“若武者”渋谷ABEMAS・松本吉弘。「Mリーグ」で狙う、最高の下剋上

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プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」で、チーム・個人ともに快進撃が止まらない渋谷ABEMAS・松本吉弘選手
苦しんだ前シーズンから一転。チャンスは決して逃さず、またピンチでも簡単には失点しない抜群のバランス感覚を発揮し、今期MVP有力候補です。

「Mリーグ」に所属する男性プロ雀士で最年少となる唯一の20代。
雀力も人間力も成長著しい松本選手の強さの理由を、本人そして普段から親交の深いお三方に聞きました。

※2019、2018ともにレギュラーシーズン
※2019、2018ともにレギュラーシーズン

今期初トップ試合で確信した、自身の成長

 ──Mリーグ3年目の大躍進。この“成長”をどう感じていますか?

大敗を喫した昨シーズンは、つらい思いも悔しい思いもたくさん味わいました。
だけど、その分、負けを背負ってる時の打ち方や、メンタルの持ちようなど、プラスで終えた2018シーズン以上に学ぶことが多かったです。

特にそれを実感したのは、今期初めてトップをとった試合
序盤から大きな失点で追い込まれるも、怒涛の5連続アガリで一気にトップに。大量のビハインドがある中でも焦らず諦めず、勢いを引き寄せることができました。
この時に「昨シーズンまでの自分とは違う」と確信しました。
 

そして、ファンの方や、仲間にも支えられてきました。
実は、去年の1番負けてる時に1番多く応援の声をもらったんです。ファンの方からSNSなどで「感動した」という声を沢山いただいたし、藤田監督には「すごく良かった。見ている人をワクワクさせる麻雀だった」とも言ってもらいました。
麻雀で人を感動させる、これほどプロ冥利につきることはありません。

いつもチームメイトには沢山のことを教えてもらっていますが、なかでも白鳥選手の存在は大きい。
彼は1年目に大敗し、2年目にチームのポイントリーダーとなるほど好成績をおさめました。
悪い時も良い時も両方を経験してるからこその言葉には重みがあるし、通じ合える部分が多いです。

“臆病さ”が麻雀を強くする

 ──ご自身の「強さ」は何だと思いますか?

臆病なところ、でしょうか。
調子の良し悪しに関係なく、試合前はいつも「負けたらどうしよう」って怖いんです。

でも僕にとって、そのネガティブは必要なこと。
リスクを回避すべく徹底的に戦略をたてて研究するし、たとえ勝っていてもポイントにあぐらをかかず決して驕らずにいられる。
臆病さが、もっと麻雀が強くなりたいという気持ちにつながっています。

特に「Mリーグ」は他の試合に比べてみてる人の数が桁違い。有難いことではありますがそのプレッシャーたるや(笑)。
その半面、多くの人が見て楽しめる“スポーツ”であることを伝える好機だとも思っています。

ちょっと話それますが、この間「ABEMA」で将棋チャンネルを見ていて。僕が1番惹きつけられたのは、負けた棋士が苦悩の表情を浮かべたシーンでした。
将棋初心者だからなのかもしれないけど、僕はその表情に“スポーツ”を感じたんです。

色んな人が見る「Mリーグ」も同じで、選手の喜怒哀楽が伝わるとより麻雀を楽しめるんじゃないかと思います。
これあまり言わないようにしてたんですけど、勝ってる時は全力で喜んで、負けてる時は悔しがるといった感情を、意識的に前面に出すようにしてます。

 ──たしかに試合中よく表情ぬかれていますよね。

そうでしょ(笑)。そういう意味では渋谷ABEMASはタレント揃い。
試合中に多井さんが変顔したり、白鳥さんがしょっちゅう髪型変えたり、日向さんの「ちゅも」が話題になったり。
ビジュアルもみんないいですし、あ、自分のことを言ってるんじゃなくて(笑)見ていて楽しいチームかなと思います。
 

「寝ても覚めても麻雀」Mリーグで狙う、最高の下剋上

 ──松本選手にとって麻雀とは?

僕の人生を豊かにしてくれるもの、ですね。

僕、幼いころから「将来何になりたい?」という質問に1度も答えられなかったんです。
趣味と言えるものも全くなかったし、野球好きの父と兄の影響で野球をやっていましたが、自分の意思で続けてたという感じでもなく。
自分からやりたいと思った、初めてで唯一のものが、麻雀でした。

麻雀って奥深いんですよ。
これまでスポーツも勉強も大抵人並にできるタイプだったんですけど、麻雀は全く思い通りにいかない。
でも、上手くなった実感や新しい打ち方を見つけると子どもみたいに無邪気に嬉しくて。

それまで人生の軸みたいなものが何もなかったけど、麻雀によってようやく見つけられた感じです。

 ──そうして24歳で麻雀プロに。でも当時は会社員との2足のわらじだったとか。

そうですね。だから本当の意味で麻雀プロとしての覚悟が決まったのは、2018年に「RTDリーグ」に出て、そのあと、Mリーガーになってからかもしれません。

それからはもう、寝ても覚めても麻雀のことばかりです。
実際寝ているときにみる夢はだいたい「Mリーグ」のことですからね。
大負けする悪夢や、勝ってヒーロ―になる夢。
24時間麻雀のことだけを考えられる今が、すごく幸せです。
 
僕は年齢もキャリアもまだまだですけど、その分の成長力や突破力が強み。
麻雀に年齢なんて関係ないってことを体現できるMリーガーとして、レジェンドクラスの人たちを倒す下剋上を見せたいですね。

