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「新しい時代のスタートアップ支援、IT人材の育成を考える」

IT・科学技術担当大臣 平井卓也×藤田晋

日頃からスタートアップ支援に取り組まれているIT・科学技術担当大臣 平井氏と当社代表藤田による対談が実現。新しい時代のスタートアップ支援のあり方、国として取り組むべきIT人材の育成などをテーマに幅広く意見交換をいたしました。

Profile

  • 平井卓也
    IT・科学技術担当大臣 

    1958年香川県高松市生まれ。株式会社電通等を経て、2000年、第42回衆議院選挙で初当選。以来、連続7回当選。国交副大臣、内閣常任委員長等を歴任し自民党IT戦略特命委員長としてIT政策を主導。2018年10月第4次安倍改造内閣にてIT・科学技術担当大臣に就任。

  • 藤田 晋
    株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長

    1998年、24歳でサイバーエージェントを設立し、
    2000年に当時史上最年少社長として26歳で東証マザーズ上場、2014年9月に東証一部へ市場変更した。
    創業から一貫して、インターネット産業において高い成長を遂げる会社づくりを目指し、「21世紀を代表する会社を創る」を会社のビジョンに掲げる。

若者の挑戦を国や地方自治体が徹底的に応援すること。それが都市の発展にも繋がっていく

ー平井大臣は新しいビジネス展開などに果敢に挑戦しているスタートアップや研究者等と、幅広い意見交換を行う「ヒライピッチ」をかなりの回数取り組まれていますが、その狙いについて教えていただけますか?

平井氏:創造する未来社会からバックキャスト的に新たなイノベーションを起こしていくため、IT、科学技術、知的財産戦略、クールジャパン戦略、宇宙開発等はどのように進めていくべきか、私と産学官関係者との間で幅広い意見交換を行うための懇談会(ヒライピッチ)を開催しています。大臣室のみならず、大阪や名古屋などの地方でも開催し、約100社からピッチを受けました。最先端を走っているフロントランナーの方々と直接話すと、フィルターやバイアスがかかっていない現場の情報が手に入る。既成概念や過去の延長線上で物事を見てしまうと間違う局面にきていると感じているので、生の声を聞く機会は貴重ですね。

ピッチには幅広く内閣府の事務方にも同席してもらい、部局の垣根を超えた情報共有を実施し、シナジー効果を最大限に活かせる体制をとっています。いまある目の前の政策を進めることも大切ですが、創造する未来社会からバックキャスト的に技術開発とルール作りを推進するのが僕の役目。そう思ってヒライピッチを積極的に開催しています。

ー実際にスタートアップ経営者と会って、どんな印象を持たれましたか?

平井氏:まず、若い人のマインドセットが変わったなと感じましたね。将来に対して挑戦する気持ちや、社会に貢献したいという想いが強いと。自分を振り返ってみても、あの年齢であんなに高い志はなかったと思いますよ。Z世代といわれるデジタルネイティブの彼らは、発想も違いますよね。僕みたいに途中からデジタルを使い始めたのではなくて、生まれた時からデジタルと接している。彼らの足を引っ張ってはいけないと強く思っています。若い世代がのびのびと新しいことにチャレンジできる環境をつくる。まさに「未来の基盤をつくる。」というのが、私の仕事です。

藤田:若い人たちのマインドが変わってきているのは素晴らしいことですよね。一番足りないのは、社会全体で応援する雰囲気。経営者がスキャンダルや不正で捕まる度に「お金儲けは悪いことなんじゃないか」という見えない空気感が広がり、残念ながら今までは若手経営者を応援する流れってあまりなかったように感じています。 平井大臣自らピッチイベントを開催することで「自分たちは社会にとって良いことをしているんだ」という感覚を得られるので、スタートアップ企業の成長をものすごく後押ししてくれてると思います。

平井氏:後押しはまだまだ足りないと思っています。例えばニューヨークやロンドン、リスボン、テルアビブ、上海など、スタートアップのエコシステムが機能している都市は、都市計画の視点から、国、地方自治体がめちゃくちゃ支援している。新しいことに挑戦する人を徹底的に応援するんです。少々失敗してもそれは学んだことだというくらい前向きに捉えるところは日本も見習わなければいけませんね。

藤田:アイデアだけではなく、事業を形にしていくところまで国が支援していくということですよね。

平井氏:ヒライピッチをやって思ったのは、地域に力を与えて育てていくことが大切だということ。サイバーエージェントの拠点である渋谷でも、昨年「HIRAI Pitch in 渋谷」を行いましたが、非常にポテンシャルが高いと思いました。ただ、渋谷でスタートアップ・エコシステムをつくるとなったら、東京都と渋谷区に相当腹くくってもらわないといけないでしょうね。その分、国も政策体系をつくり、予算を確保するなど一緒に支援する仕組みをつくる必要があります。中途半端にやるのが一番ダメ。ニューヨークに勝てるような都市をつくりたいですよね。

藤田:心強いですね。20年前から渋谷はビットバレーと呼ばれて、自然発生的にIT企業が集まっているんですけど、国を巻き込み政策として企業の成長をバックアップしてもらうということは今まではありませんでした。

平井氏:期待も込めて、渋谷区からユニコーン企業を100社くらい創出できれば良いと思っていますよ(笑)

藤田:楽しみですね。これは腹くくってやらないとできないですね。

「読み・書き・そろばん」から「AI・数理・データサイエンス」に変わる時代がすぐそこにきている

ー今後、デジタルネイティブ世代が成長する過程で、どのような教育が必要になってくると思いますか?

