カルチャー

CyberAgent流~新規事業の仕組み化~

先日、新経済連盟が主催する「KANSAI SUMMIT 2018」にて、当社代表で新経済連盟副代表理事の藤田がグループ会社の代表を務める山内・中山とともに「CyberAgent流~新規事業の仕組み化~」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

子会社社長に就任した当時のエピソードや、新規事業を生み出し続けるサイバーエージェントのカルチャーなど様々な話が飛び交った当日の様子をレポートします。

Profile

  • 岩田 進 
    株式会社ロックオン代表取締役 / 新経済連盟幹事

    2001年、大学在学中に株式会社ロックオン創業。デジタルマーケティング領域の製品を開発し、マーケティングプラットフォーム『アドエビス』、ECオープンプラットフォーム『EC-CUBE』を、各分野における国内No.1シェア製品へと成長させた。2014年、東証マザーズに上場。これまで培ってきた ビッグデータ・AI技術をマーケティング分野に活用し、「マーケティング ロボット カンパニー」としてポジションを築く。

  • 中山 亮太郎 
    株式会社マクアケ代表取締役社長

    2006年に株式会社サイバーエージェントに入社後、社長運転手の傍ら新規事業を立ち上げる。
    2010年からは株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズのベトナム投資担当としてベトナム在住開始。
    2013年に日本に帰国後、株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングを設立。同年クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」をリリース。2017年に株式会社マクアケに社名変更。

  • 山内 隆裕 
    株式会社CyberZ代表取締役社長 / 株式会社サイバーエージェント常務取締役

    2009年、スマートフォン向け会社の株式会社CyberZの設立と同時に代表取締役に就任し、2012年10月に最年少でサイバーエージェント取締役に選ばれ、同社のスマートフォン関連事業を担う。
    2015年から動画配信プラットフォーム「OPENREC.tv」、国内最大級のeスポーツ大会「RAGE」を立ち上げ、2018年1月21日より「AbemaTV」内のゲーム専門チャンネル「ウルトラゲームス」においても統括プロデューサーを務める。

岩田)
今日はよろしくお願いします。早速ですが、CyberZが最近注力しているeスポーツ事業はどんなきっかけで始まったのでしょうか?

山内)
もともとCyberZはスマホに特化した広告会社でしたが、ゲーム関係のお客様が多かったことや、eスポーツの市場がホットになってきていたこともあって、参入を決めました。最近はバーチャルYouTuberに関連した子会社を設立するなど、事業の幅が広がっています。

岩田)
こういった新規事業を立ち上げる時って、藤田社長からの指示があるんですか?

藤田)
全然知らなかったです。eスポーツもVTuberも知らないうちにやっていましたね。役員会で毎週会っているのに教えてくれないんですよ(笑)

岩田)
子会社が勝手に考えてどんどん新しい事業を作っていくのはすごいですよね。

藤田)
これね、楽なんですよ。自動運転装置が入っているみたいな感じです(笑)

 岩田)
サイバーエージェントの中で、新規事業の立ち上げは子会社がやる方針なんでしょうか?

藤田)
そこはケースバイケースで柔軟に考えていますが、本体ではなくあえて子会社でやるケースもありますね。例えば、CyberZ創業当初のメイン事業である携帯端末の広告事業は、当時、本体の広告事業では規模が小さくて手が回らなかった分野だったんです。新しい有望な分野が後回しにされるのを避けるために、あえて同じ領域でも会社化して、やる気満々の鼻息が荒いタイプを社長に抜擢したりしますね。「社長として絶対成果出します!」と言ってくるので、「どうぞどうぞ」という感じ(笑)

岩田)
社長に抜擢するときに見ているのはどんなところでしょう?

