採用

「人類の価値観を変えるサービスを創る」
学生版STARTUP CHALLENGEで藤田ファンドからの投資が決定するまでの話

2019年6月22日、新規事業プランコンテスト「学生版STARTUP CHALLENGE(通称:スタチャレ)」にて、100名以上の応募者の中から書類審査を通過した10名の学生が決勝プレゼンに参加し、当社代表の藤田に対して新規事業案のプレゼンテーションを実施しました。

そして慶應義塾大学大学院に通う小島貴之さんの事業案が最優秀案に選ばれ、藤田ファンドからの出資が決定いたしました。なぜ起業をしたのか、そして「スタチャレ」へのチャレンジから出資が決定するまでの道のりと、今後の展望について話を聞きました。
(取材・文=採用広報チーム)

デジタルアートに心惹かれた大学時代

- 本日はよろしくお願いします!そして改めて、最優秀案おめでとうございます!

小島:ありがとうございます!

- サービス立ち上げから投資に至るまで、どのような経緯があったのか是非お話をお伺いしたいです!

小島:はい、もちろんです!よろしくお願いします。

- 早速なのですが、サービスを立ち上げたのはいつからでしょうか?

小島:今回提案した案は年末頃に着想を得て動き出しました。その前はデジタルアートを見たり創ったりしていました。

- デジタルアート?

小島:はい。人間の表情をAIで解析して、その表情に合った歌舞伎の隈取りを顔面にプロジェクションする「古典芸能×デジタル」をテーマにしたアートを制作していました。日本舞踊を代々教えている家系に生まれたので、幼い頃から古典芸能には慣れ親しんでいました。そして、よく公演にも足を運んでいたのですが、観客は高齢化が進んでいて、このままだと古典芸能を見る人が少なくなって、廃れてしまうのではないかと感じたんです。そこでデジタルアートと掛け合わせることによって、「和風っぽくてかっこいい」と、外国人やカップルが楽しんでくれたら、形を変えても結果として日本文化が生き残るのではないかと考え、デジタルアートを始めました。

- その知識は独学で身につけたんですか?

小島:知識は大学の授業で学んだり、友人から教えてもらいながら身につけていきました。
私は一人でアートを創ることはほとんどなく、いつもチームで創っていました。今の世の中、必要とされるスキルがどんどん細分化され、しかも全て高度じゃないと良いものを創れない時代に突入したと思っています。そうなった時に、一人で広く浅くカバーするよりも、いろんな能力に長けた人たちを集結させて、チームで制作した方が良いと考えていました。

- アートの世界ですとそれぞれの芸術的な価値観があるため、個人で行っている人が多い印象なのですが、”集合知で創り上げる”という思想はもともと持っているものだったのでしょうか?

小島:”集団で戦う”という考え方は昔からありましたね。昔から数学が大好きだったんですけど、尊敬している数学者にニコラ・ブルバキという人物がいるんです。フランスの数学者なのですが、面白いのが、実はこの数学者は架空の人物だったんですよ。どういうことかというと、フランスの若手学者たちがそれぞれ自分の得意分野を持ち寄って、ニコラ・ブルバキという架空の人物を作り上げ、論文を発表していたんです。この話を聞いてすごいなと思って。全部を一人で作ることには限界があると思い、そこからチームで戦うという思想が身に付きました。

チームでアートを創るにあたって上手くいくかいかないかは、ビジョンが浸透しているかだと思います。「このアートを通して、こういう価値観を伝えたいと思っている」という根本のビジョンがあることが肝です。思想なきプロダクトでは集団創作はうまくいきません。そういう意味では、今のスタートアップと同じで、ビジョンやバリューをしっかりと伝達し、それぞれの力が同じベクトルに向くようにしていくようにしてきました。

「人類の価値観を変えるサービスを創りたい」
Picableを立ち上げた経緯

- なぜアートを創っていたところから、サービスを立ち上げようと思ったのでしょうか?

