採用

エンジニアが技術と組織貢献で成果を出すには?

新人賞をとったデータサイエンティストのチャンスの使いどころ

Profile

  • アドテク本部 AIメッセンジャー 友松 祐太
    2018年度入社エンジニア
    明治大学大学院 理工学研究科 基礎理工学専攻 情報科学系 修了 ウェブサイエンス研究室(高木友博 研)
    現在はアドテク本部 AIメッセンジャー所属。

新人賞はなぜとれたのか?

ー 新人賞の受賞理由に「技術力・組織貢献・採用活動どれを取っても新人賞に相応しい活躍」とありました。この3軸で成果をあげるには何が大切だと感じますか?

目の前の仕事に責任もって向き合っていると、どこかのタイミングで仕事の幅が広がる瞬間がやってくるので、その時にちゃんとアクセルを踏むことだと思います。

実は、サイバーエージェントは就活のずっと前から関わりがありました。2015年に明治大学とサイバーエージェントが産学連携を発表した時に、自分の所属するゼミがその対象になりました。学部4年の頃から2年間、サイバーエージェントの機械学習エンジニアと一緒に仕事をし、最終的に採用選考を受けて内定に至りました。

産学連携だけでなく「アドテクコンペ」という短期インターンにも参加していたので、多くのサイバーエージェント社員の話を聞く機会がありました。

社員の人たちに共通するのは、技術力が高いだけでなく、会社や組織やプロダクトについて「自分はこうしたい」という想いが強く、例えばインターンの打ち上げなどで、あたりまえのように会社や組織のビジョンを語り合っていたのが印象的でした。

特に「アドテクコンペ」は、新卒1~2年目の若手が、設計や予算管理や運営システム開発まで、全部自分たちの裁量で運用していたインターンです。エンジニアが心から「おもしろい!」と思えるインターンに設計されていて、人事はほとんど関わっていません。アドテクコンペに参加すると抜群におもしろく、いま4年目を迎えるサイバーエージェントの名物インターンになっています。

これはインターンという大事な機会を任せられたエンジニアが、責任を持って毎回取り組んでいるからこそ継続されているものです。

インターンが成功するか失敗するか、運営するエンジニアの力量と責任感次第なので、裁量と責任がセットになったサイバーエージェントらしいカルチャーだと思いました。

そして自分自身もそのカルチャーに共感していて、責任を持って取り組む姿勢は大切にしています。

ー 仕事におけるチャンスをどう活用していますか?

現在「AIメッセンジャー」に所属していますが、チャットボットの対話ロジック開発と並行して、東北大学の乾先生との産学連携も任されています。

産学連携のメリットはやはり、最先端の知見をプロダクトに生かせることです。乾先生は自然言語処理の権威です。

「AIメッセンジャー」におけるチャットボットがどういう会話を用いて応答するのかの戦略立案に関わって頂いています。新卒1年目から産学連携の研究を任されているのでチャンスを感じますが、月1回の共有会の前はいつもプレッシャーも感じます。

チャンスというエピソードで言うと、新卒入社した時に配属先希望を提出できるのですが、私は内定者アルバイトをしていた「AIメッセンジャー」を志望しました。実は「AIメッセンジャー」は当時、前任のデータサイエンティストが抜けたタイミングで、後任がまだ見つかっていない状態でした。

もともと本組織に配属希望は出すつもりでしたが、タイミングも重なって不安もありましたがチャンスでもあるとおもって「AIメッセンジャー」に配属希望を出しました。

ー なぜチャンスなのですか?

良くも悪くも「AIメッセンジャー」の機械学習ロジックの根幹を知っているのが自分だけになっていました。この知識をチームにオープンにすることで組織貢献できると思ったからです。

日々の開発業務と並行して、組織にも貢献する方法

ー 本業のプロダクトでの開発業務と、所属を超えた組織貢献の両立は新卒にとって難しくないですか?

