デジタル変革するエンタメの未来。急拡大するデジタルライブエンターテインメント市場
今後、1000億円にまで拡大が予測されるデジタルライブエンターテインメント市場。
コロナ禍で急拡大し、Withコロナ時代の新たなエンタメのかたちとして注目が集まっています。そこでデジタルエンタメ領域を推進する当社常務取締役およびCyberZ代表の山内に、デジタルライブエンターテインメント市場の可能性や当社の取り組みなどについて聞きました。
デジタルライブエンターテインメント市場、2024年には約1000億円へ
──デジタルライブエンターテインメント市場が拡大すると予期した時期や理由は?
コロナ以前より、オフラインをメインとしていたeスポーツ大会「RAGE」や「CyberE」のイベント事業を通じて会場の広さや距離といった、物理的な制約のないデジタルライブは今後大きく伸びてくるのではないか、ネットでのエンターテインメントの拡がりはどれくらいあるものなのかと考えていました。
会場と興業のバランスが会場不足を生んだり、ライブチケットが完売し入手できない方や、遠方の公演で移動が難しい方の為に、オンラインでライブ体験を提供できれば、ファンの方々や主催者様にとってメリットは大きいのではないかと考えていたからです。
ただこれは実際に実施・体験してみて初めてその良さが分かるので、徐々に伸びていくと予測していました。
──そんな中で起きた新型コロナウィルス感染拡大。日本国内でも各経済活動の自粛が求められましたね。
そうですね。なかでも、ライブやコンサートをはじめとするリアルエンターテインメントへの打撃は大きく、市場の構造そのものが根本的変革を余儀なくされてしまいました。アーティスト様やライフ?主催者の皆様からのデジタルライブの問い合わせはこの頃から急増し、コロナの影響の深刻さを肌で感じました。一向に収束が見えない状況下で我々に何かできることはないかと考え、今年の4月にOENを設立しました。
先日、デジタルエンターテイメント市場調査を実施したのですが、その結果、今年2020年の市場規模は140億で、2024年には約1,000億にまでなる予測となりました。
今年の6月にはBTSのオンラインコンサートが、世界107カ国で最高同時接続75万人を突破したと話題になりました。その規模、約5万人を収容するスタジアムライブ15回分に相当するといわれています。デジタルならではのリーチ力の高さ、その演出方法の可能性などから、今後の市場拡大予想につながっているのではないかと感じています。
各社の強みを活かし新たなデジタルエンタメ産業を創っていく
──本市場へのサイバーエージェントグループの取り組みは?
有料オンラインライブは「ABEMA」の「PayPerView」機能や「OPENREC.tv」の「SUPERLIVE by OPENREC」を活用し配信しています。
加えて、デジタルに特化したイベントコンテンツ開発は前述のOEN、オンラインイベントのチケット販売・集客に「アメパス by Ameba」、バーチャル撮影システムなど最先端技術を使った映像表現をCyberHumanProductionなどグループそれぞれの強みを活かし、幅広く事業展開しています。
また、LDH JAPAN社との合弁で提供しているデジタルコミュニケーションサービス「CL」は、有料会員の事前登録者数がプレオープンから1か月半で10万人を突破しました。アーティスト本人たちとオンラインで会えるなど付属オプションや特典もネットとの相性の良さを感じています。
ライブ視聴だけではなく、ライブ終了後にもビデオチャットツールを活用した新しいコミュニケーションや、Eコマースを有効活用した限定グッズの発売など、コロナ禍でも何とか提供できる新しいビジネス機会が生まれていることを実感しています。
国民的人気アーティスト「ゆず」のオンラインライブツアーを「SUPERLIVE by OPENREC」にて独占配信
「OPENREC.tv」(CyberZ提供)の「SUPERLIVE by OPENREC」において、国民的人気アーティスト「ゆず」によるオンラインライブツアー『YUZU ONLINE TOUR 2020 AGAIN』全5公演を独占配信することを発表させていただきました。
「ABEMA」や「OPENREC.tv」という既にユーザ基盤がある配信サービスと高いライブ配信技術をもってアーティスト・主催者のデジタルエンタメへのトランスフォーメーションを支援していければと考えています。
動画配信プラットフォームの構造上、「実現性」や「収益性」などを考慮すると、お問い合わせいただく全てのライブエンターテイメントのデジタル化に対応しきれない課題ももちろんありましたが、今後は、ライブの配信だけではなく、イベントの告知からチケット販売、会場づくり、VR AR技術、グッズ制作など、デジタルエンタメを総合的に支援できる体制を活かし、デジタルならではの多くの新しいエンタメ創出に挑戦していきます。
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神奈川県とタップルが目指す新しい結婚支援
【対談】神奈川県×タップル
2023年11月、神奈川県とマッチングアプリ「タップル」は若い世代の結婚支援に取り組むため「マッチングアプリの適正利用促進に関する連携協定」を締結しました。※1
2023年に結婚したカップルが出会ったきっかけの25.0%が「マッチングアプリ」※2だという調査結果もあるほど定着したアプリ婚。本記事では、神奈川県がマッチングアプリと連携して目指す「若い世代の結婚支援」について神奈川県青少年課伊藤里佳子様にお話を伺いました。
(聞き手:タップル 浦辻 本インタビューは2024年2月に実施しました)
※1 マッチングアプリの適正利用促進に関する連携協定
※2 2023/11/16 明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査より