Interview

「取締役」というキャリアの選択

急成長企業を支える、ママ取締役

2017年の動画広告市場は1,093億円。2020年には2,000億円を超えると見込まれています。2015年は506億円だったので、5年で約4倍という拡大スピード。※1
そんな市場の大波をいちはやくとらえ、急成長を続けるのは2015年4月に設立の「動画広告」に特化した広告代理事業を行う当社連結子会社、株式会社CyberBull(以下、サイバーブル)。
成長著しい当産業に軸足をおいたサイバーブルでは今年の6月、小学生の子どもを持つ女性が取締役に就任。結婚、出産というライフステージの変化を経て、「ますます仕事の面白さを知った」と話す彼女の、子どもがいても自己成長をあきらめないキャリア論をお届けします。

※1サイバーエージェントオンラインビデオ総研/デジタルインファクト調べ

Profile

  • 木村麻衣子
    株式会社CyberBull 取締役

    2007年サイバーエージェント新卒入社。大阪にて子会社支社の立ち上げに携わった後、広告営業。社内結婚した夫の転勤により、2010年に東京へ。2010年12月に出産、2012年4月に仕事復帰。Amebaのプランナーを経て、2014年12月にマネージャーへ。2015年11月からスタートアップ子会社のバックオフィス支援を行う。その後、2016年10月サイバーブルへ。バックオフィス全体の責任者を経て、2018年6月より現職。

「経営」の面白さに気づいたことが
ターニングポイント。
そうしたら、もっと責任と役割を持ちたくなった

木村:サイバーブルに入る前は、「スタートアップ本社機能」として、同社含めた子会社の採用や育成を中心とした人事業務に携わっていました。本組織の組成は、2015年9月の「あした会議※2」で決議されたもの。そこでの人選に名前が挙がり、組織の立ち上げを任されることになりました。

※2「あした会議」:経営陣を中心としたチームで、サイバーエージェントの「あした(未来)」に繋がる新規事業案や中長期での課題解決案を提案、決議する会議。

――バックオフィス未経験ながら組織を立ち上げたそうですね。

木村:入社以来ずっと事業サイドいたので、人事はもとより、バックオフィスの経験や知識はゼロ。何から手をつければよいのか全くわからず本当に大変でした。しかし、スタートアップ子会社の経営者たちが、新しい市場へ挑戦し、サイバーエージェントの次の事業柱をつくろうと奮闘する姿は眩しく、大きな刺激を受けました。
そんな彼らをサポートしたいと思いましたし、経営者の近くで仕事をすることで、経営に携わることの面白さを知りました。この発見は、私のキャリアの大きなターニングポイントです。当時は複数の子会社をまたいだ業務だったので、ゆくゆくは、1つの会社にコミットし、もっと経営の責任と役割を持ちたいと考えるようになりました。
 

木村:ちょうどその頃、20名以下だったサイバーブルの社員数は一気に倍の40名へ。組織の急成長に選任の人事担当が必要という判断もあり、2016年10月に同社へ。
それから徐々に私の担当領域も増し、2017年4月には人事に加えて経営管理、広報、営業サポートといったバックオフィス全体の責任者になりました。
 

周囲を巻き込み、大きな成果を出す
「マネジメント職」というキャリアの可能性

――それから、2018年6月に木村は取締役に就任。サイバーブルに"ママ”取締役が誕生しました。勤務時間は9時~18時。周りと比べ時間の制限がある彼女が取締役というキャリアを「選択」した理由とは。

木村:前述の通り、経営に強い興味を持つようになったので、取締役という「選択」は、私にとってごく自然なことでした。
ママだから、両立が大変だから、やりたいことを諦めるのってすごく勿体無いことで、自己成長に制限をかける理由にはなりません。
というのも、私は、新卒で入社して、早い段階で妊娠・出産を経験したので、仕事に対する大きな達成感を得られぬまま一時的に仕事から離れました。そのため、何か大きな成果を出して会社に貢献したいという思いは誰よりも強い。2012年の育休復帰当初から「自身のジョブサイズを広げたい」という強い思いを持って仕事に取り組んでいました。だから、取締役を任されたことは素直に嬉しかった。あとは自分の「選択」をどう正解にしていくか、だと思っています。