小島:私が尊敬する人物にアンディ・ウォーホルというアーティストがいます。”アート”というと何か高尚なものを扱わなければならないように感じてしまうけれど、彼はスープ缶のような大量生産されている商品をアートの題材に選んだりしていたんですよ。みんなが知ってるような大衆商品もアートになって、かっこいいんだぜ、みたいな(笑)。あれは確実に大衆の価値観に影響を与えたと思っていて。私もアートを通してそんなインパクトを与えたいと考えていました。

そんな時、同じ大学に起業家としてプロダクトを世の中に広めて、本当に人間の行動を変えてしまうような人たちがいるのを目の当たりにして、「これはアートだ」と思ったんですよね。自分は芸術作品が創りたいのか、文化や価値観のアップデートがしたいのか3日くらい悩んだんですけど、芸術作品という形式にこだわりはないという結論に至って、そこからスタートアップをやろうと動き出しました。

- そこからどのような経緯で「Picable」が生まれたのでしょうか?

小島:「Picable」というアプリは同じコンテンツをリアルタイムで人と共有しながらコミュニケーションがとれるサービスです。今まで、電話・メール・チャット、と”効率化”を突き詰めていった情報伝達サービスにはもう1つ文脈があり、”時間や体験の共有”という概念があると思っています。その概念でいくと、電話ができたのは150年前で、そこから先はせいぜい相手の顔がビデオで見れるようになったくらいで、あまりアップデートされていないんですよね。これから5Gが当たり前になる世界で、この先必要なのは「離れた場所にいても同じコンテンツを一緒に楽しんだり、コミュニケーションが取れる領域」だと考えました。その思考が、当時遠距離恋愛をしていた自分の感覚とピッタリ合致したんですよ。彼女とのコミュニケーションが音声通話のみだと、体験としてどうしても浅くなってしまって。離れていたとしても、同じ時間や体験を共有する感覚があれば、充実した時間を送ることができると考えていました。

- いろいろ創ったサービスの中の1つではなく、最初から「Picable」一本で考えていたんですね。

小島:昨年の夏から事業案を考え始め、いくつか試したいアイディアはあったのですが、実際に「Picable」をやろうと考えが固まったのは年末頃です。前提として、C向けで、文化になりうるサービスを作りたいと考えていました。そして、このアイディアを思いついた時に渋谷などで若年層を中心に100人程にフライヤーを配布したり、インタビューをしたのですが、思った以上に反応が良かったんです。自分の価値観、狙っているユーザーの価値観、テクノロジーのコンテキストが合致していると感じ、本格的に進めようと考えました。

- 街角インタビューをしていたのですね!どのような層に実際にヒアリングしたのでしょうか?

小島:中学生~大学生ぐらいをターゲットに、フライヤーを渡して説明しました。ナンパと間違われて逃げられた時はきつかったですが(笑)、100名以上に実際に聞いて回りました。参考にしていたサービスが何個かあり、それらを見ていて感じたことがいずれも若年層の心を上手く捉えていることでした。そのため、若年層をしっかりターゲティングし、心を掴むサービスを創ることが、いずれ文化になりうるプラットフォームを創るための最短距離であると考えています。

(決勝プレゼンの様子)
(決勝プレゼンの様子)

「スタチャレ」で掴んだ投資までの道

- 「Picable」の立ち上げにはそのようなストーリーがあったのですね。そこからなぜ学生版STARTUP CHALLENGEに参加しようと考えたのでしょうか?

小島:実際にプロトタイプを創り、ユーザーヒアリングもしていたのですが、よく上がる声が「Picableを使ってAbemaTVを見たい」という意見でした。自分自身も「AbemaTV」と親和性があると思っていましたし、アドテクや若者向けのマーケティングにもとても強いので、協力できたら一気にスピード感が増すなと考えていました。すると、たまたま周りの友人からスタチャレを勧められました。しかも同日に4人から言われたので、これは応募するしかないな、と(笑)。なにより、サイバーエージェント代表の藤田社長に直接ジャッジをしてもらえる機会はなかなかないと思い、今後の関係性を築くためにも、ここでチャレンジしてみようと考えました。

- 決勝プレゼン進出者に選ばれ、心掛けたことはありましたか?

