「20代が持つ熱量を次の世代に繋いでいきたい」
若手活性化組織「YMCA」とは?

サイバーエージェントは1998年に創立以来、20年間で社員数5000人を超える組織へと成長しました。組織が大きくなることで課題となることもあります。例えば、若手社員の活躍が全社で認知できないことや、昔と変わらぬ熱量を保ちづらくなることが挙げられます。そこで、当社では20代社員の持つ熱量を次の世代に繋いでいくこと、さらにはトップラインを引上げることを目的とした全社横断のプロジェクト、「YMCA」を立ち上げ、20代の若手リーダークラスの社員で構成されるプロジェクトチームが中心になり、社内外に向けた様々な活動に取り組んでいます。
今回は株式会社ドットマネー代表取締役であり、「YMCA」理事の鈴木英に、活動内容や今後の展望を聞きました。
Profile
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株式会社ドットマネー 代表取締役社長 鈴木英
2013年新卒入社。Ameba事業本部でプランナーを経験後、ポイントプラットフォーム事業の立ち上げメンバーとしてプランナー/営業を担当。2015年に事業責任者になり、2016年株式会社ドットマネー代表取締役社長に就任。

若手社員活性化組織「YMCA」とは?
「YMCA」とは20代社員の能力を引き上げることを目的とした組織です。名前は「ヤングマンサイバーエージェント」の頭文字をとっています(笑)。サイバーエージェントは設立から20年が経ち、社員で5000人、有期雇用の社員を含めるとと1万人近い社員が在籍する、いわゆる「メガベンチャー」に成長しました。そこで今後の課題となる可能性があるのが、社員の活躍が全社で認知出来づらくなることや、市場の中でも非常に高い水準にあるサイバーエージェントの20代特有の熱量を保ち続けることです。
私が入社した2013年では、社員数2,700人程で、社員同士の距離感も近く、他事業部であったとしても活躍人材の認知が出来る状態でした。しかし社員が増えた今、役員との物理的な距離感も相まって、現場の活躍社員を発掘しにくい状態や、若手が積極的に発信をしてもいいのだろうかという遠慮が今後生まれてくる恐れがあると感じています。そこでその課題を解決するために生まれたのが「YMCA」という組織です。
20代のトップラインを引き上げて抜てきのチャンスを与えること。また、当事者意識を持ってサイバーエージェントの未来を考えるきっかけをつくることを目的として運営メンバーが中心となり様々なコンテンツを年間通じて行っています。2015年に最年少役員の山田陸と執行役員の宮田岳が立ち上げた組織で、今回3代目として就任しました。
「20代が活躍できる会社」であり続けるためには

サイバーエージェントは「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、そこに共感をした多くの方が入社し、ビジョンを成し遂げるために仕事に対して前向きに取り組んでいます。そして、「新卒社長」や「抜てき人事」を積極的に行ってきました。それは、責任あるポジションを任せ、決断経験や経営を任せることで大きく成長ができるからです。私は現在株式会社ドットマネーの代表を務めておりますが、新卒で入社をした当初から経営者を目指していた訳ではありませんでした。入社当初のとにかく目の前の仕事に全力で向き合う姿勢を評価されて、ドットマネーの立ち上げに先輩社員と参画し、そのまま代表に抜てきをされました。このように、活躍社員を発掘すること、そしてその社員に当事者意識を持たせ、より高いレベルに引き上げるためにも、20代から発信する仕組みをつくることは必要不可欠だと思っています。
そういった事例を増やすためにも、今年度の「YMCA」のテーマは「発掘」と「覚醒」を掲げています。「発掘」の施策として、次世代幹部候補「YM18」の選出や、今年度新たな取り組みとしてクリエイターによる作品発表など、各事業部で活躍している社員を中心に光を当て、抜てきのチャンスを作りたいと思っています。「覚醒」の施策としては、「YMCAあした会議」による20代から会社へ提言ができる機会を設けたり、採用の「YJC」と連携し、昨年行った「スタゼミ」のように、内定者のうちから研修を強化し、次の核となるような人材を育てることを予定しています。
この先、さらに組織が大きくなったとしても、若手が活躍し続ける会社であること。そして、そのために「抜てき」というチャンスを与え、若手トップラインを引き上げていくことを「YMCA」が担っていきたいと思っています。
次世代のサイバーエージェントを作るのは20代である
3代目として訴える若手社員への想い

今回「YMCA」の代表を引き受けた理由は、自分が経験したことを下の世代にも伝えていかなければならない使命があると考えたからです。
私が入社した時の直接のメンターは、今年の自分と同じ7年目の社員。その先輩から学んだことが今の自分を作り上げていますし、結果「子会社社長」という機会を与えてもらえたきっかけになっていると思っています。しかし、いざ自分が7年目になり、当時の先輩と同じことができているかと言われると、会社や部署を超えた下の世代に還元できていないのではないか、と考えるようになりました。今年は私が20代最後の年。その最後のチャンスを使い、「YMCA」としてのミッションを遂行していきたいと思います。
若手社員には「21世紀を代表する会社を創るのは自分である」というオーナーシップを持ち続けてもらいたいと思っています。当社は大企業ではなく、あくまで「ベンチャー」企業です。20代の割合が40.6%の組織だからこそ、若手から会社を盛り上げていく必要があります。「自分が何を言っても変わらないだろう」という会社ではあってはいけないと思いますし、今後そうならないようにしていかなければなりません。当社の20代の熱量は競争力であり、今後の会社の成長のためにも必要不可欠なもの。この競争力を次世代にも継承していくことが「YMCA」の役割であり、力を入れて取り組んでいきたいと思います。
※当記事は日本国内及び世界にあるNGO団体、YMCA(Young Men's Christian Association)とは無関係であり、問い合わせ先などお間違えないようお気を付けください。
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