公営競技のネット投票サービス「WINTICKET」がつくる“新しい競輪”
ミッドナイト競輪を楽しむ若者が増加中

サービス

競輪・オートレースのインターネット投票サービス「WINTICKET(ウィンチケット)」の成長が加速している。四半期取扱高は前年比約1.9倍と好調に推移し後発サービスながら市場シェアの3割以上を占めるまでに拡大。サイバーエージェント代表藤田は好調の要因を「ABEMAとの相性の良さとサービスの技術力・運用力の賜物」と説明する。

これまでの競輪ファンに加え、若い世代にもその面白さを伝えることで、市場の活性化と新しい価値の提供を目指す「WINTICKET」の強みに迫る。

ミッドナイト競輪×ABEMA番組の好相性

ABEMA 競輪・オートレースチャンネルにて毎日20:30から放送している「WinTicket ミッドナイト競輪」
ABEMA 競輪・オートレースチャンネルにて毎日20:30から放送している「WinTicket ミッドナイト競輪」

公営競技は「巣ごもり」で売上を伸ばした産業の1つ。とりわけ、インターネットで車券を購入する土壌が出来上がっていたミッドナイト競輪は売上の記録更新ラッシュが続いた。
新たなエンターテインメントとして注目されるミッドナイト競輪と、「WINTICKET」およびABEMA番組「WINTICKETミッドナイト競輪」との相性の良さについて、株式会社WinTicket代表の佐野はこう話す。


佐野「『WINTICKET』はミッドナイト競輪に特に力を入れています。帰宅後に自宅でくつろぎながらミッドナイト競輪を楽しむという、新しいエンタメを確立したいな、と。

『ABEMA』で毎晩放送している『WINTICKETミッドナイト競輪』は、豪華出演者と共にレースを視聴しながら『WINTICKET』で予想・投票するものです。
出演者の予想を参考にするだけでなく、元競輪選手による初心者に向けたわかりやすい解説とおすすめの車券のコーナーや、競輪界のニュース紹介、バラエティ企画など、どなたでも楽しめる競輪エンターテインメント番組になっています。
競輪をやったことのない人でも、競輪をより身近なものに感じていただくこと、自分でもやってみようと思うきっかけにしていただくこと、を目的に番組を制作しています。」
 

番組の様子。番組視聴数の伸びにあわせ、サービス利用者の属性に変化があった。
番組の様子。番組視聴数の伸びにあわせ、サービス利用者の属性に変化があった。

佐野「競輪のお客様は比較的高年齢のお客様が多いですが、『WINTICKET』を利用していただいているお客様は20代が最も多く、これは『ABEMA』の視聴属性とリンクしています。
番組視聴を通じて、競輪未経験の若者が競輪を始めてくれた証拠かなと思っています。」

独自データが予想を面白くさせる

「WINTICKET」を利用したことはなくても、俳優の窪塚洋介さん、オダギリジョーさんを起用したこのCMには見覚えがあるという人も多いはず。

佐野「『WINTICKET』は後発ということもあって、これまで競輪にあまり触れることの無かった若い世代の方にも面白さを伝えることに注力してきました。マーケティングに重きを置くのはその理由からで、地上波のTVCM、WEBCM、交通広告等にも力を入れています。

シンプルで見やすいUIUXはサイバーエージェントがこれまで培ったサービス開発のノウハウが活きていますし、競輪初心者の方にも、簡単に競輪を楽しんでいただけるような機能も拡充しています。」


初心者のみならず競輪経験者からも評価が高いのが「WINTICKET」。その理由は、他社にはない独自の情報(データ)だという。

佐野「他サービスでは提供していないオリジナルな情報(データ)が豊富なのが特徴です。

様々な情報(データ)を元に展開を予想するのが競輪の醍醐味です。
まだ予想に慣れていない初心者のお客様には、AIが予想したデータや回収率の高いユーザーの展開予想を提供していますし、ABEMA番組での芸能人や解説者の予想も参考に出来ると思います。
また競輪経験者のお客様にも、独自の集計アルゴリズムを用いた『EXデータ』を提供していて、他では見られない選手の実績データは競輪予想の参考になっていると思います。

お客様の予想レベルに合わせて、様々な情報(データ)を提供できていることがサービスへの定着や継続利用にも繋がっていると考えています。
 

また、競輪業界で初めてスマホ決済サービスを導入したのも「WINTICKET」。

佐野「約2年前、若い人たちが日常的に使っている決済手段を導入することで、若い人たちも競輪に参加しやすくなるのではないか、と考え導入しました。
現在ではPayPayやLINE Payなどのスマホ決済手段に加えて、TポイントやPontaポイントを同時にためて使うことも可能です。
今後もお客様がより快適に競輪を楽しめるサービス開発に尽力していきたいと考えています。」
 

ミッドナイト競輪を新しい夜のエンターテイメントに

他にも、競輪の魅力を多くの人に伝えるための取り組みは数多く行われている。
持ち前の技術力やクリエイティブ力を活かして、「WINTICKET」ならではの業界への貢献を目指しているという。

佐野「映像でのチャレンジに注力していきたいと考えています。

すでに実施した取り組みとしては、今までにない視聴体験を提供したいと考えて実施した『ARマッピング』や『リアルタイムスピード解析』などがあります。

『リアルタイムスピード解析』は、安全面への考慮から、選手に計測用の機器を装着するのではなく映像データからスピード算出するシステムを導入しました。実際のスピードデータを視覚的に表現することで予想の一助になればと考えたのです。」

佐野「野球やサッカーでも映像を用いたデータ解析、データ活用が進んでいますが、競輪は見ているお客様にとってデータが最も活用されるスポーツの1つです。
今後も映像とデータを掛け合わせたチャレンジを加速させ、他のスポーツにはない映像体験を提供していきたいと考えています。」

映像以外にも、WINTICKETは「KEIRIN GRAND PRIX(KEIRINグランプリ)」の開催支援やメインコンセプトデザインも行なっている。

業界発展のためには、WINTICKET単独での動きには限界があると感じている。業界全体と連携しながら競輪の発展に貢献していきたいと佐野は話す。

競輪市場は右肩上がりの成長を続けており、今年は1兆円を超えるといわれる。
あらためて「WINTICKET」の目標はミッドナイト競輪を新しい夜のエンターテイメントにしていき、市場全体を拡大させていくことだそう。

佐野「競輪を『若い人たちが当たり前のように楽しむエンタメ』にしていきたい、そのために『WINTICKET』はこの事業に取り組んでいます。
その実現には技術力、クリエイティブ力、マーケティング力が必要不可欠ですが、それらはサイバーエージェントグループの強みです。テクノロジーを駆使して、競輪をしたことない人でも楽しめるようなデータや映像を提供する技術力。競輪を”かっこいい””イケてる”と思ってもらえるようなクリエイティブ力。それらを届けるマーケティング力。
グループの強みを活かして若い人たちに競輪の魅力を伝えていき、競輪市場を拡大していきたいと思っています。」

さらなる「WINTICKET」の成長にあわせて、競輪市場の活性化と新しい価値の提供に期待がもてそうだ。
 

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