小島:発表時間が2分間と短かったので、マネタイズなどは一切触れず、プロダクトのモックアップとビジョンをとにかく知ってもらえるような発表にしようと心掛けました。思った以上にオーディエンスが多かったので、本番前はかなり緊張していました(笑)。ただ、会場に入ってしまえば、伝えたいことは決まっていましたし、特段緊張することはなく伝えたいことを話せたかと思います。

- 緊張しているようには見えませんでした(笑)。実際に優秀案に選ばれた時はいかがでしたか?

小島:選ばれた時は実感がありませんでした。勝とうが負けようが食らいつくくらいの覚悟でいたので(笑)。投資も確約ではなかったので、むしろここからだと考えていました。
「スタチャレ」後、ブラッシュアップ面談でお世話になったCyberAgent Capital代表の近藤さんに自分の想いを伝えたのですが、後日「投資の方向で考えている」と直接連絡をいただきました。そして、藤田ファンド担当の坡山さんと近藤さんと面談をして、正式に確定しました。この時はやっと実感ができて、純粋に嬉しかったですね。
 

藤田からの講評

  • プレゼンをした10名それぞれの案も非常に見所がありましたが、最優秀案はすんなりと決定しました。同じ番組を同時に見たいという心理は、半年後に出るDVDではなく、今上映している映画を友人や恋人と見に行く理由と同じですよね。それは社内でも何度も協議になりました。WebViewを共有するというのが新たな可能性を感じたため、今回選ばせていただきました。おめでとうございます。

“遠隔のコミュニケーションを楽しみ、一緒に感動できる世界を創る”

- 小島さんの熱い想いあってこそですね!Picableの創業メンバーはご自身で集めたのですか?

小島:そうですね。デジタルアートを創っていた時もそうなのですが、スキルが高いだけではなく、成し遂げたいビジョンに共感してくれる人を自ら探し、一人ひとり口説いてメンバーを集めました。現在は5名でプロダクトを創っています。特に共同創業者に関しては、4ヶ月に渡って口説き続けました(笑)。

彼とは根底の価値観が合っていたんです。小さなヒットを打つのではなく、文化になりうるような大きなプラットフォームを狙っているか。また、大きいことを言うのは簡単だけれど、どれだけ手を動かすことができるかが大事だと言っている点が同じで。プロダクト面やビジネス面に関する考え方と、何をやりたいかという大枠の思想が一致していて、相性がいいと感じていました。あと、純粋に面白いし、いいやつなので(笑)。彼は内定が出ている会社もあったのですが、そちらを断ってまでジョインしてくれました。そんなメンバーと一緒にリリースに向けて進めているので、毎日充実しています。

- 今後どのように展開していく予定なのか少し教えていただけますか?

小島:会社のビジョンは遠隔のコミュニケーションをアップデートすることです。離れていても同じコンテンツを一緒に楽しみ、一緒に笑ったり、一緒にワクワクしたり、一緒に感動したりできる世界を作りたいと考えています。そのため、動画から始まり、電子書籍やゲームなど、仲の良い人と一緒に楽しめるようになったら、より楽しくなるようなコンテンツをどんどん巻き込んでいきたいと考えています。

- なるほど。可能性は無限大ですね!

小島:遠隔のコミュニケーションを変えるということは、人間の関係性そのものを変えることだと考えています。離れていても同じものを楽しめる世界が生まれると、行動変容に繋がります。行動が変わると人間の価値観も変わり、「Picable」が普及する前と後では人間の価値観がガラッと変わっていると思います。その世界を私は見てみたいんです。

- まさに”人類の価値観を変える”瞬間ですね。

小島:YouTubeやInstagramは「youtuber」や「インスタ映え」など、1つの単語になっていますよね。「ググる」もそうだと思います。そのように、プロダクト名が言語になった時、それは新しい文化が生まれた瞬間だと考えています。「Picable」も文化になれるように、私の20代を捧げる想いを持って、全力で取り組んでいく予定です。もう間も無くリリースいたしますので、楽しみにしていてください。あと、Twitterを始めたので(@taka_picable)、フォローしていただけると嬉しいです。喜んでフォロバします(笑)。



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