プレスリリース
AI Lab、進化計算分野における主要論文誌「ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization」にて共著論文採択
ー 離散的および連続的な変数を複数指標に対して効率的に最適化する手法を提案 ー
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証プライム市場:証券コード4751)は、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の野村将寛および横浜国立大学の濱野椋希氏、白川真一氏ならびに横浜国立大学/株式会社スキルアップNeXtの斉藤翔汰氏による共著論文が、「ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization (TELO)」※1に採択されたことをお知らせいたします。
「ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization (TELO)」は進化計算分野における主要論文誌です。なお、今回採択された論文は進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」※2にてベストペーパー賞にノミネートされた研究を発展させたものです。
「ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization (TELO)」は進化計算分野における主要論文誌です。なお、今回採択された論文は進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」※2にてベストペーパー賞にノミネートされた研究を発展させたものです。
■研究背景:高品質なクリエイティブ制作のための最適化
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組んでいます。なかでも、クリエイティブ領域における活動として、クリエイティブ表現全般に関わる幅広いAI技術を研究するとともに、メディア理解の基盤となる画像生成AIの評価指標の分析も行うなど、応用研究だけでなく基礎研究にも注力をしています※3。
クリエイティブ制作においては、魅力的なデザインを追求する上で、影響を及ぼす変数の最適化が不可欠です。例えば、グラフィックデザインの領域におけるレイアウトの自動生成技術※4では、初期段階で自動生成されたレイアウトを最適化することにより、理想的なレイアウトを創出します。最終的な成果物の品質向上のためには、この最適化プロセスの精度を高めることが必要不可欠です。特に、レイアウト構造全体を学習対象とした場合には連続的な変数に加えて離散的な変数も最適化の対象となることがあるため、AI Labではこれらの変数を同時にかつ効率的に最適化する手法の開発に取り組んでまいりました※5。
既存研究では主に一つの指標に焦点を当てた最適化が行われてきましたが、実際の応用においては、複数の指標を考慮することが重要です。例えば、レイアウト生成においては、デザインの魅力を保ちながら要素の数を最小限に抑えたい場合があります。通常、これらの指標は相反するため、単一のレイアウトを提示する既存研究とは異なる、それらのトレードオフを考慮した複数のレイアウト候補を提示する方法の開発が重要となります。
■論文研究の概要
今回採択された共著論文「Marginal Probability-Based Integer Handling for CMA-ES Tackling Single-and Multi-Objective Mixed-Integer Black-Box Optimization」※6では、連続的および離散的な変数を含む問題に対する、複数指標を同時に最適化する手法を提案しました。複数指標を同時に最適化する必要のある問題に対して数値実験を行った結果、提案法は既存研究において有用性が確認されていた手法よりさらに効率的かつ高精度に最適化可能であることが確認されています。本手法はクリエイティブ領域にも応用可能であり、より高品質なクリエイティブの制作を可能にすることが期待されます。
■今後
本研究において提案された方法は、クリエイティブ領域以外にも、機械学習モデルの自動チューニング※7などの様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization
※2 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」にて共著論文採択 ー離散的な変数と連続的な変数を同時最適化する手法を提案ー
※3 AI Lab、コンピュータビジョン分野のトップカンファレンス「CVPR2023」にて3本の主著論文採択
※4 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択 ー最適化による制約を満たしたレイアウトの生成手法を提案ー
※5 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2023」にて共著論文採択
※6 Ryoki Hamano, Shota Saito, Masahiro Nomura, Shinichi Shirakawa, “Marginal Probability-Based Integer Handling for CMA-ES Tackling Single-and Multi-Objective Mixed-Integer Black-Box Optimization”, ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization
※7 AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「AAAI 2021」にて共著論文採択 ー 事前情報を活用した効率的なハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
AI Lab、データマイニング分野の主要国際会議「CIKM」にて共著論文採択ー 正解情報のないデータに対するハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組んでいます。なかでも、クリエイティブ領域における活動として、クリエイティブ表現全般に関わる幅広いAI技術を研究するとともに、メディア理解の基盤となる画像生成AIの評価指標の分析も行うなど、応用研究だけでなく基礎研究にも注力をしています※3。
クリエイティブ制作においては、魅力的なデザインを追求する上で、影響を及ぼす変数の最適化が不可欠です。例えば、グラフィックデザインの領域におけるレイアウトの自動生成技術※4では、初期段階で自動生成されたレイアウトを最適化することにより、理想的なレイアウトを創出します。最終的な成果物の品質向上のためには、この最適化プロセスの精度を高めることが必要不可欠です。特に、レイアウト構造全体を学習対象とした場合には連続的な変数に加えて離散的な変数も最適化の対象となることがあるため、AI Labではこれらの変数を同時にかつ効率的に最適化する手法の開発に取り組んでまいりました※5。
既存研究では主に一つの指標に焦点を当てた最適化が行われてきましたが、実際の応用においては、複数の指標を考慮することが重要です。例えば、レイアウト生成においては、デザインの魅力を保ちながら要素の数を最小限に抑えたい場合があります。通常、これらの指標は相反するため、単一のレイアウトを提示する既存研究とは異なる、それらのトレードオフを考慮した複数のレイアウト候補を提示する方法の開発が重要となります。
■論文研究の概要
今回採択された共著論文「Marginal Probability-Based Integer Handling for CMA-ES Tackling Single-and Multi-Objective Mixed-Integer Black-Box Optimization」※6では、連続的および離散的な変数を含む問題に対する、複数指標を同時に最適化する手法を提案しました。複数指標を同時に最適化する必要のある問題に対して数値実験を行った結果、提案法は既存研究において有用性が確認されていた手法よりさらに効率的かつ高精度に最適化可能であることが確認されています。本手法はクリエイティブ領域にも応用可能であり、より高品質なクリエイティブの制作を可能にすることが期待されます。
■今後
本研究において提案された方法は、クリエイティブ領域以外にも、機械学習モデルの自動チューニング※7などの様々な問題に対して応用が可能です。「AI Lab」は今後もAI技術を取り入れたより品質の高い広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めてまいります。
※1 ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization
※2 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2022」にて共著論文採択 ー離散的な変数と連続的な変数を同時最適化する手法を提案ー
※3 AI Lab、コンピュータビジョン分野のトップカンファレンス「CVPR2023」にて3本の主著論文採択
※4 AI Lab、マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択 ー最適化による制約を満たしたレイアウトの生成手法を提案ー
※5 AI Lab、進化計算分野のトップカンファレンス「GECCO2023」にて共著論文採択
※6 Ryoki Hamano, Shota Saito, Masahiro Nomura, Shinichi Shirakawa, “Marginal Probability-Based Integer Handling for CMA-ES Tackling Single-and Multi-Objective Mixed-Integer Black-Box Optimization”, ACM Transactions on Evolutionary Learning and Optimization
※7 AI Lab、人工知能分野のトップカンファレンス「AAAI 2021」にて共著論文採択 ー 事前情報を活用した効率的なハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー
AI Lab、データマイニング分野の主要国際会議「CIKM」にて共著論文採択ー 正解情報のないデータに対するハイパーパラメーター最適化手法を提案 ー