
入社前に持っていたイメージでは、サイバーエージェントはいわゆる “イケてる” 技術を利用した新しいサービスを多く展開している会社だと感じていました。もちろんそのようなサービスも多い一方で、「ピグパーティ」のように歴史の長いサービスもあり、古いシステムに関わる機会もあります。
バックエンドエンジニアとして、歴史の長いサービスで利用されている「枯れた技術」(最先端ではないものの、広く使われることで信頼性が高くなり、安定して使える技術のこと)や技術的負債を多く抱えたシステムに触れられる環境は非常に魅力的だと考えています。意外にも新しい技術に触れること以上に、勉強になることが多いと感じるからです。
入社直後は技術的負債に興味を持っていたわけではありませんでした。ただ、技術的負債に向き合うことで、一度自分が誤った設計をしたかのように感じられ、同じ轍を踏まないよう意識できるようになりました。この経験が新規プロダクトの設計時に大いに活きていると感じます。
── 技術的負債の解消や「枯れた技術」に取り組む上で、大切にしていることを教えてください。
技術的負債の解消や技術選定について検討する際、長期的視点で事業成長を最大化させる選択をすべきであり、それを見極められる力を持つことが重要であると感じています。
歴史の長いサービスに携わり、多種多様な技術や負債に向き合い続けたことで、少しずつではありますがそれらの勘所を押さえられるようになってきたかなと思います。
技術的負債はいかなるシステムでも発生し得るものであり、その存在は必ずしも憎きものではありません。歴代の開発者がその当時の状況での最善手を打ってできた洗練された設計も、事業戦略や組織、システムアーキテクチャ等のあらゆる環境の変化を繰り返すことで、ほんの数年で負債へと変化してしまう場合があります。そのため、まずはそれらの負債を受け入れること、そして事業成長の枷となるものがあれば、それらの負債を前向きに改善することを意識しています。
また、新規プロダクトにおいて、 "イケてる" 技術ではなく「枯れた技術」を選択することが必ずしも誤っているとは言えず、すでに豊富な知見があって安定稼働する確率の高いといった利点から、最適な選択になる場合もあります。
── 最後に、今後の目標を教えてください。
まずは現在携わっている新規プロダクトを成功させることです。求められる要件に対して可能な限り最適な設計を行い、長期にわたって高パフォーマンスで安定稼働できるシステムを作るだけでなく、ユーザーのみならず運営メンバーまでもがワクワクし続けられるような質の高いプロダクトを作りたいと考えています。
中長期では、技術だけではなく、市場的な観点等さらに広い視点を持って、事業の成長を加速させられるエンジニアになることが目標です。
ただ、目標を実現するための具体的なキャリアビジョンについては、あえて考えないようにしています。変化が激しい業界だからこそ、自分のビジョンに固執しすぎるとチャンスを逃しかねないと考えているからです。今後も、自分の目の前にあるミッションや課題に全力で向き合い続けていきたいです。
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