藤田)
仕事ぶりや働く姿勢を見ていれば、責任感を持ってやってくれそうだということは自然と分かります。厄介なのは肩書きが欲しくて必死な人。そういう人に任せると、会社を起こした後のとてつもない困難を乗り越えられない。

岩田)
人となりを見極めているんですね。

藤田)
うちは内定者でも新卒一年目でも社長になることがあるので、デフレが起きている。気軽に引き受けて、うっかりその後の大変さを忘れている人もたまにいるので、最初のマインドセットは大事ですね。

 岩田)
中山さんがマクアケの社長に抜擢された時は、ベトナムで投資事業をやっていたんですよね?そこからいきなりクラウドファンディング事業に。

中山)
ベンチャーキャピタルを通してお金のことが多少分かっていたので名前を出してもらったのかなと・・。

藤田)
実際、それまでの経験はゼロではないけどあまり関係ないんですよ(笑)有望なドメインを見つけて良い人材をあてたら、5割以上は成功していると思っています。中山は、二つ返事でやると言ったので「じゃあ頑張って」と。

岩田)
ベンチャーキャピタルの経験はそんなに重視してなかったということですか?

藤田)
ファイナンスの知識もそうですけど、どんな分野でも2週間くらい必死で勉強したら追いつきますよ。例えば、「仮想通貨は新しい分野だから我々はまだ分からない」とか言っていたら一生参入できないですよね。誰も答えを知らないし経験がないから、ぐだぐだ言う前にやった方がアドバンテージを取れる。

岩田)
スキルよりも覚悟ですね。任せ方の秘訣は何かありますか?

藤田)
中途半端に口を出さないこと。経営はトータルプロデュースなので、社長が全て自分の責任のもとに決断できる環境が大切だと思いますね。

中山)
藤田社長は、本当に口を出さないですね。事業を始めた時に、全く上手くいかなくって、初めて相談しに行った時、「ほんと経済の仕組みに入っていないよね」と言い放たれた言葉が僕にとっての金言でした。普段は全く口を出さないけど、困った時にズバっと核心をつく言葉をいただいています。
 

岩田)
沢山子会社がありますけど、社内で競争環境を生むような仕組みってあるんですか?

藤田)
CAJJプログラム」という制度があって、Jリーグみたいに利益によってJ2、J1と昇格していきます。稼いでいる会社はちやほやされ、成果が出ていないとそれが晒される仕組みですね。会社の規模が小さすぎると目が届かなくなるという課題があったので、原則設立2年以内のスタートアップ事業を対象に、「スタートアップJJJ」という制度も始めました。

岩田)
「スタートアップJJJ」はどんな取り組みなんですか?

藤田)
3か月に一度、子会社に時価総額をつけて事業を4段階に分けています。取締役会で「この子会社を買収するならいくらか」をシミュレーションして時価総額をつけるんです。時価総額が50億円以上になると「上場」してCAJJに移行します。 何より重要なのは撤退ルール※をつくること。ある経営者に「会社は派手に飲み食いしてても潰れないけど、‘会社ごっこ’みたいに無責任に数多くの事業を抱えるとあっという間にダメになる」と言われたことがあります。事業を始めると、取引先や社内外多くの人を巻き込んでしまった手前、社長本人はなかなか辞めると言えないものですが、マイナスを垂れ流すのは非常に危険です。そうさせない仕組みはきちんと策定しました。

※「CAJJプログラム」は2四半期連続で減収減益になったら撤退。「スタートアップJJJ」は粗利益が3四半期連続で減少するなどしたら撤退。

岩田)
撤退ルールのもと、子会社がダメになったらその会社にいたメンバーはどうなるんですか?

藤田)
配置転換みたいな感じですね。次のプロジェクトで同じメンバーでやることもあるし、バラバラに配置し直されることもある。山内と中山はたまたま上手くいった事例だけど、会社をたたむのは日常茶飯事ですから。

山内)
「トライしてダメだったなら切り替えて次のチャレンジへ」という考えが文化として定着していますね。子会社のメンバーは当事者意識が高いので、会社がチャンスをくれているから頑張ろう、次は一発当てたい、と奮起する場合が多いと感じます。

藤田)
セカンドチャレンジを成功させて活躍している社員が社内にごろごろいますね。挑戦した結果の失敗は歓迎する、そういう文化は今後も大切にしていきたいです。

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