技術・デザイン

Under30に伝えたい
「こんなエンジニアは時代に取り残される」

LIPS快進撃を牽引するAppBrew深澤氏からUnder30エンジニアに向けて

サイバーエージェントが主催する、Under30 エンジニアによる Under30 エンジニアのための技術カンファレンス「Battle Conference Under30(以下BCU30)」が今年で第3回目を迎え、7月6日(土)新宿花伝舎にて開催されます。(昨年のBCU30の様子はこちらをご覧ください)
今回の基調講演は、先日Forbes Asiaが発表したアジアの各分野で活躍中の30歳未満の人材を選出する「Forbes 30 Under 30 Asia」の「MEDIA, MARKETING & ADVERTISING」部門に選出された、AppBrewの深澤雄太氏をお招きします。今日はその深澤氏とBCU30の運営責任者である袴田の対談をお届けします。

Profile

  • 株式会社AppBrew 代表取締役 深澤雄太
    1994年生まれ、2013年度東京大学入学。中学時代に独学でプログラミングを習得。大学入学後の2013年に友人らと共に「東大無料塾」を立ち上げた後、大学を休学しfreee株式会社で1年間インターンを経験。個人でのシステム開発の受託などを経て、2016年2月に株式会社AppBrewを設立。コスメのコミュニティアプリ「LIPS」を2017年1月にリリースし、2019年3月に300万ダウンロード達成。

  • BCU30運営責任者 袴田大貴
    静岡大学卒業後、2014年サイバーエージェントに新卒入社。入社後はゲーム事業部にて、スマートフォン向けゲームアプリのエンジニアとして開発&運営に従事。

エンジニアとして成長するには、学生時代~社会人3年目にかけて、いかに殻を破っていけるかが大事

ーー改めてBCU30について教えてください。

袴田:
BCU30は、Under30 エンジニアによる Under30 エンジニアのための技術カンファレンスで、様々な領域の若手エンジニアが互いの知見を共有したり、技術・事業・キャリアについての考えを発表し、刺激を与え合う場として、2017年から年に1度サイバーエージェントが主催しているカンファレンスです。

今年のテーマは「羽化」としました。背景には「エンジニアにとって学生時代から社会人3年目あたりの時期は、殻を破らなきゃいけないシーンが多いよね」という運営メンバーとの会話がありました。

学生時代に個人や友人と自由に開発をしている状態から、社会に出て「仕事」になると、品質や納期に責任があり、求められることの幅も広くなります。そういった変化に適応するのが最初の殻だと思います。その壁を乗り越えたあとも、人間として、技術者として、メンバーとして、ステップアップポイントが多数あり、その殻を破り羽ばたいていって欲しい、という想いから「羽化」に決めました。

深澤さんがこれまでのキャリアの中で「羽化した」と実感された場面はありますか?

深澤氏:
ブレイクスルーは多々ありますが、1番大きなターニングポイントとなったのはコスメアプリ「LIPS」を世に出したことです。それまでもいくつかのサービスを作ってきましたが、いずれも失敗に終わり、初めて手応えを感じたのが「LIPS」でした。けれど実は「LIPS」は、それまでに作ったサービスと比較すると、自分のこだわりが1番少ないサービスでした。

それまでは”自分が作りたいものを作る”スタイルで、今振り返ると独りよがりな一面もありました。「LIPS」においては、ユーザーニーズを捉えることに1点集中し、その結果ユーザに受け入れられることができ、その気付きを得られたことが1番のターニングポイントでした。

「こんなサービスを作りたい」といった、自分の中での理想の話って、多くの人が想い描いた経験があると思いますが、ビジネスの世界は経済合理性で成り立っています。経営者としてビジネスを成功させるには、足元のニーズを捉え、お金になるものを生み出さなければ投資のサイクルが回らない。漸進的でも構わない、足元のユーザーニーズを捉えることが1番の近道であることに気付いた時が、イチ技術屋からサービスの作り手に昇華したタイミングだったと感じています。

袴田:
その気付きは、非常に共感できます。私はゲーム開発のエンジニアをやっていますが、自分が作りたいゲームを作るのではなく、ユーザーがどんなものを欲しがっているか、”ニーズを捉える”視点の変換については、過去の経験を振り返っても身に覚えがあります。

深澤氏:
「アート」のように自己表現を研ぎ澄ましたものなのか、「デザイン」のように人のために作っているものなのか、といった違いでしょうか。

「アート」で成功しているエンジニア・サービスも存在するとは思いますが、やはりサービスの作り手としては、「デザイン思考」ベースでものづくりができることが、1つのブレイクスルーになる気はしますね。

時代に取り残されるエンジニアとは?

