2人を社長にまで導いた学生時代に掲げた人生目標
ネスレ日本元CEO高岡氏とサイバーエージェント藤田が考える、伸びる学生が持つ特徴

当社顧問でネスレ日本元CEO 高岡浩三氏と当社代表 藤田晋が「学生たちの挑戦を応援したい」という思いのもと、対談を実施。
「伸びる学生が持つ特徴」をテーマから話を掘り下げ、自身が掲げる「人生の目標」についても語りました。
持って生まれた才能、家柄、学歴などではなくどんな学生も今からでも十分間に合うという2人の話に勇気をもらえる学生も多いはず。ぜひご覧ください。
※本記事は、今年10月に行われた国内最大級のオンライン学生カンファレンス「WEIN STUDENTS SUMMIT」の内容を編集したものです。
モデレーター:溝口勇児氏 WEIN挑戦者FUND 代表者パートナー
Profile
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高岡浩三氏
1983年、ネスレ日本株式会社入社。
各種ブランドマネジャー等を経て、ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験キャンペーンを成功させる。
2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。同年11月よりネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO。2020年3月、同社 退社。
「高い目標設定」と「到達点への速さ」の相関性
溝口氏(以下、敬称略):お2人とも”普通の学生時代”だったと言うことですが、現在の成功に至るまでには、周囲と違うところや、何か人生が動くきっかけがあったのではないですか?

藤田
大学3年生の時にインターンシップで働きはじめてから「将来は社長になろう」と突如目標が明確になりました。
だから新入社員の時と、その後1年で辞めて起業した後はめちゃくちゃ働きましたし、大変な思いを沢山しました。周囲との違いはその経験そのものですね。
サイバーエージェントは、やる気と素養があれば若手社員を子会社社長に抜てきしています。
これは自分の経験から、ポジションに就くとか大変な経験をするとか、いわゆるキャリアを積むことで、人は化けると思っているからです。

藤田
どんなことがあっても諦めない人ですね。やっぱり辛いから逃げたくなっちゃうんですけど、大変なことから逃げていたら成長できません。筋トレと一緒で”NoPain、Nogain”なんですよね。
すごいプレッシャーとか大変な経験ほど、力がつくものです。

高岡氏
(以下、敬称略)
大学時代に、ジャーナリストの竹村健一さんのテニスのプライベートコーチを務めて、様々な事を教えてもらいました。
竹村さんの著書に「全員一致ならやめてしまえ」というのがあるように、彼の”人と違うことをしなさい”という考え方にかなり影響されたというのはあります。
今から約37年前、外資系企業に就職することは当時の国立大学生のチョイスには全くないことで。当然、周囲からも反対されました。


高岡
ちょっと個人的なことをお話すると、僕は10歳のときに父を肺がんで亡くしました。その葬式の時に、母から、祖父も42歳で亡くなっていることを聞かされましてね。子どもながらに人生は短いのだと感じたものです。
だから自分も短命かもしれないということが念頭にあったので、年功序列の日本企業ではなく、仕事を短い期間でやり遂げるチャンスがありそうな外資系がいいと思って、ネスレを選びました。
それと、大学でマーケティングや組織論を専攻していたこともあって、ブランドの持つ魔力ってすごいと思っていたんです。当時はお金のない大学生でもブランド品や高級車に憧れたりする時代でした。ブランドというのは、人を幸せな気持ちにしてくれるものだなと。
あの頃「ネスカフェ」がブランドで売ってる時代でしたから、その会社に入ってブランドというもので沢山の人を幸せにしたいと思ったんですよね。そういう志を早いうちから持てたことはラッキーでした。
重要なのは「スタートダッシュ」と「ビックマウス」

高岡
僕の人生は42歳で終わるかもと本気で思っていたから、それが生きるモチベーションだったし、焦っていたんですよね。
だから、若い時は人の3倍はゆうに働いていました。
ネスレに入って最初の3年は営業だったんですけど、外資系とはいえ営業だと英語を全く使わないんですよ。でもこのままだと本社に行ったときに喋れないと困ると思って、自ら英会話学校に通っていました。
また、当時はメールもコンピュータもなかった時代でしたが、将来に備えてタイプライターを自分で買ってきてタイピングの練習なんかもしてましたね。
42歳というのがあったから、人が5年かかることを自分は1年でやらなきゃと思っていました。

藤田
僕は26歳で起業して、当時最年少で上場しました。今だと将棋の藤井聡太さんがそうですが、若いとメディアが注目してくれるんですよね。
若いうちに頑張れば、周囲が応援して後押ししてくれますし、色んな人に会えるチャンスや、経験を積める機会をを得やすい。
だから、若いうちに頑張った方が絶対に得だと思います。


藤田
あと、ビックマウスであることも重要だとも思っていて。
僕の場合はこれまで、会社をつくったときから最年少上場狙うとか、時価総額10兆円目指すとか、大口を叩いてきました。

高岡
僕は、会社に入って上にいかないと 幸せにできる人を増やせないと思ったので、社内報の新人が抱負を書く欄に「ネスレの社長になる」って書いてましたね。

藤田
サイバーエージェントにも「2代目社長になります」と言って入社してきた新入社員がいましたけど、いまやその彼は取締役 常務執行役員にまでなっています。
やはりデカイことを言う人は、努力を怠らなければ見どころあるし、ビックマウスというのは、大事な要素だと思います。
※登壇された高岡氏は、当社の独立社外取締役候補者として迎えることに伴い、2020 年 4 月1日付で当社顧問に就任いたしました。高岡氏の社外取締役選任議案は、2020 年 12 月開催予定の第 23 回定時株主総会でお諮りする予定です。
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本記事では、プロジェクトの中心メンバーである杉山・伊藤の両名が、「Bank Ads」の誕生背景や具体的な開発プロセス、信頼と成果の両立を目指すための思想や仕組み、そしてテクノロジーとビジネスの境界線を越えたキャリア観について語ります。