――「選択」を正解にするためにどういった工夫をしていますか。

木村:そんなに特別なことではありませんが、大きくわけて3つ。
1つ目は自身の仕事をブラックボックス化しないこと。夜の時間帯は席にいないですし、子どもの発熱などで急に会社を休まなければいけなくなることもあります。Google Docsや共有フォルダなどを活用し、いつでも共有、誰でも編集できる状態にしています。また、なるべくプロジェクト化して自分しか分からないという業務をつくらないように周りを巻き込むよう心がけています。

2つ目は、夫との役割分担。我が家は夫婦ともに関西出身のため遠方にいる両親のサポートは望めません。そのため夫との役割分担は必須。毎朝の小学校の見送りは夫担当なので、私は朝の時間を有効活用しています。また、週に1度、夫が早く帰宅することを夫婦のルールとして決め、必要な会食や社内交流などのスケジュールを立てています。
 

「経営ボード朝食会」ボードメンバーが集まる経営会議は朝9時から開始。朝食をとりながらリラックスして、フラットに経営の話ができるそう。その後、数字など数字などを細かくチェックする進捗会議も行い、午前中のうちに経営会議は終了。
「経営ボード朝食会」ボードメンバーが集まる経営会議は朝9時から開始。朝食をとりながらリラックスして、フラットに経営の話ができるそう。その後、数字など数字などを細かくチェックする進捗会議も行い、午前中のうちに経営会議は終了。

そして3つ目は「出来ない仕事」を明確化することです。

時間に制限があることは事実。それは仕方がないので、その中でどう成果を出すか、そのために何に時間を割くか、優先順位を決めなくてはなりません。
そこで「出来ない仕事」を明確にしたところ、出来ないことは「夜の会食に行けない」ということだけ。役員会議、来客、メンバーとのミーティング、資料作成など、夜の時間帯に設定しなくてはいけないことって、私の場合は殆どありませんでした。

以前は、自身の成果にコミットするあまり、残業や休日に仕事をしていた時もありました。でも今はすっかり朝型にシフトしましたし、夜や休日といった仕事から離れる時間は、身体を休めたり、ジムに通ったりとコンディションを整えるようにしています。お風呂の時間とかリラックスしている時のほうが、よいアイデアが浮かんできたりするものです。

これまで、自身のジョブサイズを広げたくて、成果を出すことにこだわってきましたが、個人で出せる成果には限りがある。それよりもチームで取り組んだ成果のほうがよっぽど大きなものとなると、感じるようになりました。そう考えると、個人の成果の足し算ではなく、メンバーの成果を掛け算にし、強い組織をつくる「マネジメント職」は勤務時間に制限のあるママ社員にとって、有力なキャリアの選択肢になり得ると思います。
 

仕事と育児と両立するためには、誰かの手を借りる局面が増える。そのため、周囲への感謝と敬意を大切に。
仕事と育児と両立するためには、誰かの手を借りる局面が増える。そのため、周囲への感謝と敬意を大切に。

女性こそ「誰にも負けない何か」を、
身につけるべき

木村:ライフステージの変化に適応できるキャリア形成を考えたときに、マネジメントかプレーヤーか、みたいな話になりがちですよね。私も以前は同じように悩んでいましたが、結論、「どちらでもいい」と思うようになりました。

サイバーブルに来てから、自分が何の役職に就きたいかではなく、自分がどの役割を担えば会社が伸びるのか、ということを常に意識してきました。そう考えると、マネジメントかプレーヤーかという悩みは本質的ではなかったんです。
どちらであったとしても「誰にも負けない何か」を身につけることを考えるべき。どんなに小さなことでもいいので、それを幾つつくれるか。そうすることで、自身の市場価値を上げることになり、自分でキャリアを創っていくことに繋がります

私は今の仕事が凄く楽しい。サイバーブルで人事業務からスタートし、バックオフィス全体を見るようになりました。それまで事業サイドにいたからこそ活かせる組織貢献があると考えています。これから更に人事領域のスキルを高めて、誰にも負けない「組織作りのプロ」を目指します。意思を持ってキャリアを創ること、それは結果として会社への貢献にもなると思っています。
 

――FEATUReSでは今後も自分らしく活躍する女性社員をご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

女性が長く活躍するための当社の独自施策についても、あわせてご覧ください。
「女性社員が自ら創る、新しいカルチャー ~女性が活躍できる環境づくり~」

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