10年間の知見と共に更なる飛躍を目指して、
メディアサービスを支えるデータ活用組織の新たな挑戦

技術・デザイン

2021年9月に発足したMedia Data Tech Studioは、サイバーエージェントのメディアサービスにおける大規模データ処理やデータ分析、機械学習などを専門とするエンジニアが在籍するデータ活用組織です。その前身である秋葉原ラボは2011年4月開設、その後10年間メディアサービスから得られるデータを活用して、サービスと会社の発展に寄与してきました。10年間の歩みと共に新たな組織を発足した経緯や今後の展望について、Media Data Tech Studio内Data Science Centerの數見と鈴木に聞きました。

Profile

  • 數見 拓朗
    2013年新卒入社。博士(経済学)。入社後は秋葉原ラボに所属し、自社メディアサービスのデータを活用した機能の開発や運用に従事。2015年に社会人ドクターとして金融工学の研究を行う。(当時のブログ「アキバ系社会人ドクターのすすめ」)
    2021年9月より「Media Data Tech Studio」内 Data Science Centerのセンター長に就任。

  • 鈴木 元也
    主にB2B向け受託分析の会社を経て、2017年中途入社。修士(商学)
    秋葉原ラボに所属し、自社メディアサービスの分析レポーティングや機械学習システムの改善支援、ビジネスメンバーへの分析アドバイザリー等を行う。 2021年9月より「Media Data Tech Studio」内 Data Science Center 所属。

各サービスと “ワンチーム” になれるデータ活用組織を目指して

──まず、Media Data Tech Studio発足の経緯を教えてください

數見:データを活用して事業成果につなげるためには、その事業に関するドメイン知識や、適用領域における知識が非常に重要です。一口にWebサービスにおけるレコメンドと言っても、動画配信サービスである「ABEMA」とマッチングアプリ「タップル」では異なります。例えば、動画はどれだけ多くのユーザーに視聴されても無くなるものではないので、「ABEMA」で各ユーザーが視聴しそうな動画を順に推薦することは自然な発想のように思います。その一方で「タップル」では、マッチングしそうなユーザーをただ上から並べると、他のユーザーからも人気を集める方であればプラットフォーム全体のマッチング数を減少させてしまうかもしれません。これはあくまで例の一つではありますが、本質的なデータ活用において事業に関するドメイン知識は欠かせません。
前身の秋葉原ラボでは横軸組織として10年間ナレッジを蓄積し、それらをサービスの立ち上げ時に素早く導入できていました。ただ、事業をさらに伸ばすためにはこれまでの横軸組織としての関わり方だけではなく、開発現場により深く入りこむことでドメイン知識を身につける必要があると考えました。現場メンバーと密に議論を交わし、課題解決にどのように向き合っていくか共に考えられる体制も必要不可欠です。そこで横軸組織として技術領域の連携を残しつつも、サービスとワンチームになれる組織を目指してMedia Data Tech Studioを発足しました。Media Data Tech Studio内にData Management Center、Data Science Center、Data Tech Labという3つの組織をつくり、それぞれの役割を明確にして注力すべき領域を分けています。我々が所属するData Science Centerでは、事業にコミットする中で得られたそれぞれの成果を技術資産に昇華すべく奮闘しています。

──Data Science Centerではどんなことに取り組んでいるのでしょうか?

數見: データ活用による機械学習アルゴリズムの開発はその一つです。主に推薦や検索、広告配信システムに注力しており、「ABEMA」や「タップル」、「Ameba」といった様々なメディアサービスに導入され、日々改善に取り組んでいます。例えば「タップル」では、ユーザーの推薦体験を向上させるために、チーム内での推薦アルゴリズムの改善だけでなく、外部組織との共同研究を目指した取り組みや、社内のAI技術研究開発組織「AI Lab」との協業体制を敷いています。
また、 戦略や施策の意思決定支援も重要な取り組みです。各サービスの事業責任者やプロデューサー、エンジニアたちがデータを見るにあたっての目標設計が円滑にできるようサポートしています。

──発足して半年、組織としての課題はありますか?

