小売業界にデジタル変革を。ネットとリアルを繋ぐ大きな挑戦
創業来、様々な新規事業を行ってきた当社。役員が事業立ち上げに欠かせない「右腕」として名前を挙げるのが、2002年入社の藤田です。
常務取締役 専務執行役員 小池政秀
「2000年前半の混沌とした中、新領域へ踏み込む早さと対応力、推進力に支えられた。私の考えを正面から深く理解し、現場の先頭にたって具現化してくれた。荒波の連続だったけど成果を出せたのは、共に戦ってくれた藤田さんがいたから」
取締役 常務執行役員 内藤貴仁
「現場の誰もを凌駕する知識量と、コミットメント力、そして誠実さで、事業を推進してくれる。どんな局面でも必ず乗り越え、事業の成功を誰よりも考え抜く強い信念の持ち主」
彼らの「右腕」として事業を成功へと導いてきた藤田が現在注力しているのは、小売業界のデジタル変革。
サイバーエージェントがこれまで培ってきたデジタル領域の知見をリアルな世界に応用するという、大きな挑戦を担っています。
「ニューノーマルな今だからデジタル変革で世の中を良くしたい」
そう話す藤田のキャリアと挑戦をご紹介します。
大きな挫折で気付いた、自分の強みとは
役員も認める”荒波”続きのキャリア!まずは2002年入社時のことを教えてください。入社を機に地元愛媛から上京したそうですね。その環境の変化は大きかったんじゃないですか?
当時のサイバーエージェントは、ほとんどが営業配属。ザ・営業会社という雰囲気で、皆の営業力の高さに圧倒されましたね。
正直、東京に来る前まで自分に自信があったんです。インターネットは初期のころから触っていて知識があったし、新卒で入った地元のネットベンチャーでは、営業の経験こそなかったものの現場はすべて任されていました。企画書の作成から、webサービスの設計、プログラミングも書けましたし、自分はマルチに活躍できるタイプだと思っていました。
それが、サイバーエージェントに入社したら全く営業成果がでなくて・・・入社早々に鼻をへし折られました。
でも入社から2年後の2004年には全社MVPをとっています。どんな変化が?
ネット広告の仕組みや営業の基礎を徹底的に上司に教えてもらったという事もありますが、同時に、自分が人より秀でてるものは何だろうと、考えるようになったからだと思います。
その頃の営業は、提案資料つくって、アポに出掛け、受注が決まれば自分で広告原稿つくって、と全部1人でやってて「提案書をつくる時間がない、この技術について資料に纏めたいけどよくわからない」なんて声を社内でよく耳にしていました。
(当時のハードワークが目に浮かびます・・・)
だったら、そこを自分が引き受けようと。
もともとインターネットが好きだったのでずっと新しい技術の情報は追っていましたし、資料作成も前職の経験から他の人と比べ短時間で仕上げることができました。
自信喪失から一転、これまでの知識やキャリアを生かす方法を見つけたんですね。
はい。感謝されるだけでなく資料をもとにアポに同行してほしいと言われることも多くなりました。そのうちに、これも1つの営業のスタイルなんじゃないかな、と。
実際、役員会でも「藤田くんみたいなミッションの人を採用したら、営業の負担が減ったりプロジェクトがスムーズに進むんじゃない?」という話になったそうです。
それだけ周囲の反響が大きかったということですね。
資料をつくるにあたって業界やクライアントのことを徹底的に調べるので、物事を体系的に捉える力も磨かれたと思います。今回、「右腕」と言ってもらいましたが、今思えば、自分の存在価値の出し方はこの経験が原点かもしれません。
「アメブロ」の収益化で学んだ、事業づくりに欠かせない大切な考え方
”事業を立ち上げたり、戦略を機能させたり、組織をつくったりしていくのに、必須な人材 -常務取締役 専務執行役員 小池政秀”
小池との事業立ち上げの中で、印象深いことは?
