Interview

技術者の経営参画で得られるメリットって?
Workplaceの導入により活性化する組織カルチャー

Member

  • シーエー・モバイル代表取締役社長
    石井 洋之

    2002年にサイバーエージェント新卒入社。その後2007年にCAテクノロジー代表取締役となり、一貫してインターネット広告事業に携わる。2010年にサイバーエージェント取締役に就任。2012年からはサイバーエージェント執行役員に就任、2015年10月より現任。

  • シーエー・モバイル取締役/CQO。(Chief Quality Officer:最高品質責任者)
    齋藤 匠

    2009年サイバーエージェント中途入社。サイバーエージェントでは技術者の育成などを手がける技術人事を担当。2016年シーエー・モバイルへ技術組織強化のために出向し、執行役員に就任。2017年取締役、CQOに就任し、現任。

  • シーエー・モバイルCTO。(Chief Technology Officer:最高技術責任者)
    船ヶ山 慶

    2010年サイバーエージェント中途入社。2014年タクスタの取締役、CTOに就任。子会社立ち上げの経験を活かし、サービスと技術レベル向上のために、2016年シーエー・モバイルへ出向。2017年CTOに就任し、現任。

  • フェイスブックジャパン代表取締役
    長谷川 晋

    2002年、プロクター・アンド・ギャンブル入社。数々のブランドマネージャーを経た後、シンガポールにて「ブラウン」や「SKII」などのリージョン責任者となる。2012年に楽天株式会社へ入社。グローバルマーケティングの責任者を経て、2014年上級執行役員に就任。2015年10月、フェイスブックジャパンの代表取締役に就任。

  • フェイスブック ジャパンWorkplace事業 アジア太平洋地域担当 グロースマネージャー
    豊田 哲太郎

    2013年 フェイスブック ジャパンへ入社。広告事業の立上げに従事。2015年 フェイスブック シンガポールに転籍。2016年よりアジア太平洋地域にてWorkplace事業展開を担当し現任。

(シーエー・モバイル以下、CAM)でworkplaceを導入したきっかけとは?

石井:workplace導入の提案をもらったのは、匠さんからでしたよね。

齋藤:そうですね。fkei(船ヶ山)と2人で提案しましたね。

石井:実は以前から、Facebook上で秘密のグループを作成して活性化目的でトピックスの共有をしていたんですよ。CAMの広告部門で1日5、6個ほどの投稿があって、盛り上がっていたけれども、内容が内容なだけに社外への情報漏洩のリスクが怖いと思っていて。

長谷川:ありますよね。他社様でもそういった懸念について伺っていました。

石井:そうなんです。情報漏洩、投稿誤爆のリスクがあり、それが経営会議でも議題に挙がっていました。

船ヶ山:そうですね。その課題を聞いて、類似サービスとworkplaceの比較検討をし、UI的にも慣れ親しんだ使いやすいものがいいのではと思い、workplaceの導入を決めました。アカウントの運用もFacebookの時は手運用だったので、その点もビジネス版に切り替えられたらいいなと思っていました。

長谷川:そうなんですね。始められたのはいつ頃ですか。

齋藤:最初のトライアルをエンジニア内で始めていたので、それを含めると1年くらいですね。

田口:トライアルがあったのは導入のきっかけになったのでしょうか。

齋藤:使ってみてやっぱりUIも良かったし、Facebookと色も違うし、アプリ自体、別のものだったのも認識を分けやすくて良かったと思います。

船ヶ山:あと、アカウントがプライベートと違うのがいいなと思っていて。仕事と私生活と一緒にするのは、やっぱり良くないかなと。働き方改革の観点でも、まずは分けてみるのがいいかなと思って導入推進しました。

長谷川:まさにWorkplaceって、完全にFacebook社員の働き方そのものなんですよ。僕らはWorkplaceの中に様々なグループを作っていて、その中には業務系のグループもあれば、女性の活躍や、活性化を目的とするための部門横断のグループもあったりしますし、そこら中で部署の垣根なくグループが沢山できて、それが『いいね!』ということで実際に、Facebook社外に向けて提供したものがworkplaceなんです。

豊田:我々にとっては当たり前のものを、ほかの企業様にも導入していただいて、どんな風にカスタマイズをすると企業文化にマッチするのか、という観点では、逆に日々学ばせていただいていますね。

