採用

「こういう会社に入るべきだと確信を持って言える」
藤田晋が今、学生に伝えたいこと

11月末、京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス寄付研究部門主催で開催された「キャリアセミナー@京都」において、代表の藤田が登壇しました。藤田が語るキャリア、社員とのトークセッション、質疑応答を通じて見えた、「今学生に伝えたいこと」をイベントレポートとしてこの記事でお届けします。

Profile

  • 藤田 晋
    株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長
    1998年、24歳でサイバーエージェントを設立し、
    2000年に当時史上最年少社長として26歳で東証マザーズ上場、2014年9月に東証一部へ市場変更した。
    創業から一貫して、インターネット産業において高い成長を遂げる会社づくりを目指し、
    「21世紀を代表する会社を創る」を会社のビジョンに掲げる。

  • 木下慎也
    株式会社グレンジ 代表取締役社長 
    2007年 京都大学大学院修了、株式会社サイバーエージェント入社。社長アシスタントとしてサービス企画・改善に携わり2008年株式会社CyberX設立、2009年 同取締役就任。2011年株式会社グレンジ設立、代表取締役社長就任

  • 上田武蔵
    株式会社サイバーエージェント
    メディア統括本部 セールスDiv Ameba局
    プランニンググループ マネージャー
    2016年 京都大学卒業、株式会社サイバーエージェント入社。
    Amebaの広告セールス部門に配属。
    サイバーエージェントグループ総会にて、グッドスタート賞を受賞。

  • 山口裕介
    株式会社AbemaTV
    Abema Ad Associations 第2営業局
    2018年 京都大学卒業、株式会社サイバーエージェント入社。
    AbemaTVの広告セールス部門に配属。
    サイバーエージェントグループ総会にて、最優秀グッドスタート賞を受賞。

渋谷で働く社長のキャリア

藤田:今日はキャリアセミナーということで、僕自身のキャリアから皆さんに何か伝えることが出来たらと思います。


プロミュージシャンを夢見ていた高校時代

18歳まで、福井県鯖江市で過ごしました。眼鏡で有名な土地です。中高とずっとバンドをやっていて、ボーカルを担当していました。友達とバンドを組んで、一緒に、「将来ミュージシャンになって有名になるんだ」と言ってました。けど、自分の歌声を録音して聞いてみたら、非常に冷静に考えて、自分の歌が下手だったことに気づいてしまいまして(笑)そんな中で、「プロになるとこのまま本気で言っていたらやばいな…」と考え、勉強して都会に出ようと思い青山学院大学へ入学しました。

人生の底辺から、起業という夢ができるまで

入学まもなく、麻雀にハマってしまったこともあり、結果的に2年生で留年することになりました。その時に、目的がなく暇な人生というのがこんなにつまらないことなんだと実感しました。このままじゃいけないと考え、雀荘がない街に行くしかないと引っ越しましたが、結局、唯一1件ある雀荘を見つけて入ってしまった(笑)
その後、アルバイト先のバーの店長から「お前の将来の夢はなんだ?」と就業後に問い詰められた時に、高校生の頃にバンド仲間に「俺がいつかレコード会社を創って、お前をデビューさせてやる!」と悔し紛れに言ったことを思い出しました。
そこで店長から「起業したいなら今すぐ、学校辞めてこのバーに就職するか、今すぐ起業に関係あることをしろ」と言われたので、翌日にはアルバイトを辞めて、起業につながること、まずはスーツを着て働く仕事をしようと考えました。


素晴らしい会社をつくる、という軸を見つけるまで

アルバイト情報雑誌で見つけた「オックスプランニング」という会社でアルバイトを開始し、飛び込み営業をしていました。1日100件くらい断られ続け、1-2件受注する様な日々。精神的に非常にきつい仕事で、周りはほとんど辞めていく中、「こんなところでへこたれていたら、将来起業なんかできるわけない」という、何か緊張感があり僕は辞めずに働きました。
「将来起業する」という明確な目標が出来ると、大学の経営学の授業にも興味が出たし、全てが血肉になるんだ、と思える様に。自分にとっては、ものすごい変化でした。

