
サービスニュース
AI Lab、保育所入所選考システム「ChilmAI」のOSSを公開
ーソースコード全面公開でアルゴリズムの透明性を担保、自治体の規模を問わず無償で導入可能にー
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)のAI技術の研究開発組織「AI Lab」は、保育所入所選考システム「ChilmAI(チルムエーアイ)」をオープンソースソフトウェア(以下OSS)として公開いたしました。
「ChilmAI」は自治体ごとに異なる利用調整基準を厳密に遵守し、基準に基づく割り当てを導出するシステムです。これまでは自治体ごとに個別提供してまいりましたが、より広範な社会実装と公的サービスにおけるアルゴリズムの透明性向上を目的に、ソースコードを Apache License 2.0のもとで公開いたしました。
「ChilmAI」は自治体ごとに異なる利用調整基準を厳密に遵守し、基準に基づく割り当てを導出するシステムです。これまでは自治体ごとに個別提供してまいりましたが、より広範な社会実装と公的サービスにおけるアルゴリズムの透明性向上を目的に、ソースコードを Apache License 2.0のもとで公開いたしました。
■OSS化の背景
少子化が進む一方、特定の保育所への申し込み集中や地域的な偏在などにより、待機児童への対応は自治体の課題となっております。入所選考業務には、各自治体が定める利用調整基準を厳密に遵守しながら待機児童を最小化するという高度な判断が求められ、人手不足や業務効率化への要請も強まっています。
一方で、こうした選考業務を支援するシステムは、導入コストや専門的なセットアップが障壁となり、特に中小規模の自治体では導入が進みにくい状況がありました。また、ソースコードを公開しても、環境構築や運用に技術的な知見が必要となり、自治体職員が利用するにはハードルが残ります。AI Labでは、こうした課題を「技術」と「公開のあり方」の両面から解決するため、ChilmAI のソースコード公開に加え、WebUIのサンプル実装と日本語マニュアルも合わせて無償で提供します。
■「ChilmAI」の概要
ChilmAIは、自治体ごとに異なる選考ルールを厳密に遵守しながら、待機児童数を最小化する保育所入所選考支援システムです。2024年11月より福島県郡山市の保育所入所選考で運用されており、実際の現場における有用性も確認されています。
(1) サンプル実装で手軽に動作確認
公開するWebUIはサンプル実装として提供しており、実際のデータを使った動作確認をすぐに始められます。実行ファイルをダウンロードして起動し、ファイルをアップロードするだけで動作を確認できます。動作確認から結果確認、トラブル時の対処までを網羅した日本語マニュアルも公開しています。
(2) 既存のExcel/CSVデータで試せる
業務で利用している Excel/CSV ファイルをそのまま画面からアップロードし、動作を確認できます。自治体ごとに異なるファイルの列名も、サンプルファイルを読み込ませることでマッピング候補を提示するため、試し始めるまでの手間を抑えられます。
(3) 自治体ルールに忠実な、公平性が保証された配置
AAAIで採択された数理最適化アルゴリズムにより、各自治体が定める利用調整基準(点数順割り当て、転園、きょうだいの組み合わせへの対応など)を厳密に遵守し、条件を踏まえた割り当てを論理的に導き出します。
(4) 個人情報を外部に出さないローカル処理
マッチングはインストールしたPC ローカル上で処理し、外部のサーバーなどへのデータ送信はありません。児童や保護者の個人情報を外部に出すことなく安全に業務を完結できます。
ライセンスはApache License 2.0を採用し、ソースコードの利用・改変・再配布が可能です※1。
(1) サンプル実装で手軽に動作確認
公開するWebUIはサンプル実装として提供しており、実際のデータを使った動作確認をすぐに始められます。実行ファイルをダウンロードして起動し、ファイルをアップロードするだけで動作を確認できます。動作確認から結果確認、トラブル時の対処までを網羅した日本語マニュアルも公開しています。
(2) 既存のExcel/CSVデータで試せる
業務で利用している Excel/CSV ファイルをそのまま画面からアップロードし、動作を確認できます。自治体ごとに異なるファイルの列名も、サンプルファイルを読み込ませることでマッピング候補を提示するため、試し始めるまでの手間を抑えられます。
(3) 自治体ルールに忠実な、公平性が保証された配置
AAAIで採択された数理最適化アルゴリズムにより、各自治体が定める利用調整基準(点数順割り当て、転園、きょうだいの組み合わせへの対応など)を厳密に遵守し、条件を踏まえた割り当てを論理的に導き出します。
(4) 個人情報を外部に出さないローカル処理
マッチングはインストールしたPC ローカル上で処理し、外部のサーバーなどへのデータ送信はありません。児童や保護者の個人情報を外部に出すことなく安全に業務を完結できます。
ライセンスはApache License 2.0を採用し、ソースコードの利用・改変・再配布が可能です※1。
■学術実績
「ChilmAI」は、経済学の「マッチング理論」の知見をもとに開発されました。本システムの基盤となる手法は、人工知能分野におけるトップカンファレンスの一つである「AAAI 2023」「AAAI 2024」および「IJCAI 2025」に継続して採択※2されており、学術的に極めて高い信頼性を有しています。また本システムの土台には、これまでの制度設計そのものの最適化を目指す研究開発の蓄積があります。2023年には、東京大学マーケットデザインセンターおよび福島県郡山市との実証実験を経て、きょうだいが同じ保育所に入所しやすくなるよう利用調整基準の変更を提案・実現し、その研究成果は国際会議「EC 2026」に採択されました。
今回のOSS化では、学術論文による理論的根拠の提示に加え、社会実装コードまで公開することで、公的サービスにおけるアルゴリズムの透明性向上に寄与することを目指しています。
■ 今後の展開
「ChilmAI」のOSS化は、制度設計を伴うマッチング改善の取り組みを、より多くの自治体へと広げる土台と位置づけています。なお、本システムは2025年度人工知能学会 現場イノベーション賞(銀賞)を受賞しました。今後も、自治体が掲げる政策目的に応じて、利用調整基準そのものを最適化する研究や社会実装に取り組んでまいります。
関連書籍
「AI Lab」による、AIと経済学を活用した保育所マッチングに関する研究について、詳しくは「AI Lab」研究員ら執筆の書籍『AIと経済学でもっとよくなる保育政策』(2025年9月刊行)をご参照ください。
※1:「ChilmAI」名称・ロゴ等の商標利用には別途条件があります。詳細はリポジトリ内の商標ポリシーをご参照ください。
※2:本システムの基盤となる学術論文
Sun et al., "Daycare Matching in Japan: Transfers and Siblings", AAAI 2023
Sun et al., "Stable Matchings in Practice: A Constraint Programming Approach", AAAI 2024
Sun, Yokoyama, Yokoo, "Probabilistic Analysis of Stable Matching in Large Markets with Siblings", IJCAI 2025