内定者で起業、経営者歴10年。専務執行役員 飯塚が推進する3つのこと
2021年度よりガバナンス強化を目的に、経営の監督と執行を明確に区分した当社の新しい執行役員体制。「次世代抜てき枠」として、社長の藤田などと共に本体役員室に入り、専務執行役員に就任した2012年入社の飯塚勇太をご紹介します。
目次
「抜てき枠としてのサプライズ人選だと思います」専務執行役員への選出理由をそう答えた飯塚。そんな飯塚は、内定者の時に会社を作り、それから10年にわたり子会社社長のキャリアを持つ、いわば、若手抜てきのモデルケースです。
しかし、今、彼が考える”本当の”若手抜てきは自身とは違ったキャリアだそう。
飯塚の考える専務執行役員としての3つの役割や、サイバーエージェントで子会社経営を行う意義もあわせてご覧ください。
“身の丈以上の経験”を重ねた10年の経営者キャリア
──専務執行役員としての役割は何だと考えますか?
それは、大きく3つあると考えています。
まず1つ目は、現在代表を務める3社の業績を伸ばすこと。
シロク、CAM、タップルの3社が、サイバーエージェントの連結売上高約5,000億円にインパクトを与えられる位の事業成果を出すことです。
10年前の話ですが、最初に会社をつくった時に代表の藤田から「経営はわらしべ長者だから」と言われたことが強く印象に残っています。
「小さな事業チャンスと縁を繋げて、会社を大きくしていけ。大きくなると出来ることや見える景色が各段に違ってくる」という意味だと内定者ながらにそう理解しました。
それから10年、これまでずっと子会社で社長をやってきましたが、この言葉の通り、タイミングを逃さずチャンスを繋げて、会社を成長させることに注力してきました。
実際、自分が携わったビジネスやサービスが大きくなるにつれ、社会からの反応がこんなにも増えるものかと実感すると同時に、その責任の重さも感じています。
──シロクは、最初に立ち上げた事業から事業転換し、その後、会社を成長させた成功例ですね。
シロクは事業ドメインを定めず様々な事業を立ち上げてきました。BtoCからBtoBへの業態変更、ブランド事業への着手など、シロクほど様変わりする会社はそうないと思います。
沢山の失敗を乗り越え、身の丈以上の経験を重ねたことで、経営者として成長できたと感じています。
──そういった経験があってCAMやタップルの代表を任されたのですね。代表の藤田をはじめ役員陣からの信頼の高さを感じます。
実年齢に対する経営者としての経験値は高いのかもしれません。
そういった経験を積ませてもらったことに感謝していますし、任されたからには必ず成果で返したいという思いが、自分の原動力になっているところも大きいです。
サイバーエージェントでスタートアップを立ち上げる意義
2つ目は「スタートアップ」。
新しい子会社を生み出し、成長させていくことです。
入社以来、たくさんの事業案を見て感じたのは、新規事業はたいてい失敗するということ。数多く生み出された中から、一握りの大成功が生き残っていくんですよね。
だからこそ、いかに小さくまとまらない攻め方をしつつ、事業の成功確率を高めていくことが重要だと思っています。
サイバーエージェントには、「あした会議」など新規事業や子会社を次々に生み出す独自の仕組みが根付いていますし、私自身も「スタートアップJJJ」の責任者を務めたり、ビジネスプランコンテストの運営にも携わるなど、これまでも新規事業の創出に注力してきました。
──サイバーエージェントの企業文化を支える重要な仕組みですね。
それに加え、ミッションステイトメントに「挑戦した敗者にはセカンドチャンスを。」と謳っていたり、「挑戦と安心はセット」という考え方のもと人事制度がつくられています。
私も、サイバーエージェントという環境だから失敗を恐れず挑戦できたと言っても過言ではありません。
サイバーエージェントで立ち上げるスタートアップは、サイバーエージェントじゃなくてもできるかもしれない。
でも、このカルチャーを再現することや、ここにいる人たちのような仲間を集めることは不可能に近いんですよね。サイバーエージェントで事業をやる意義はそこにあると思っています。
私が入社した2012年頃は、スマートフォンにシフトするという世の中の大きな流れがありました。でも今は市場の歴史が長くなっていることもあり、インパクトのある事業がうまれにくいという課題も感じています。
ですが、そんな中でも必ず事業機会を見つけ出し、社内発のスタートアップで成功事例を数多く創出していきたいです。
様々な抜てきモデルに光を当てた、若手育成
そして3つ目は若手の育成です。
人が成長するためには、多くの決断経験を積み失敗も成功も両方体験する、そしてそれを繰り返すことが重要だと思っています。
──環境が人を育てる、ということですね。
はい。これまで自分もそのように成長機会を与えてもらってきました。
以前は、若手抜てき=(イコール)子会社社長というイメージが強かったです。現に私もそのうちの1人ですが、抜てきをそこだけにフォーカスするのは少し偏っているかなと思っています。
例えば、インターネット広告事業本部の最年少局長、「ABEMA」の人気番組のプロデューサーなどといった、業績インパクトの大きい既存事業で重要なポジションに就く。これも大きな抜てきです。
今のサイバーエージェントは、若手活躍の幅が確実に広がっているので、様々な抜てきのカタチに光を当てていきたいと考えています。
──キャリアの選択肢が増えるのは良いことですね。
主力事業だからこそ出来ること、そして既存事業を伸ばし続けることの大変さは、ずっと子会社側にいるからこそ強く感じることです。
自身の経験をいかし、積極的に若手の育成に取り組んでいきます。
次世代のサイバーエージェントを担う、という覚悟
シロクを設立した10年前、「”サイバーエージェント”の内定者が会社をつくる」と、ニュースで取り上げてもらっていて、自分は会社の看板を背負っていることを知りました。
今回の専務執行役員就任は、さらにその責任の重さを感じます。
今後この抜てきのチャンスを多くの若手社員へと繋げていけるように、ポジションに見合った成果を出し、人格を備えなくてはと思います。
──最後に、ずっと経営者としてキャリアを重ねる飯塚さんにとって「経営」とは?
私は、経営とはスポーツに近いと思っています。自分が監督であり、プレイヤーであり、キャプテン。そこに信頼できる仲間がいて、ライバル(競合他社)と戦い勝ちに行く、といように。
スポーツって、マイナースポーツとメジャースポーツとでは戦い方、日本一のとりかた、チームの作り方、文化の作り方が全然違うじゃないですか。
そんな風に、サイバーエージェントの良い部分は取り入れながら、自分なりのやり方で子会社を大きくし、事業貢献していきます。
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サイバーエージェントでは、運営するメディアサービスにおいて、青少年の保護及びすべての方に安心、安全にご利用いただける環境を目指し、健全な運営のための取り組みを実施しています。悪質な目的でサービスを利用するユーザーを検知し、排除するため、24時間365日体制で厳重なサービス監視を行う上で重要な役割を果たすのが、監視基盤システム「Orion」です。「Orion」は2013年4月のリリースから現在に至るまで、サイバーエージェントの数々のメディアやサービスの健全化を支えてきました。プロジェクト発足当初から開発に携わってきた藤坂に、テクノロジーで社会課題に向き合う姿勢や、変容する社会に対して「Orion」がどうあるべきかをインタビューしました。