アルバイト先の社員は、30代前半の元リクルートの人が多く、10歳くらいしか変わらない人たち。友達の様に、経営者たちと一緒に毎日飲んでいました。
その中で、年齢の近い人が経営者をしている姿を目の当たりにして、経営者目線が持てる様になってきて、「自分でもできるんじゃないか?」というリアリティがわいてきたのも大きかったです。ただ、どういう会社をつくりたいか?や何をしたいか?は決まっていなくて、なんとなく起業したい、という感じでした。
そんな時、「ビジョナリーカンパニー」という本に出会って会社というのは、時を超えて生き続けるものであって、みんなで創る芸術作品の様なものだ、というのを本を通じて知りました。この本のおかげで「素晴らしい会社をつくる」という軸をみつけることが出来ました。

死に物狂いで働いた社会人1年目

そんな中、就職活動の時期になってきて、オックスプランニングにそのまま就職する、もしくは学生時代に起業するという選択肢もあったが、就職活動も一回してみようと思い、行動しました。
いい会社があったら・・・くらいに思って活動していたら、インテリジェンス(現パーソルキャリア)の宇野社長の言葉に非常に感銘を受けて、入社を決めました。
当時は80人ほどの規模で、新卒は44人採用していた時代。
宇野社長(現USENグループ)が恥ずかし気もなく「リクルートを抜くんだ」と言っていたことが印象に残っています。
入社後は、1年間、死に物狂いで働いた。朝始発で行って、終電まで働き、ゴールデンウィークも夏休みも働き・・・要は1日も休まず働き続ける。真似しなくて全然いいのですが、なぜそこまで働いたのかでいうと、「最初に頑張ることが非常に効率が良いと考えていたから。」頑張るタイミングを、見極めなきゃいけない。社会人1年目は非常にパフォーマンスが良い。なぜなら、その時点ですごいと思われると仕事が舞い込んできたり、組織で認められやすいから。
結果的に、インテリジェンスでは高く評価されました。そんな中で、ちょうど1年目が終わる頃に元バイト先の先輩から起業に誘われ、社長じゃなくてもNo.2でいいや、と二つ返事でOKした。
平社員だった自分が、大出世だと思っていた。インテリジェンスに退職の意向を伝えたところ、宇野社長から「俺が投資するから、お前が社長でやれ」と、カウンターのアイディアをもらって、それを聞いたら、「そっちの方がいいなと(笑)」
そして、サイバーエージェントをつくることが決まりました。

インターネットバブルで味わった成功と失敗

インテリジェンス時代の同期の日高(現サイバーエージェント取締役副社長)を誘って会社をつくった。会社をつくった直後にインターネットバブルが来た。
インターネット業界のスタートアップにとって非常に重要なのは、注目されること。
注目されると人も金も集まってくる。その間に辻褄を合わせることに成功すれば、会社を一気に立ち上げるチャンス。社会的な背景をうまく掴むことが出来て、最年少で上場することが出来ました。

しかし、上場数ヶ月後にインターネットバブルが崩壊。
株価が下がり、ボロカスに言われるようになり、その反動をもろにくらい、会社も人が、相当数辞めていなくなっていきました。

それを機に、中長期で会社を一緒に創ってくれる人を集めなきゃいけない、となった。
終身雇用を掲げ、会社が社員を大切にすると打ち出したら、会社のことを好きな人が増えました。

起業は簡単じゃない。生い立ちも普通だったので、相当追い込むことは意識をしていました。倫理観は低い方ではなかったけど沢山謝りに行ったし、とにかくやれる可能性は全部やらないと、死んでも死に切れないと思っていた。あとから振り返ると、若かったなあと思う(笑)それがリアルにでているのが「AbemaTV」のオリジナルドラマ「会社は学校じゃねえんだよ」です(笑)


