個人と事業を飛躍させる、クリエイター組織のあり方

先日、20代のエンジニア・クリエイターが中心となって創り上げる技術カンファレンス「CA BASE NEXT」を開催しました。当日はセッション、LT、パネルディスカッション、インタビューセッションを含む約50のコンテンツをお届けし、多くの方にご参加いただきました。ここでは、若手社員が役員をゲストに迎えたインタビューセッションの様子をレポートします。第二弾は「クリエイティブ執行役員、佐藤 洋介に若手デザイナーがインタビュー!」です。
Profile
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佐藤洋介
2012年にサイバーエージェントへ中途入社。スマホサービス立ち上げの最盛期からクリエイティブ組織の体制を確立させ、競争力となるクオリティを社内から生み出す礎をつくる。2016年4月からCA初のクリエイティブ領域の執行役員に就任。「ABEMA」「AWA」など主にメディア事業のクリエイティブを監修。 -
小倉大知
2019年にサイバーエージェントへ新卒入社。音楽ストリーミングサービス「AWA」のUIデザイナーを経て、現在では競輪・オートレースの投票サービス「WINTICKET」のデザインを担う。 -
猪上気広
2019年にサイバーエージェントへ新卒入社。内定者時代より新規事業の立ち上げに参画し、現在では「Ameba」のデザインを担う。

小倉
今回のゲストはクリエイティブ執行役員の佐藤洋介です。私たち若手社員の質問を通して、クリエイティブ組織のこれまでの取り組みや今後の狙い、戦略をお伝えしたいと思います。

佐藤
サイバーエージェントの執行役員の佐藤(通称:シュガー)です。2012年に中途でサイバーエージェントへ入社しました。現在では全社のクリエイティブ組織を統括し、主に「ABEMA」などメディア事業のクリエイティブ監修を担っています。

クリエイターの多様性を、組織としてつくる

猪上
では早速一つ目のテーマ「サイバーエージェントで働くクリエイター」について質問をしたいと思います。サイバーエージェントではメディア・広告・ゲームと事業の幅が広いため多種多様なクリエイターがいますが、新卒の採用基準はどのような視点でみているのでしょうか?

佐藤
「素直でいいやつ」というのは全職種同じです。
しかしそれだけでは、クリエイターはスキルや技術などが平均化してしまうので、面白い特技や秀でたものが強くある人材を意識して採用しています。
僕らクリエイターはアウトプットで世の中に提言をしていく必要があるので、記憶に残る印象的なものをつくれることは才能ですし、そういった影響力をもっているかどうかは大事なポイントになります。

小倉
そのうえで、サイバーエージェントのクリエイターが他社と比べて強みになる部分はどこでしょう?


佐藤
クリエイターに限らず、社内に市場に近い環境があるのはうちの良さだと思います。メディア、広告、ゲーム、AIと多様性のある事業の中で、組織によってクリエイターの定義が少しづつ違うので、クリエイターの働く環境や役割がたくさんあります。

猪上
途中でジョブチェンジする人もいますもんね。

佐藤
組織に多様性があると、クリエイター個人の「WANT」に対して、社内で環境を用意できます。長いクリエイター人生、何がやりたくなるかわからない。入社当時とは別の特技が秀でることだってある。個人の考えの変化に合わせて活躍する場を提供できるのが、うちの強みだと思います。早くから色んなことにチャレンジすることで、クリエイターとしての厚みをつくることができます。

猪上
確かに私も今は「Ameba」にいますが、異動のタイミングの時、「次は何やりたい?」から聞かれて、自分のやりたいことベースから対話が始まったのには驚きました。
次なるチャレンジへ、
良い循環を生むための組織づくり

猪上
次はクリエイター組織について聞きたいと思います。
私たちの所属しているメディアクリエイター組織では、クリエイターの横のつながりが強い印象がありますが、シュガーさんが転職してきた2012年当時からこのような組織だったのでしょうか?


佐藤
当時は組織の整備よりも、まずはものづくりの仕組みをつくることが先行していた時代でした。
新しい市場が生まれ、「スマートフォンサービスを100個つくる」と全社で宣言している最中、どうすればスマホアプリが作れるのかみんなで学んでいるような状況でした。
ただ、クリエイター個人の力量やクオリティの目線によって事業のレベルが決まるのは、入社時から気付いていました。いろんなサービスが乱立している中、もっとクリエイティブのクオリティを上げればより良いプロダクトとして昇華されるのにと、もどかしく思っていました。
当時はサービス毎にクリエイターがいる縦割りの組織だったため、クリエイター同士横でシナジーが生めなかったり、言いたいことがあっても傍観して批判だけになってしまう状態。それでは組織として成り立たないので、批判ではなく「批評」がしあえる関係性を築くために、クリエイター組織をつくっていきました。

小倉
特に新卒の育成など、今では「よってたかって、みんなでクオリティを上げていこう」という文化を随所に感じます。

佐藤
結局みんなで育てて優秀な人材が育つことで、自分も次の新しいステージへチャレンジできるようになる。なのでそういう組織づくりを心がけています。
次世代を担うクリエイターに大事なこと

小倉
今回の「CA BASE NEXT」は「次世代のクリエイター・エンジニアの活躍」をテーマとしていますが、プロダクトづくりにおいて僕たち若手クリエイターには、どういう立ち位置を期待していますか?

佐藤
前例のないものや、自分らしい答えをつくり続けてほしいと思います。今ある条件の中で「自分らしい価値で事業を引っ張る」という意志を持ち続けて欲しい。
今回のイベントに込めた想いは「代替え」でした。僕らも油断しないように、次世代のベースラインを上げていき、常に代替えできる組織を目指していきたいです。

猪上
事前に集めたシュガーさんへの質問でもきてました、いつ席を譲ってくれるのかと(笑)。

佐藤
僕の席なんて全然譲りますよ(笑)。だってそうなったら僕は他のことがやれる。新しい人がその人らしい組織をつくればいいと思っているし、どんどん新しいことを実践していって欲しいと思っています。

小倉
最後に、次世代を担うクリエイターに向けて一言お願いします。

佐藤
市場の変化自体を創り出していくために、自分たちで創っていく意思を表明し続けて欲しいと思います。
意思のない失敗が一番目もあてられない。意思をもって失敗したらそれは全部自分に返ってくるので、萎縮せずいろんな失敗を積極的にしていって欲しいです。
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100以上の子会社に約2000名の技術者が携わるサイバーエージェントの特色の一つが、部署や子会社の垣根を超えて積極的に実施されている横軸の取り組みです。技術的課題の解決や、ナレッジの共有、採用、育成、活性化施策などその対象は実に様々です。グループの中でも特に横軸の活動に力を入れているのが、ゲーム・エンターテイメント事業部 (SGE)。
「自分たちの組織は自分たちでつくる」という考え方のもと、技術者たち自ら、組織課題の解決のため積極的に取り組んでいます。同組織のエンジニアボードメンバーとして様々な横軸施策に携わる吉成に話を聞きました。