プレスリリース
AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO 2025」にて共著論文採択
ー 効率的に3種類の変数を同時最適化する手法を提案 ー

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の濱野椋希、野村将寛および横浜国立大学 教育推進機構 内田絢斗氏、横浜国立大学 総合学術高等研究院 白川真一氏、横浜国立大学/株式会社スキルアップNeXtの斉藤翔汰氏ならびに横浜国立大学の渡邉陽平氏による共著論文が、進化計算分野の国際会議「GECCO 2025」※1 において、Full Paperとして1本、Posterとして1本採択されたことをお知らせいたします※2。
「GECCO」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、最適化における重要領域である進化計算分野において権威ある国際会議の一つです。この度採択された論文は、2025年7月に開催される「GECCO 2025」にて発表を行います。(スペインのマラガにおいて、オフラインとオンラインのハイブリット開催を予定)
なお、AI LabからのGECCOへの論文採択は4年連続となります※3。
「GECCO」は世界中の研究者によって毎年開催される国際会議で、最適化における重要領域である進化計算分野において権威ある国際会議の一つです。この度採択された論文は、2025年7月に開催される「GECCO 2025」にて発表を行います。(スペインのマラガにおいて、オフラインとオンラインのハイブリット開催を予定)
なお、AI LabからのGECCOへの論文採択は4年連続となります※3。
■研究背景:高品質なクリエイティブ制作のための最適化
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組んでいます。
クリエイティブ制作においては、より魅力的なデザインを学習するために、デザインに影響を与える変数の最適化が重要となります。例えば、グラフィックデザインを支援するためのレイアウト自動生成※4 においては、最初に自動生成したレイアウトに対して最適化を行うことで、望ましいレイアウトの生成を実現しています。最終的な成果物の品質を高めるためには、最適化の精度を向上させることが重要となります。
レイアウト自動生成における最適化アプローチとして、有望な進化計算法の1つであるCMA-ES (Covariance Matrix Adaptation Evolution Strategy) が注目されてきました。しかし、CMA-ESは連続的な変数のみを最適化対象としているため、離散的な変数を効率的に扱うことができないという課題がありました。このような背景のもと、これまでAI Labでは連続的な変数と離散的な変数を同時にかつ効率的に最適化するCMA-ESの開発に取り組んでまいりました※3 ※5。
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組んでいます。
クリエイティブ制作においては、より魅力的なデザインを学習するために、デザインに影響を与える変数の最適化が重要となります。例えば、グラフィックデザインを支援するためのレイアウト自動生成※4 においては、最初に自動生成したレイアウトに対して最適化を行うことで、望ましいレイアウトの生成を実現しています。最終的な成果物の品質を高めるためには、最適化の精度を向上させることが重要となります。
レイアウト自動生成における最適化アプローチとして、有望な進化計算法の1つであるCMA-ES (Covariance Matrix Adaptation Evolution Strategy) が注目されてきました。しかし、CMA-ESは連続的な変数のみを最適化対象としているため、離散的な変数を効率的に扱うことができないという課題がありました。このような背景のもと、これまでAI Labでは連続的な変数と離散的な変数を同時にかつ効率的に最適化するCMA-ESの開発に取り組んでまいりました※3 ※5。
■論文の概要
Full Paperとして採択された論文『CatCMA with Margin: Stochastic Optimization for Continuous, Integer, and Categorical Variables』では、連続変数、整数変数、カテゴリ変数の3種類の変数を効率的に同時最適化する手法を提案しています。
例として整数変数はフォントサイズやオブジェクトの数を、カテゴリ変数はフォントの種類などを決定する離散的な変数ですが、これらは性質が異なるため、同時に最適化可能な手法は限られていました。提案手法は、CMA-ESの連続最適化性能を活かしつつ、整数変数とカテゴリ変数を効率的に最適化することができます。これによりクリエイティブ領域では、より高品質で自由度の高い制作が可能になると期待されます。
■今後
本研究において提案された方法はクリエイティブ領域以外にも、広告配信プロダクトにおける予測モデルの自動チューニングやゲームバランスの自動調整など、様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 「GECCO」The Genetic and Evolutionary Computation Conference
※2 所属・肩書は全て採択当時
※3 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」にて共著論文採択
AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2023」にて共著論文採択
AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO 2024」にて2本の共著論文採択
※4 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択
※5 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「PPSN 2024」にて2本の共著論文採択
例として整数変数はフォントサイズやオブジェクトの数を、カテゴリ変数はフォントの種類などを決定する離散的な変数ですが、これらは性質が異なるため、同時に最適化可能な手法は限られていました。提案手法は、CMA-ESの連続最適化性能を活かしつつ、整数変数とカテゴリ変数を効率的に最適化することができます。これによりクリエイティブ領域では、より高品質で自由度の高い制作が可能になると期待されます。
■今後
本研究において提案された方法はクリエイティブ領域以外にも、広告配信プロダクトにおける予測モデルの自動チューニングやゲームバランスの自動調整など、様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 「GECCO」The Genetic and Evolutionary Computation Conference
※2 所属・肩書は全て採択当時
※3 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」にて共著論文採択
AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2023」にて共著論文採択
AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO 2024」にて2本の共著論文採択
※4 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択
※5 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「PPSN 2024」にて2本の共著論文採択