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Interview

プロレスの新しい文化を
AbemaTVでつくる

今年9月22日、サイバーエージェントは、株式会社DDTプロレスリングの全株式を取得し、同社のグループ化について発表しました。DDTプロレスは、エンターテインメント路線の“文化系プロレス”として知られ、個性豊かな選手をそろえたオリジナリティにあふれた興行が、多くのファンの熱い支持を集めています。団体としてのこれまでの歩みや今回のグループ参画の意図、「AbemaTV」と創る未来などについて、DDTプロレスリング代表の高木氏に聞きました。

Profile

  • 株式会社DDTプロレスリング代表取締役社長 高木三四郎(本名・高木規)
    1970年生まれ。大阪府出身。95年、プロレスラーとしてデビューし、97年、DDTの旗揚げに参加。以後、同団体のエース兼プロデューサーとして活躍し、2006年、正式に社長に就任。

DDT旗揚げはファンのアンケートで決めた

まずDDTプロレスを立ち上げた経緯を教えてください。

高木:もともと僕はPWC(プロレスリング・クルセイダース)というインディー団体に所属しておりまして、1995年にデビューしました。ところが、96年に団体が解散してしまい、僕も一度はプロレスをやめようかなと思ったんですが、PWCにいた2人の選手が「新しい団体を立ち上げませんか」と言ってきたんです。2人の熱意に押されて協力することになり、DDT(ドラマチック・ドリーム・チーム)を立ち上げました。
 
DDTを立ち上げた当初、周囲の目は厳しかったと聞いています。

高木:当時は、メジャー団体をやめた選手がインディー団体を立ち上げることはあっても、インディー団体でデビューした選手が新団体を立ち上げた例はありませんでした。そのせいか、業界内では「やめた方がいい」「どうせつぶされる」と言われましたし、事務所に電話をかけてきて「素人が旗揚げなんかするな」と怒る人もいました。

それで、旗揚げの前にプレ旗揚げ戦を開催してDDTを設立してもいいのかどうか、ファンのアンケートをとって審判を仰ぐことにしたんです。もしファンに認めてもらえなかったら、僕は引退するつもりでした。結果的に、97年3月に日比谷のディスコで行われたプレ旗揚げ戦は300人ぐらいのお客さんが集まってくれて、旗揚げ賛成が154票、反対が24票でした。

それにしても、ファンの審判を仰ぐって、勇気がいりますよね。

高木:でも、プロレスって、ファンあってのものじゃないですか。お客さんに満足してもらえれば必ずリピーターになってくれると信じていました。

日比谷ラジオシティで行われたプレ旗揚げ戦
日比谷ラジオシティで行われたプレ旗揚げ戦

エンタメ路線という「空き家」を見つけた

DDTは旗揚げ当時から、今のようなエンターテインメント路線だったんですか。

高木:いえ、その頃はガチガチのハード路線でした。僕たちと対戦する先輩レスラーが格闘技系出身の人だったので、練習でも試合でもボコボコにされて、「これ、ほんとにプロレスなのかな」と思いながらやっていました(笑)。

当時の集客はどうでしたか。

高木:よくありませんでしたね。だから、知名度もない新団体が格闘技みたいなことをやっても成功しないのではないか、ほかの団体がやらないことをやらないとダメなんじゃないかと思って、エンタメ路線に変えたんです。

当時、米国でWWF(ワールド・レスリング・フェデレーション)という団体(注)がテレビ放送を前提としたショー的なプロレスをやっていたんですが、ああいうのは日本になかったので、この“空き家”をやるしかないなと思って。それが当たったんですよ。

リング上で“呪文”を唱えて相手の動きを止めてしまうようなキャラクターを登場させて試合を組んだりもしましたから、「あんなのはプロレスじゃない」と他団体から言われたりしました。
だけど、リングの上でプロレスと称してやっている以上、ショーも何もない。それに、僕らはお客さんの支持があって旗揚げした団体ですから、お客さんに楽しんでもらえるのであれば、ショー的な要素もありだと思っていました。目線はお客さんであり、ファンでした。

(注)現在はWWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)

「両国の呪い」をどう打ち破ったか

経営者として苦しかった時期はありますか。

高木:2008年頃ですね。いい意味でも悪い意味でも安定期に入ってしまって、後楽園ホールで毎月、興行をできるようにはなったんですが、観客は800~900人で1000人を超えない。一方で、社員の給与や選手のギャラ、事務所の経費がかさむようになり、その年はリーマン・ショックの影響もあって、業績が赤字になってしまいました。