見てくれてる人たちをワクワクさせて麻雀の楽しさを多くの人に届けること。
それが、僕の人生を豊かにしてくれた麻雀への恩返しかなと思っています。
 

「麻雀界を代表するトッププレーヤーに。」先輩麻雀プロが語る、松本吉弘

ここからは別の角度から松本選手の“成長”をみていきましょう!
プライベートでも親交が深く、松本選手のことをよく知る方々にも話を聞き、好調の要因を探ってみたいと思います。

■話を聞いた方々
渋谷ABEMAS・白鳥翔さん:苦楽を共に乗り越えるチームメイト。#ショウマツ は、もはや説明不要の仲の良さ。
KADOKAWA サクラナイツ・堀慎吾さん:松本選手と同団体の新Mリーガー。雀力の高さとともにビッグマウスも有名。
渋川難波さん:松本選手と同団体のプロ雀士。「Mリーグ」解説者という客観的な目線で松本選手の成長を語っていただく。

注:このお三方、とても仲良しです。
 

 ──「今シーズンの松本選手はここが違う!」と感じることを教えてください。
 

氏名

白鳥さん

去年とは運量が違いますね(笑)。
麻雀って短期で常に成績を出せるゲームじゃないんです。
去年はまつ(松本選手)の実力からは考えられない成績でしたが一言で言うとツいてなかったなと。
ただプロの世界はツいてないで済ませられないですからね。

今年はツいていると思いますが、チームや二人で麻雀の話をしていることをうまく取り入れてプレイできているなと感じる場面が多いです。
加えて落ち着きが増したな、と。どんな時も焦ってないですよね。

氏名

渋川さん

「今年は堂々と打ってる!」とか言われてますが、僕は正直昨年までとあまり違いはないと思っています。
勝負どころでの押しっぷりは昔から良かったので。
ただ、今年は微妙な手でもしっかりオリる余裕ができて、失点が減ったのが大きいのかな、と感じています。

 ──では、松本選手の「強み」とは?
 

氏名

渋川さん

1番は「見ていて違和感のある打牌がほとんどない」ことだと思います。安定して、崩れないのが1番の強みかなと。

逆に言うと想像を超える打牌はほとんどないので、それがでるようになると、さらに上のランクに行ける気がします。僕が言うのもおこがましいですけど!!

氏名

白鳥さん

最近は「こういう局面ではこういうプレイが得」とワンパターンな思考に走ってしまうプレイヤーが多いように感じますが、
まつはどんなことも、一回聞いて自分で噛み砕いてから取捨選択してる。
この一回考えてみる、はすごく重要でどんどん思考の幅が広がって強くなりますよね。

 

氏名

堀さん

「頭の良さ」ですね。
それは僕が初めてまつの麻雀をみた、協会の公式ルールで行われた私設リーグの時に感じました。

2回の対局を残し、優勝の可能性があるのはまつともう一人のどちらかという特殊な状況でしたが、まつはそういった条件戦の経験がないにも関わらず、オーラスに着順アップを狙いにいかなかったのです。その時にかなり頭がいいなと感じました。
最後の対局で優勝を争う相手と「このポイント差であればどのみち着順勝負だ」ということを頭で考えてわかっていたからこそできる打ち方でした。

「頭がいい」ことは、麻雀において圧倒的なアドバンテージ。
なぜなら麻雀とは頭で考え、最善を模索して選択するゲームなので、ありとあらゆる局面で人より有利である事を示しますし、成長力も通常の人の何倍ものスピードで伸びていきます。

はっきり言って、白鳥なんかとは持ってるものが違うということです。
さすがに僕には及びませんが、おそらく数年後には麻雀界を代表するようなトッププレーヤーになっているでしょう。

注:みなさん、とても仲良しです。

 ──では、松本選手ってどんな人でしょう?
 

氏名

渋川さん

第一印象は礼儀正しすぎて「胡散臭い!」という感じでしたね。この顔でこんな礼儀正しい奴いる!?みたいな。

付き合うにつれてどんどん変わっていって、今では「冷静そうに見えて誰よりも燃えている人!」という感じです。
負けん気はかなり強いので、まだまだ強くなるんじゃないかと思います。

氏名

白鳥さん

気遣いがすごくできる奴だけど、ちょっと気にしすぎな部分もあってそういうところが人間らしくて好きですね。

あとメディアの前でどういう風に振る舞ったらいいかというのをよくわかってるなと思います。

氏名

堀さん

どんなときでもコメントを求められれば的確にそれらしい事を言ってみせますからね。

氏名

白鳥さん

そういう意識も大事だと思ってるので、そこも尊敬してます。

氏名

堀さん

おそらく、みなさんが思うまつの印象は、背が高く、見た目はクール。若いのに真面目でしっかりしてる。それでいてどこかかわいらしいところがある。
おそらくこんな感じでしょう。

が、完っ全に誤解です。合っているのは背が高いくらいのもんで、まつの術中であり、まつの『血鬼術』※にかかっています!!

まあ、麻雀のセンスが抜群なのは認めますけど。

漫画『鬼滅の刃』に登場する鬼が持つ異能力のこと。 
注:みなさん、とても仲良しです。

 ──今シーズンからMリーグに参加された堀選手。Mリーガーとなって大変な事はありますか?
 
氏名

堀さん

露出が増えた事で、このようにコメントを求められたりする機会が増えた事ですね。

僕はまつと違って麻雀以外は何もできないしコメント力もないのでまつのインタビューを見てそれらしい事を言う勉強をしています。

みなさま、ご協力ありがとうございました。松本選手への愛情、存分に伝わりました!

トッププロだけが出場できる麻雀プロリーグ戦「M.LEAGUE」は「ABEMA」の麻雀チャンネルでご覧ください。

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