黒字化から大きな勝負へ

歯を食いしばって、4年間耐えて、中途半端じゃない利益を出す、と決めて2004年に黒字化することが出来ました。40歳の時には、スマートフォンにシフトをする大きな決断をしました。この時は、期待値が高く、絶対に勝てそうな勝負だから、大きく挑戦することを決断した。
そして、現在はクレイジーと言われるかもしれないけど、毎年200億の投資をし、インターネットテレビ局「AbemaTV」を立ち上げています。全く0であり、海外でも成功事例がある事業モデルではないものに、また1から会社を立ち上げる様に絶賛立ち上げ中です。最近は、学生の皆さんには、「サイバーエージェントの社長ですというよりは、AbemaTVの社長ですと言った方がウケる、という・・・。なかなか恥ずかしくて言えないですけど笑」

藤田晋が学生に伝えたいこと

―ここからは、社員とのトークセッション、会場との質疑応答から見えた学生に伝えたいことをお届けします。

~今、学生に戻るならどんなファーストキャリアを選択するか?~

成長産業に身を置くべき

木下:約13年前に就職活動をしていました。学生時代に戻っても、市場が伸びてて、かつ経験よりもスピードや勢いで成果が出せるところに行くと思う。ものづくりが好きなので、ユーザーに届ければヒットが出せる業界が良いと思います。

藤田:この質問は、NewsPicksのインタビューではリクルートと答えました。本当はサイバーエージェントと言いたい笑。ちなみに、僕が会社をつくって就職セミナーに出ていた頃からずっと同じことを言い続けてきたことは「成長産業に身を置くべきだ、成長企業に就職すべき」ということ。これだけは、絶対に間違ってなかったと確信をもって今も言える。産業が成長していると、ポストがどんどん出来てくる。その分自分が経験する機会がある。何が一番人を成長させるか?でいうと、ポストにつくことです。
私自身も何者でもなかった大学生から、サイバーエージェント社長というポジションについて、成長してきたといえます。社長というポジションについて大変な目にも合うんだけど、それによって成長する。ポストが少ない会社だったら、足の引っ張り合いになる、奪い合いになるからよくない。池井戸さんのドラマみたいになってしまう(笑)結論的に僕は自信を持って、キャリアにおいて大事なことだと思っています。
サイバーエージェントは若手を埋もれさせない取り組みに力をいれている。若い世代にもっと注目していくこと、開拓には力をいれている。伸びている産業、会社でも新卒が下っ端で埋もれちゃう会社ではなく人を良く育てよう、埋もれさせない会社がやっぱり良いと思います。

成長している企業の見分け方は、規模がまだ小さい会社は、2つしかない。
1つは、市場がちゃんと商売になるかを見極めること。
2つは、経営者が会社を長く成功させることが出来るか、伸ばす能力があるのか。
自身で見極めるのは難しいと思うが、勢いのあるVCが大きく投資しているところや、会社は良いんじゃないかと思います。
勢いのある会社にいれば、失敗しても、また次がある。良くないのは中途半端な規模で横這いの会社に新卒で入社することです。

~リーダーシップ論や組織をつくるうえで、大事にしている価値観~

メンバーが自走できる仕組みをつくる

木下:1つ目は「リーダーこそ、一番リスクをとって挑戦する」サイバーエージェントグループの中で誰よりもリスクをとっているのは、社長の藤田。
リーダーがあぐらをかくのではなく、自分も、もっとやらないと!となるので、リーダーから挑戦することを意識しています。
2つ目は、「自分の言葉で伝えること。」
どこかでインプットした言葉をそのまま伝えるのではなく、自分なりに腹落ちした自分の言葉で伝えるのとでは、伝わり方が違う。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で伝えることが大切だと考えています。