団体としてワンステップ上がるために何かをしないとダメだなと思って、翌2009年の夏に両国国技館で5000人を集めて大会を開くという企画を打ち出しました。

集客がなかなか1000人を超えないのに、5000人を集める。怖いですよね。

高木:そうなんですけど、学生時代にイベントプロデュースの仕事をしていた時、4000人を集めたことがあったので、1回ならいけるだろうと読んではいました。

ただ、両国に挑戦したインディー団体はそれまでにもいくつかあったんですが、どこも単発に終わって、その後、失速しているんですね。これをプロレス業界では“両国の呪い”と呼んでいて、DDTが両国で大会を開催すると宣言したときも、「両国でやった団体は失敗するよ」と業界では言われていたんです。

その呪いをどう打ち破ったんですか。

高木:2009年に両国でやった大会の当日、「2010年も両国で大会をやる」と翌年の予定を発表したんです。またやるんだ、続けるんだという本気度をファンにも見せたんですね。

その“両国の呪い”ですが、どうして他の団体は失速してしまっていたんでしょうか。

高木:大会が一度成功すると、団体もファンも達成感や満足感に浸ってしまうんでしょうね。しかも、大会そのものもそういう終わり方になってしまう。“TO BE CONTINUED”という感じのエンディングにならないんですよ。

だから、DDTは、両国で3年続けてやった後は、日本武道館でやって、両国で2日間やって、さいたまスーパーアリーナでやってというふうに、毎年、団体がステップアップしていくような演出をしていきました。そうすると、選手やスタッフのモチベーションも上がるし、ファンも燃えるんです。

DDTの興行を盛り上げる、個性豊かな選手たち
DDTの興行を盛り上げる、個性豊かな選手たち

個人商店からの脱却を図るためのグループ参画

今後の団体運営についてお考えになっていることはありますか。

高木:一言でいえば、個人商店からの脱却です。プロレス団体は基本的にサーカス一座とあまり変わりがないんですね。座長がいる間はいいけど、座長がいなくなると、組織が空中分解を起こしかねない。

だから、興行のオペレーションをもっと明確にして、マニュアルもつくって、誰かが抜けても誰かが補完できるような組織体にしていきたいと思っています。そうしたこともあって、今回、サイバーエージェントグループに参画させていただくことになったんです。

なぜ、プロレスとは縁もゆかりもないサイバーエージェントだったんですか。

高木:提携先として考えていた条件は、一つは、誰もが知る上場企業であること。もう一つは、オーナーがプロレスファンではなくて、コンテンツとしてのプロレスに魅力を感じてくれていること。そして、これが一番大きかったんですけど、自前で発信できるメディアを持っていること

最初に「AbemaTV」のアプリをダウンロードして見たときは、衝撃的でした。スマートフォンの画面をフリックするだけで簡単にテレビが見られて、チャンネルもいろいろあって、しかも全部、無料。ユーザーに視聴習慣をつけてもらうために無料にしたという藤田晋社長の考えを知ったときは、これはすごいことを始めようとしているなって思いました。

具体的にはどういう番組をやりたいと考えていますか。

高木:今、提案して動いているのは、路上プロレスの生中継です。実は今度、サイバーエージェントの社内でやる予定なんです(笑)「AbemaTV」で生中継しますよ。

社内で路上プロレス、前代未聞ですね(笑)リングを設営しない路上プロレスは、2008年以降やってこられた企画ですね。

高木:プロレスや格闘技の歴史って、生中継の歴史なんですよ。戦後の新橋駅前の街頭テレビに始まって、昭和の頃は金曜夜8時にプロレス中継があって、K-1やPRIDEが隆盛したのも生中継が始まってからだった。それぐらい、プロレスや格闘技とテレビメディアの相性はいいんですけど、そのよさは生中継にあるんです。自由度の高い「AbemaTV」でなら、プロレスの生中継という文化をもう一度新しいものとしてつくっていけるんじゃないかと思っています。

最後に、高木氏にとってプロレスとは何ですか。

高木:以前は、リングの上でやるものはすべてプロレスだと思って実践してきたんですね。だけど、その定義は路上プロレスをやった時点で崩れてしまい、最近は僕もわからなくなってきました(笑)。でも、そのぐらい無限の可能性があるジャンルがプロレスなんです。お客さんが見て、プロレスだと思って楽しんでくれれば、それはプロレスなんですよ。

 

DDT VS サイバーエージェント 路上プロレス-男色死亡遊戯-
12月21日(木) 17:30 ~ 21:00

DDT 路上プロレス@サイバーエージェント!男色ディーノがAbemaTV社内で大暴れ!サイバーエージェント、藤田社長の唇を狙う!!

キャスト
男色ディーノ
藤田晋
スーパー・ササダンゴ・マシン
武藤敬司
斉藤 慎二(ジャングルポケット)

DDT VS サイバーエージェント 路上プロレス-男色死亡遊戯-

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