平井氏:ありとあらゆる仕事の中でAIが使われるようになってきて、この流れはもう止まらない。これからの社会では、AIを使うこと、作ること、理解することができる人材を揃えなければいけないと思い、緊急に対応しようと我々も着手しているところです。たとえば昔から言われている「読み・書き・そろばん」といった基礎的な教育内容は、「AI・数理・データサイエンス」といった項目に置き換わっていく可能性もありますよね。それらを使って新しい社会のあり方や、サービスを作る人がどんどん出てくるといいなと感じています。

藤田:僕らもいまや手書きで文章を書くことなんてほとんどないですけど、それでも学校では書き順を教えていますからね。極端な話、宿題もスマートスピーカーに話しかけたら全部答えてくれる時代ですから、そういう意味ではもう少し教育内容を見直す必要があると思います。

平井氏:問題解決型学習のことをPBL(Project Based Learning)というんだけど、問題を発見し、データサイエンスやAIを応用して解決していくこと、こういう教育が社会に出て今後一番役に立っていくのかなと。国をあげて注力する方針をそろそろ正式に決めようとしています。

藤田:素晴らしいですね。

平井氏:ただ、ひとつ悩ましいのは、学校の先生が最新のテクノロジーについて教えられないのではないか、ということ。教材はたくさんあるんですけどね。

藤田:当社のグループ会社でCA Tech Kidsという小学生向けプログラミングスクールを運営している会社があるんですけど、すごい活況です。教える立場の‘メンター’と呼ばれる人たちはプログラミング技術を持つインターンの学生がメインですが、実際に自分たちもデジタルネイティブなので教えやすいと思いますね。メンターは子どものやる気を引き出すファシリテーションも上手です。

平井氏:今すぐに学校の先生が最新テクノロジーを教えるのは現実的に難しいから、その道のプロやツールの積極的な支援、活用を図るべきでしょうね。いまバリバリ社会で活躍している人材が学校教育とも連携していく。そういう時代になっていくんじゃないかなと思います。

新しい時代に飛躍する分野とは

ー新しい「令和」の時代に、より飛躍する会社、事業はどういったものだと思いますか?

平井氏:クリエイティブな世界はまだまだ伸びていくと思います。今まではデザインを学んでいても就職先ってあまりなかったけど、今の時代はクリエイティブが肝になる事業もかなり多い。これからさらに需要が増えていくことで、活躍の場は広がると思います。

藤田:クリエイティブは間違いなく企業の競争力になっていますよね。ネットビジネスでも年々その重要度が増しているように感じます。

平井氏:それに、今後デジタルトランスフォーメーションを前向きに乗り切っていく会社が伸びるのは確実です。高齢化に伴い、根強く残るアナログの世界を幸せにするデジタル技術みたいなものも必要になっていくと思います。

藤田:国がデジタル化を支援していくことで、社会がより進化する。平井大臣にぜひ頑張っていただきたいです。

平井氏:それと、僕は新しい時代には‘麻雀’がくると思う。色んなゲームがある中で、一番飽きないし。

藤田:麻雀が飽きないのは間違いないです(笑)

平井氏:最近は麻雀をしている高齢者の方もものすごく多い。認知症の予防に繋がるからと、色々な施設でも麻雀卓の導入は増えているんです。次の時代は麻雀がさらに進化するなと思っていますよ。

藤田:リップサービス、ありがとうございます。

平井氏:本当に思っていますよ。藤田さんがチェアマンを務めるMリーグ(麻雀のプロリーグ)は、若い人に夢を与えてるなと思いますね。従来の賭博といったイメージが全くなく、皆で見られる麻雀。「AbemaTV」で放送している試合もかなり見ている人がいるんだなと驚きました。ファイナルシリーズの表彰式で少し挨拶しただけで、何人もから電話がかかってきましたから(笑)

Mリーグ表彰式でスピーチする平井大臣
Mリーグ表彰式でスピーチする平井大臣

藤田:パブリックビューイング会場では試合を見ながら泣いてる人もいたくらいですからね。

平井氏:分かる。紙一重のところでの決断には、感動させられるものがあるんでしょうね。新しい時代では、麻雀も必修教科にしたいくらいですよ(笑)

藤田:そんな未来がきたらいいですね(笑)麻雀は、実社会に近い教育ができますからね。理不尽で、不平等。勉強すれば必ず勝てると思ってると、実は社会に出てみると違うというのは早めに学んでおくのがいいかもしれないですね。

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