まさしくその通りで、最初は組織貢献どころか、日々の個人タスクを消化するのが精一杯でした。

新卒の時にありがちだと思うのですが、配属されて2~3ヶ月すると、タスクが少しづつ溢れてくるんですよね。

チャットボットのロジック設計だけでなく、ビジネス職の人との対話とか、開発チームとのミーティングなど、仕事の幅や仕様の理解が深まるにつれ、関わる人が増えていきました。

自分にくる仕事の数もコミュニケーションの量も増えていき、結果的に仕事がまわらなくなってきました。プロダクトの開発もしつつ、産学連携の研究を進め、並行して既存のロジックの改修を行うなど。

全ての仕事が合間合間を縫ってやっている状態になり、ちゃんとまわっている仕事がない状態に陥りました。

「これはまずい!」と危機感を感じ、仕事の習慣を変えることにしました。

ー 習慣を変えるとはなんですか?

まずコミュニケーションの範囲を広げることから始めました。

データサイエンティストである自分のポジションで知りうる情報やノウハウを、他職種までコミュニケーションを広げることで情報展開する動きを始めました。

例えば、機械学習ロジックの基礎的な仕組みから、Tableauをつかったデータの可視化手法など。自分以外の他の人が、自分の仕事や情報について知っている状態を増やそうとして、勉強会を何回も開きました。

ー どうして勉強会が必要だと思ったのですか?

なぜ仕事が集中してしまうのかを洗い出してみると、データサイエンティストしか知らない情報が多く、周りは情報をもっていないため、自分に聞きに来ることが多いことに気づきました。

データサイエンティストは数式やロジックを扱うこともあり、周囲からするとブラックボックスになってしまいがちだと思います。ロジックの中身を本人しか知らないために、仕様も本人しか知らない状態になって、結果的にロジックの仕事が本人に集中するなどがよく起こります。

そこで、まずは自分しか知らない情報を極力なくそうと考え、職種を問わず「AIメッセンジャー」に関わるデータサイエンティストの情報を公開するための勉強会を開きました。

特に、プロダクトを売ってくれるビジネス職の方々向けに、AIのロジックの仕組みを知ってもらえるような内容を工夫しました。ビジネス職の人が、自分で売るプロダクトのことをばっちり把握してお客さんの前で自信をもって説明できれば、商談でわからなかったことを自社に持ち帰る機会も減りますし、社内のエンジニアに質問する手間も減ります。

ー 多忙な職種の人たちが、社内の勉強会に参加してもらうにはどうしたら良いでしょうか。

このロジック勉強会は月イチくらいのサイクルで実施していますが、毎回様々な職種の人が参加してくれました。

勉強会の参加意欲やモチベーションは、勉強会自体のコンテンツの魅力も大切ですが、どちらかというと勉強会が頻繁に開催されているという組織カルチャーの形成のほうが大切だと思います。

アドテクスタジオでは隔週で論文の輪読会をする「ペーパーフライデー」や、毎月プロダクト横断でLTをするアドテクギャング、その他各技術ジャンルで勉強会が多数行われています。ゼミ制度も活発で、現在約13個のゼミが開かれています。有志の勉強会でおもしろいのは3Dプリンターをつかったキーボードの自作会など。

私もAILabのリサーチャーである馬場さんの自然言語処理のゼミに参加しています。

そう行った風土が前提としてあることも影響していたと思います。もちろん、私自身も多くの人に勉強会に参加してもらうよう、積極的にチームメンバーに働きかけました。
 

業務以外の分野で組織貢献するために大事なこと

ー 業務以外で、新卒ができる組織貢献は具体的に何があるのでしょうか?

例えば、社内の論文集を書いたWhite Paper Projectの運営委員をやりました。また、年に1回開催する技術カンファレンス(Adtech Developer Conference)の運営委員になりました。また、アドテクスタジオには技術書ライブラリがあるのですが、その推薦図書とかを運営する図書委員会もやりました。あと細かいところでは 「AIメッセンジャー」の活性化委員で、プロジェクトのお祝いごとでくす玉を用意して割ったり(笑)。

※ 新卒のおすすめ本紹介。本棚の整理とかシリーズもの入荷なども。

ー 業務にプラス@だと抱えすぎになりませんか?