袴田:
BCU30は「Under30のすごいエンジニアに光を当てる」をコンセプトにしているのですが、深澤さんから見て「すごいエンジニア」ってどんなエンジニアですか?

深澤氏:
一言で表すのは難しいですね(笑)ビジネス的に大きいインパクトを世の中に出している人、代替できない程のハイレベルな専門性を持っている人、広く使われるものをオープンソースで出している人など、様々な切り口で「すごいエンジニア」と呼ばれる人がいますから。ただ、個人的にすごいと思うエンジニアの多くに共通しているのは「自分を客観的に見ることができる、つまりメタ認知が出来ている」ということだと思います。その上で自分の価値を世の中に大きなインパクトとして残せている人は「すごいエンジニア」ですよね。

袴田:
逆に「こういうエンジニアは時代に取り残される」というのはどんな人でしょう?

深澤氏:
バランス感覚というか、総合力は必要だと思います。テクノロジーの進化により、個別技術は扱いやすくどんどん抽象化し、コモディティ化しています。そのような環境下において、世の中から求められていることと、自分のスキル・立ち位置を相対化出来ていないと厳しいと思うのです。

ハイレベルな専門性や、代替されないレベルのスキルでさえ、現代の凄まじい技術の発展下においては、そのスキルが陳腐化し、いつの間にか車輪の再発明をしていた、となりかねない。だからこそ、これからは「総合力」で戦う時代なのかもしれない。エンジニアとはいえ、根底のビジネスのドメイン理解や、事業構造理解まで含めて見れるようにならなければいけないでしょうし、テクノロジーの進化に備えて、人間にしか出来ないことを見据えていく必要があるでしょう。

例えばですが、ユーザーニーズを捉えたり、問題提議や仮説設定に関する部分はまだまだ機械が不得意な分野。昨年の基調講演でdelyの大竹さんもお話しされていましたが、いかにオーケストレーションするか。機械学習でも、クラウドなどを利用してできることも増えてきているので、要素技術の評価を正しく行い、いかに織り交ぜてサービス設計できるか。機械学習を例に挙げましたが、要は先端技術をどう取り入れるかを考えられて、使いこなせる側になる必要があると思うのです。

ーーどんな人にBCU30に来て欲しいですか?

袴田:
BCU30はUnder30が対象ですが、特に学生から新社会人3年目以内の方には是非参加して欲しいと思っています。というのも、その時期は1番変革できる時期だと考えているからです。サナギから脱皮して蝶になれるか、そのままサナギでいるか、ターニングポイントの世代なのでBCU30を通じて「殻を破る」刺激を受けて欲しいと思っています。
同世代の中で自分がどんな立ち位置にいるのか?広いIT技術の中で自分がやっていることが、どの部分に値するのか?を把握することで、エンジニアとしてのベクトルを定めていけると思います。

深澤氏:
エンジニアとして、アンテナを広く貼ることは大事ですよね。自分の業務と直結しなくても、AWSやGCP、海外の論文やカンファレンスで新しく発表されたことを、きちんとキャッチアップすることって実は大事だなと。
キャリアに悩んでいる人や、あと1歩ステップアップしたい人にとって、カンファレンスは良い機会になると思います。そして是非、自分の領域とは異なるセッションにも触れて、エンジニアの世界を俯瞰して見て欲しいですね。

ーー最後にお2人から、参加者へひと言お願いします。

深澤氏:
最近考えているのは、日本はアメリカや中国と比較すると遅れていて、取り残されているということ。だからこそ、若くてビジネス感覚のある優秀なエンジニアが増え、そこからグローバルに展開できる企業が出てきて欲しいし、自分もそこを目指しています。
若い世代には、サービス価値でも良いですし、技術的にエッジの効いたプロジェクトをやるでも何でも良いのですが「いかにインパクトを出すか」を意識して欲しいと考えています。どのような立場でも構わないけれど、エンジニアリングで世界と戦えるレベルの若いエンジニアがたくさん出てきて欲しいと思うし、自分もそうありたいと思っています。BCU30がそのような意味付けになることを願っています。

袴田:
プロのエンジニアとしてどうありたいか、一線で戦い続けるか?という課題意識を持ちながら、参加して欲しいと思っています。


参加申し込みは以下のページよりお申し込みください
Battle Conference U30 #2019

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