20年続く「Ameba」の“らしさ”を形づくるデザインシステム

技術・デザイン

Amebaブランドを一貫してユーザーに届けるために誕生したデザインシステム「Spindle(スピンドル)」。2020年に導入し、Amebaらしさをユーザーに伝えることで、サービスの信頼と共感を築いてきました。
「AIの時代にこそ求められるこのシステムは、Amebaの進化を支え続ける」と語るのは、Amebaデジタルプロダクト デザインリードの本田。その言葉の意味を紐解き、「Spindle」の役割と未来についてご紹介します。

Spindle:糸を紡ぐ「紡錘」と細胞分裂に必要な「紡錘体」の意味。この名前には、Amebaらしさという一本の軸を形成し、まるで生き物のように進化し続けたいという思いが込められています。
 

Profile

  • 本田 雅人 / AmebaLIFE事業本部 Ameba Brand Center
    早稲田大学 文学部 美術史コース在学中に、Web制作会社でアルバイトを経験。2017年サイバーエージェントに新卒入社後、マッチングアプリを運営するタップルに配属。トレーナーから構造的なUIの考え方を学ぶ。その後、AmebaLIFE事業本部に異動。現在はAmebaデジタルプロダクトのデザインリードとしてプロダクト開発を行いつつ、Ameba Brand Centerにて、“Amebaらしさ”を一貫してユーザーに届けるデザインシステム「Spindle(スピンドル)」の開発に従事。

“Amebaらしさ”をアップデートして、軸を太くする

複数人でつくられるサービスにおいて、分業によるデザインのブレはユーザーにとって決して望ましいものではありません。誰がつくっても一貫性を持って「Ameba」を十分なクオリティで体現できるようにと考えてつくったのがデザインシステム「Spindle」です。

「Ameba」は今年で20周年になる、歴史あるサービスです。その分、チームメンバーやユーザーの「Ameba」に対する思い入れも強い。それぞれ思い描いているAmeba像を集約し、“Amebaらしさ”という一本の軸を形成しながら「Spindle」をつくることを意識しています。

「Spindle」リリース前はデザインリードとして、そこで抽出された“Amebaらしさ”を必要十分なクオリティで誰もが体現できるための仕組みとして、Amebaらしい色・Amebaらしいアイコンなどといったスタイリングの定義や、ボタンやフォームなどのガイドラインを構築していきました。 リリース後は「Ameba」に反映され、その上でさらにコンポーネントを拡張したり、ガイドラインのドキュメントを拡充するなど、「Spindle」を通じて“Amebaらしさ”が進化し、Ameba自体も日々発展を続けられるように運用しています。
「Spindle」がまるで生き物のように成長しながら、同時に「Ameba」をこれからも成長させたいと一緒につくってくれる仲間が周りに自然と増え、世の中にも広がり続けながらますます浸透していっていると感じていて、それはとても誇らしいことだと思っています。
 

日本3大デザインシステムと評価され、グッドデザイン賞を受賞。『Spindle』のサイトは一般公開もされている。https://spindle.ameba.design/
日本3大デザインシステムと評価され、グッドデザイン賞を受賞。『Spindle』のサイトは一般公開もされている。https://spindle.ameba.design/

AIが出てきたからこそ、今の時代に必要なデザインシステム

「Spindle」をつくった当初は、デザインシステムの概念自体が今日ほどメジャーではなく、国内でも数社しか考えられておらず、先駆者が少ないなら自分たちがリードしてしまおう、というモチベーションで活動していました。現在はデザインシステム自体の認知が業界全体でも上がり、各社が持続可能性の高い仕組みづくりのために奔走しています。

日本で「Ameba」の規模でデザインシステムを成立させているという実績から、「『Spindle』を参考にした」という声もいただくようになりました。個人的には、今まで世の中になかった新しい概念を“発明”したいと考えているので、先駆けた取り組みとして多くの反響があったことは嬉しいです。

しかし、今の状態に甘んじて発展を止めるわけにはいきません。例えば「昨今のAIの隆盛に対して、逆に人間にしかできないことは何か」と考えています。AIが特定の事象に対して効率的に再現性を持ってアウトプットを出せるなら、「何を再現するのか」は人間のみができる領分で、その精度を上げるために「サービスらしさ」の体系化を行うことは、まさしくデザインシステムが役割を担えるかもしれません。
デザインシステムというアプローチに囚われることなく、より俯瞰的な視点でサービスとアウトプットと人間の関係性を見定め、「デザイン」がより真価を最大限に発揮できる仕組みをこれからも“発明”し続けていきたいです。
 

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