鈴木:メンバーのアウトプットをいかに事業成果に結びつけるかが今の課題です。Data Science Centerには専門性の高いメンバーが多く、その高い技術力でシステム開発や課題解決を行っています。しかし、それらがどのように事業成果に貢献しているのか説明したり、中長期的なデータ戦略を現在取り組んでいるタスクに関連づけることはとても難しいのが実状です。例えば、推薦機能の利用率を改善するプロジェクトに取り組んでいるとします。改善した結果ユーザーのサービスへの興味関心がさらに高まり、利用時間や利用頻度の向上にも繋がることが想定されますが、それらを前もって定量的に示すことは容易ではありません。自分たちのアウトプットと事業成果を紐づけられるよう自ら努力していかなければ、データ活用への信頼が損なわれてしまう可能性もあります。このようなことが起きないよう、マネージャーである自分たちが率先して成果に結びつけやすい土壌作りに取り組んでいます。

數見: この半年で特に力を入れてきたのは各サービスとの “ワンチーム”化です。現場との密なコミュニケーションや丁寧な振り返り、事業における目標設計など “ワンチーム” を達成するために欠かせない取り組みを一つ一つ行ってきました。その甲斐あって職種を超えた繋がりは出来てきたように思いますが、それを事業成果に結びつけることが本当に難しいと感じる日々です。データ活用に携わる一人一人の動きで見れば成果を上げてくれるメンバーもいるし、スピード感を持って業務を遂行できているものの、Data Science Center全体として経営陣や事業責任者が求めるレベルにはまだまだ到達できていないので、そこが今後の課題ですね。

発足してまだ半年、新たに加わる方もオーナーシップを存分に発揮できる環境

──Data Science Centerで働く醍醐味を教えてください。

鈴木:複数のメディアサービスに携われるので、ドメイン知識を広げられると思います。また、技術領域が近いメンバーに気軽に相談できる環境でありながらも、各サービスに深く入り込んで改善に取り組める環境はData Science Centerならではだと感じています。定期的に部署内での共有会を実施しているので、共通の課題や手段、フローなどのナレッジを蓄積する動きも活発です。

その他にはミッションの設計次第ではありますが、大学や他部署との共同研究も盛んですし、「言語処理学会第28回年次大会(NLP2022)」では「HTML 構造を補助情報として利用する日本語ブログ記事からの固有表現抽出」と題して「Amebaブログ」の事例を用いた発表を行う予定です。

數見:鈴木が “いちメンバー” として働く醍醐味を伝えてくれたので、私からはデータ活用組織のマネージャーとしてData Science Centerで働く面白さをお話しますね。過去のナレッジの蓄積はありつつも、発足して半年の組織でまだまだ未開拓な領域も多いので、自分で組織デザインできる点は魅力です。一緒に組織を創り上げてくれるマネージャーを積極的に募集しているところなのですが、新たに加わる方にもオーナーシップを存分に発揮してもらえる環境だと思います。その分説明責任は求められるものの、自由度高く仕事ができると考えています。

──Data Science Centerのマネージャーに共通する素養は何だと思いますか?

鈴木:ML/DS職での実務経験やプロジェクトマネジメント能力、コミュニーケーション能力などスキル面はもちろん重要ですが、目の前の課題に対して “自分ごと化” できるか、オーナーシップを持って取り組めるかという心掛けがとても大切だと思います。

數見:そうですね、データを扱っていて「ここ問題ですよ」と言うのは簡単ですが、課題解決にまで踏み込めるかでその先が変わってくると考えています。そのためにはポジティブな姿勢で取り組めるかも重要ですね。

技術や手法といったものに関して興味を持つことは大切です。ただ自戒も込めて、担当サービスへの強い関心、そしてドメイン知識を持っているかという点は会社で活躍するために欠かせないと思います。
 

Data Science Centerでは、データ活用組織のマネージャーを募集しています。
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