長谷川:実際、最初の導入時のイメージってどんな感じでしたか。

船ヶ山:フィードより先にグループを作ることがトップにあって、グループができて初めて投稿ができることに思惑があるんだろうなと思って、違和感ありつつも一旦受け入れようと始めました。

豊田:確かにそこはFacebookと一番大きな違いかもしれないですね。Facebookはページを開くとニュースフィードを見てスクロールをして友達や家族の情報を見る形ですが、workplaceの場合は、自分にとって重要なグループや興味のあるグループに入っておいて、アラートが来たらそれを見逃さないようにチェックしていく形の運用方法。大きな違いですよね。

長谷川:情報漏洩リスク以外に、石井さんとしては何か社内のコミュニケーションについて課題を抱えていたんですか。

石井:そうですね。もともと組織の活性化を目的に使おうと思っていました。昔からサイバーエージェントではメール文化だったんですよ。例えば、大手クライアント様から大型受注をいただいたトピックスの共有がメールなんです。でも、もうあまりメールって見ないじゃないですか。今はスマホでも見ることができますが、当時で言うと会社のPCでしか見れなかったので、『スマホでみんなの活躍を簡単に共有したい。』と思ったのがきっかけですね。
 

長谷川:リアルタイム性って大切ですからね。

石井:そうですよね。そして、その中でも僕がやりたかったのはリザルトよりもプロセスで、短文でも良いから写真をあげようと話していました。結果が出る前でも営業戦略を走らせるときにプロセスを上げてくれと。写真に撮って1行でいいと。課題として、メールでのトピックス共有だと、きちんと作りこまないといけないという意識が働き、誰かを称えるにも、ハードルを上げてしまっていたのだと思います。

組織の活性化や、カルチャーの浸透における『肝』ポイントとは?

石井:コンプライアンスの懸念点と、前段での課題もあり、CAMの技術のトップ2人が提案してくれるのであれば、新しい技術や取り組みは是非とも採用していきたいなと思っています。尚且つ、今回はWorkplaceのリリースも同タイミングでキャッチアップしていたので、色んなことが合致してスタートしました。

豊田:石井さんのお話しにあったように、モバイルシフトは日常から働く環境へと徐々に拡張し、流入してきているので、みんなが使いやすいものにすることで、更に浸透していくだろうな、と肌で感じていますね。例えば、綺麗で編集性の高いものよりも、実際の読み手は写真と文字だけあれば十分だったりします。時間をかけるよりもその場で撮ってリアルタイムに共有できるものが今の時代には適していると思います。

石井:その通りで、リアルタイム性がすごく大事ですね。

長谷川:その感覚がむちゃくちゃトレンドに乗っているなと思いながら聞いていました。そもそも社内外にかかわらず、人と人とのコミュニケーションのあり方がテキストからより、ビジュアルへと変化していて、ビジュアルの中でもよりカジュアルなものが、人と人との繋がり方のトレンドだと僕らは思っています。世界でも流行しているカジュアルな形でのコミュニケーションが社内でできていることは、すごくイマドキだと思います。

石井:コミュニケーションのあり方が、カジュアルになってきていると僕も感じています。

長谷川:はい。Workplaceは、情報のフローが比較的硬直化しやすい企業様に喜んでいただけることが多いのですが、シーエー・モバイルさんなどの、元から情報がフローしている中で、Workplaceがどんなアドバリューができているのか個人的に興味をもっていました。

齋藤:今まで使っていたチャットツールは、原則コミュニティをプライベートで作っていく展開だったので、何をやっているのか横からでは見えていないケースや、コミュニケーションは活発ですが、パイが大きくならないという課題を感じていて・・・。Workplaceだと公開グループを作れば誰でも自分で見つけて自発的に入ることができる点が今のCAMには丁度良くて。今までのクローズドの動きがパブリックになることで、雰囲気は変わってくるかなと思いました。

豊田:一つ質問なのですが、先ほどグループを全体へオープンしているというお話があったかと思うのですが、逆にオープンにしていることで発言し辛くなるようなデメリットなどを感じたことはないのでしょうか。