最初の頃は「こういうのやらないか?」と周りの人に聞かれて「やります!」と何でも引き受けていたのですが、そのうち回らなくなるんです。

例えば「優先順位をつけて仕事をしましょう」というアドバイスありますが、私にとっては優先順位は低くても、依頼した側の人から優先順位が高いから相談に来てるわけなので、後回しにするのはおかしな話です。

そこで、プロダクトにとって意味がある貢献業務を中心に引き受けることにしました。

ポイントは受ける時に相談にちゃんと乗り、依頼されたり巻き込まれるポジションではなく、一緒に決めながら進めていくポジションをつくることです。

採用にも関わっていて、学生の長期インターン受入れや、短期インターンの設計、逆求人イベントへの参加、中途採用の面接官などもやっています。が、人事の方から相談いただいて、上司と相談して本業に影響がない範囲でやらせていただいています。

組織貢献のタスクは、自分でコントローラブルな状態にしておくと、うまくまわり成果につながることを発見しました。

そして採用も横軸組織の活動も、自分が一番やることで、結果的にAIメッセンジャーに優秀なメンバーがジョインしてくれたり、技術ブランディングにつながったりし、長期的にプロダクトに恩恵が返ってきています。

目の前のタスクをこなすことも短期的な成果につながりますが、横軸組織や採用などに向き合うのことも、長期的に良いプロダクトを開発するための投資だと思っています。

だからこの1年は、自分の役割に制限をかけずにがんばってみました。

1年先が予想できない自然言語処理の世界で、あえて思い描く未来図

ー 自然言語処理が発達するなか「AIメッセンジャー」を通じて、どんな成長を考えていますか?

自然言語処理は1年先も見通せない程、目まぐるしく変わっていると言えます。

例えば2018年に発表されたBERTモデルは、それまで細分化されていた自然言語処理のモデルに対して、あらゆるタスクに対応できる汎用的なモデルであり、それは自然言語処理の通説を覆すような発見となりました。

BERTモデルを用いれば、機械読解という分野でも人間読解レベルを超えたスコアを出すことも可能と言われます。

このように自然言語処理のモデルが発展することで、例えば「AIメッセンジャー」のようなチャットボットの性能は大きく変わっていきます。

現在は、ユーザーとの一問一答のやりとりでタスクをこなすだけなので、会話の文脈や背景やユーザーとの関係性というのは考慮されていません。

自然言語処理の技術が発展していくと

「四泊五日の金沢旅行を予定していたけど、チャットボットの提案した旅行プランは予算オーバーしていたので、二年前に行った二泊三日の伊豆旅行か、もしくは四泊五日で予算内におさまる旅行プランを知りたい」

といったまるで家族と旅行の相談をしているかのような、文脈と背景を考慮した会話と提案も可能になるかもしれません。

ー 「AIメッセンジャー」は今後どのような展開になりますか?

例えば「スマホゲームの端末変更にともなうゲームデータの引き継ぎ」というユーザーにとって大事な出来事の対応も、チャットボットで課題解決できるかもしれません。

ゲームデータを引き継ぎたいユーザーに対して、本人を特定するようなヒアリングをチャットボットが行い、本人であることが認証できた場合に引き継ぎ用のパスワードを発行することが考えられます。

これにより、IDやパスワードなどのログイン情報や、個人情報の登録をすることなく、ゲーム内の情報だけで本人と特定することも、チャットボットで可能になるかもしれません。

このように、自然言語処理の急速な発展にともない、新しいサービスだけでなく、既存のサービスも機能単位でより便利になっていくことが予想されます。

ありきたりな言い方ですが、そのためにも今目の前にあることにひたむきになり、最新技術を常にキャッチアップしないといけないと思っています。

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