本当に沢山あるんですけど、「アメーバブログ」(現「Ameba」)の収益化はそのうちの1つですね。
広く長い視点でサービスの成長を捉える、これは私が事業を立ち上げたり推進する上で大切にしていることなんですけど、この経験がベースになっています。
当時「2年で黒字化できなければ社長を辞任する」と社長の藤田が宣言していましたね。
マネタイズのために広告を目立つところに多く掲載しようというそれまでの単純な発想は通用しなくて、収益化には「アメーバブログ」がメディアとして大きくなる必要がありました。
だからまずはサービスを成長させることに注力し、その後にサービスの伸びと収益が連動する仕組みをつくりました。
ユーザーに不快な思いをさせてはいけないし、ユーザーの動きにあわせて広告をつくらないとそもそも効果は出ない。
そういう広告の基本に立ち返れましたし、小池は勿論のこと、社長の藤田やプロデューサーと沢山話し合いを重ねながら、深くものづくりができた貴重な経験です。
その後も様々な事業立ち上げやプロダクト開発をしていますが、ここでの学びが活きているんですね。
事業に携わる人たちが、意義を感じられるようなものづくりや組織をつくりたい。
そして、やるからには市場インパクトの大きい、価値のある挑戦をしていきたいです。
20年培ったデジタル領域の知見をかけた、大きな挑戦
現在取り組んでいる、小売業界のデジタル変革。社会的な意義もありますし、サイバーエージェントにとっても大きな事業チャンスでもありますね。
はい。サイバーエージェントが20年以上かけて培った、広告運用などデジタル領域の知見や技術力をリアルな世界にも応用しよう、という大きな挑戦の真っ最中です。
オンライン上で完結していた広告運用のやり方を広げて、これからはオンラインからリアルまで一気通貫で最適化していこう、と。
そのためには、ネット上の管理画面だけではなくて、実際の来店状況をみて店舗のサイネージを変えるかもしれないし、お客様の手元に届くメッセージを変えるかもしれない。
これまで以上に出来ることが広がり、可能性を感じています。
このようなデジタルとリアルを横断した、小売業界の”テック化”はここ数年で急速に発展しましたが、コロナ禍を受けその必要性はさらに高まっていると感じます。
小売業やサービス業はコロナの影響を強く受けましたね。
ですが、その産業に携わる人が日本の就労人口の約3割を占めていて、もっとも多いんです。※
だからこそ、彼らの業務効率化や遠隔でも働けるようにするなど環境の改善を、テクノロジーの力で解決していきたい。
新しい購買体験の提供や社会課題解決にむけたDX。これによって、インターネットだけではなくて、リアルの世界にも良い影響をあたえられる。
そこに、この事業の醍醐味を感じています。
実際、小売業界の方々の反応はいかがですか?
もちろん最初は戸惑いもあったと思います。でも、世の中の流れや、数年かけて伝え続けた私たちの熱意が奏功し、スーパーやコンビニ、ドラッグストアといった店舗、メーカーの方々から応援していただけるようになりました。
お互いのアビリティを生かしながら、様々な企業とタッグを組んで進めていくことで、新たな戦い方ができると思っています。
”藤田さんの素晴らしいところは、現場に入り込んで誰よりも詳しくなる力 と 物事の推進力 ー取締役 常務執行役員 内藤貴仁”
内藤の言葉の通り、様々な企業とタッグを組むにあたり、相手ことを深く理解し信頼を得ることは大変だけど欠かせないことですね。
先日、大きな話題となった新会社データ・ワンの設立においても、その立役者の1人だと聞いています。
これは、2011年にDeNA社と設立したAMoAdの経験が活きました。
一緒に会社をつくることは、「結婚」に似ていると思っているんですよ。企業文化や、評価の判断基準も何もかも異なる者同士が同じスタートラインに立つ。最初は成功イメージを描くので順調だけど、そこから具体的な話になればなるほど、互いの譲れない部分が出てきて苦しくなる。でも「プロジェクトの成功を願う」という根源は同じ。目標に対してのアプローチの仕方が違うだけです。
だから必ず歩み寄れると信じて粘り強く進めました。
とはいえ、設立がゴールではなくあくまでスタート。これからが本番です。
小売業界のデジタル変革がどんどんカタチになっていきますね!
世界中で消費者と小売の接点がデジタルを軸に大きく変わりはじめています。
ニューノーマルが求められるいま、デジタルを活用した取り組みが、元気で新しい日本を生み出す一つの源泉になると信じています。
自分のチャンスは、誰かの頑張りのおかげでカタチになっている
”荒波”続きの19年、正直、会社を辞めようと思ったことはないんですか?
逃げたくなることは何度もありますよ!(笑)
でも、やっぱりこの会社には、負けたくないやライバルや、裏切れない同志のような人が多くいるんですよね。
自分が手にしたチャンスは先陣を切ってくれた人がいて、その人の頑張りのおかげでカタチになったりしている。そういう人たちの想いを無駄にしてはいけないし、感謝の気持ちをしっかりと成果で返し続けていきたいんです。
確かに”荒波”続きなんですけど、こんなにも刺激的で大きなチャレンジができる会社は他にないと思います。
対象者は1,000名以上、サイバーエージェントが日本一GitHub Copilotを活用している理由
当社ではAI時代においてもリーディングカンパニーであるために、技術力を駆使して会社の持続的な成長を創出することを目指しています。2006年より「技術のサイバーエージェント」ブランドを掲げていますが、それらを実現するため2023年を「生成AI徹底活用元年」とし、様々な取り組みを進めています(参照:「AI時代においてもリーディングカンパニーを目指す、サイバーエージェントの技術戦略」)。
AIによって、技術者を取り巻く環境は大きく変化しましたが、その最たる例がGitHubが提供するAIペアプログラマー「GitHub Copilot」ではないでしょうか。当社では2023年4月の全社導入以来、対象となる1,000名以上の技術者のうち約8割が開発業務に活用しており、アクティブユーザー数日本一、またGitHub Copilotへのコード送信行数、GitHub Copilotによって書かれたコード数も国内企業においてNo.1の実績です。
社内でGitHub Copilotの活用が大いに進んでいるのはなぜなのか、旗振り役を務めるDeveloper Productivity室 室長 小塚に話を聞きました。