船ヶ山:やはりネガティブな投稿がされる点は懸念していました。もしも、何かあれば管理者側で密かに消そうと思っていました。しかし、いざ運用してみるとネガティブな書き込みや発言はなく、軌道修正する必要もなく運用できていますね。これがシーエー・モバイルとしての文化の良さなのかもしれないです。あとは、経営陣にもできるだけ発言するようにしてもらいましたね。

豊田:なるほど。

齋藤:今まで、Facebookの秘密グループで広告事業部や社内トピックスの展開をしていたので、投稿のフローは定着していたのだと思います。それがそのままWorkplaceに移行したイメージですね。その時からネガティブな発言はなかったので。

船ヶ山:あと、フリートークや重要なお知らせなど、幾つかのグループにはデフォルトで参加してもらっていたので、投稿するハードルも下がったのだと思います。最初のグループ作成はかなり綿密な計画を練りました。グループに多く入りすぎても混乱すると思ったので4つに絞って招待し、そこだけは全員大切だから見るようにと周知し、習慣付けばいいなと思っていました。それ以外は、自由にどうぞ!というスタンスで、ダメなら後で方向性を変えていけばいいかなと思っていました。

長谷川:確かにそうですね。僕らもあまりコントロールし過ぎないようにしていますね。

船ヶ山:やると活性化しないので。

齋藤:メールで告知して気づいてもらうよりも、先にWorkplaceに投げる。それをみんなが最初に見るようにすることが大事だなと。
 

コミュニケーションもテクノロジーを活用していく両社が考える今後の企業ミッションとは?

長谷川:僕らとしては、人と人とを繋ぐということだけではなくて、コミュニティーの活性化を通じて世界中をつないで、その結果、世界をよりよくしたいという理念は絶対に変わらないミッションです。個々人が世界の人たちと繋がってお互いに情報発信をしあう喜びを感じてほしいと思っており、この点は僕らが熱意をもっているところです。ビジネス的な観点では、企業の大小に関わらず、成長のベストパートナーになりたいと考えています。また、地に足をつけて社会貢献をすることもFacebook Japanとして必要だと考えており、そのやり方がテクノロジーを活用したものだと思っています。例えばWorkplaceみたいな、働き方改革や女性の活躍をどうバックアップできるか、など、ノウハウ提供もしていきながらしっかりとやっていくことです。パソコンが1台あればどんな場所からでも発信できる時代になっていきているので、人々の情報発信からビジネス、そして社会への貢献も含めて注力していきたいですね。

石井:確かにエンゲージメント経営というか、『関係の質』が問われていると私自身実感していて、それをテクノロジーで変革させるという点に、強く共感しました。テクノロジーは変化していくけれども、逆に普遍的なものもあり、それは、人の気持ちや、どれくらい自分以外の誰かに寄り添えるかという点で、AIをはじめとする様々な技術が発達しても人の心を動かしたり、感動しあったり、そういうところで問題解決のソリューションをつくっていきたいと考えています。

齋藤:技術分野では、新しい技術など使えるものはどんどん使っていきつつ、今はまだ、使っている技術自体が少しトレンドより遅れているものもあったので、それをこの1年でトレンドに追いつけるように一気に上げていくというのが目下、やるべきことかなと。

船ヶ山:基本的には経営者が問題定義した課題や、ビジョンに対して、新しい技術をキャッチアップしつつ、そこに対してベストな技術やツールをきっちり示して、発言して、導入していくことが僕らの貢献していくべきところだと思っています。 あとは、成功しても失敗しても、絶対何かを変えていくスタンスでいきたいなと。前回成功して、次も成功させるために、何かを変えて成功させる。そういう新しい部分を入れつつ、絶えず変えていくスタンスはCAMのエンジニア、Tech系でやっていきたいなと思っています。

齋藤:変化は当たり前っていうね。同じだったら危機感を持つぐらいの感覚をもって内輪で会話することにより、良い意味での危機感を煽っていきたいですね。

船ヶ山:そうですね。変化して当たり前、変化しないのは異常ぐらいの感覚がいいなと思っています。言い過ぎか。(笑)最近、経営陣と近い距離で話しているので、このままであれば、技術をより経営やサービスに反映できるかなと思いますし、今後も良い距離感で進めていけたらと思います。

石井:今回のような技術者の声を経営に活かすような取り組みを今後も継続していきたいですね。

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