上田:1つ目は、「メンバーを一番幸せに出来る存在であり続ける」リーダーの意思決定で、グループの進む方向が大きく左右するので、1人1人の人生を背負っている責任感を持つようにしています。
2つ目は、「組織の正しさを伝える」どうしても、人同士なので100%の意思疎通ができないこともありますがチームの中での行動指針を全員が共通認識を持っているかどうかで勝負どころで勝てるチームになれるか?が決まってくると思うので意識しています。

山口:新卒1年目なので、メンバーシップを話したいと思います。
自分がメンバーとして意識しているのは、上司の仕事をすべて巻き取って上司が次のステップに進めるようにするのが自分のメンバーシップ論です。

藤田:会社というのは、リーダーにセンスがなかったらどうしようもない。リーダーが間違った意思決定をしたり、情に流されていたりすると、お手上げ。リーダーが正しくしないとみんなが幸せにならない。学術的な言い方だと、最近は、「サーバントリーダーシップ」が言われはじめています。
要は、メンバーの働きやすい環境を提供することで、イキイキ頑張り業績が伸びるというもの。サイバーエージェントは完全にこのやり方。自走できる仕組みを作っていくことを意識しています。
その中で、経営者は正しく意思決定をしなければいけない。言葉にとらわれて、変化が出来なくなってしまってはダメ。すごく先の未来を読むというよりは、自分がユーザーとして、ちゃんと新しいテクノロジーを使い、半歩先くらいを読み込んで意思決定することが大事だと考えています。
新しい事業を立ち上げる時は、人の意見は基本的に聞かないようにしている。誰も参考にならない。誰も関係性を悪くする様なことは、わざわざ言わないから。
本当の利害関係者も自分の立場から言うもの。しいていうなら、お客様の言うことは的を得ていると思う。お金を払う人は本気だから。色んな人が色んなことを言ってくるので、
基本は自分を信じるしかない。経営者になりたい人は、精神面を鍛えるしかないと思います。

~これからの野望について~

口に出したことが、言霊になって実現していく

山口:「AbemaTV」をマスメディア化する、黒字化することが今の野望です。山口が広告で「AbemaTV」を立ち上げたのだと、例えば自分で本を書いたときに堂々と言えるくらいにしっかりとやっていきたいです。

上田:サッカーが好きなので、日本サッカー業界に貢献したいです。日本サッカーを勝たせたい。自分はビジネスで貢献したい。IT×ビジネスを利用して業界を盛り上げていきたい、という想いを持っています。

木下:ゲームをつくるようになってから、ゲームのエンタメとしてのコンテンツのパワーを改めてすごいと感じています。世界で大ヒットするようなゲームをつくって、自分の子供が「お父さんがこのゲームを創ったんだ!」と、自慢できるようなものを生み出したいです。

藤田:野望を聞くというのは、意外といいもので、口にしたことが、言霊みたいに残って、それがなぜか実現していく。
僕自身も高校生のときにミュージシャンをあきらめて、レコード会社をつくってやる!というのが言霊みたいになっているし、20代で上場すると言っていたら実現できました。
サイバーエージェントを「21世紀を代表する会社」にするためにはドメスティックな売り上げが9割じゃだめだと思っています。
将来的にはグローバルで成功しないといけない。我々も何度もチャレンジしているが、ただ、海外に行くだけではだめ。地に足を付けた戦略で、多くの人に使ってもらえる、勝てるプロダクトを創らなければいけない。
競争優位性がないと、ネットビジネスでグローバルに勝つのは簡単なことじゃない。本当に勝つにはGoogleやAmazonくらいのレベルのモノを作る必要があります。だからこそ、今必死に「AbemaTV」を創っている。野望としては、まずはこれをやりきって、次のステップに行きたいと思っています。

動画について

2018年11月30日に実施したセミナーの動画となります。
一部、編集をしている箇所があることをご理解ご了承ください。

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