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Interview

駅のラックをソーシャルメディアで代替したい。
新生『新R25』のコンテンツ戦略とは

駅のラックをソーシャルメディアで代替したい。
新生『新R25』のコンテンツ戦略とは

駅で配布されるフリーペーパーとして一世を風靡した『R25』。2004年に生まれたこのメディアのブランドを継承し、“R25世代”と呼ばれる若手ビジネスパーソンをターゲットに、“世の中のいま”を知るために必要なニュース・トレンドを分かりやすく解説して身近に届けるWebメディア『新R25』が新たにスタート。

編集長である渡辺将基と、『R25』の編集に長年携わり『新R25』でも編集部の中心メンバーとして活躍する天野俊吉が、新たなメディアに懸ける想いを語りました。

渡辺:天野さんはフリーペーパー時代から『R25』にずっと携わっていたんですよね?

天野:そうですね。僕が当時の『R25』の運営会社に入社したのは2011年でした。全盛期は2007年ごろだったのではないかと思います。その後、リーマンショックで広告が入らなくなったり、どんどんWebメディアが台頭したりしてきて、フリーペーパーの“無料”という価値が弱くなってしまいました。

そんななか『R25』もWebメディアにチャレンジしましたが、自分たちが頑張って記事を作っても、「反応がないな」「誰が読んでいるんだろう?」とモヤモヤを感じていました。紙とWebは根本的に違うと思いましたね。

Webでは活かせなかったフリーペーパー時代の強み

渡辺:当時は雑誌などのWeb展開も活発になっていましたが、ほとんどうまくいっていなかった気がします。その理由をどう分析してますか?

天野:フリーペーパー時代の『R25』は、時事ニュースの解説を中心に、旬なタレントのインタビュー、ビジネスマンにおすすめのブックレビュー、1週間のイベントカレンダーなどがひとつのパッケージになっていました。それらがセットになって、面白くてためになるメディアだと支持されていたんだと思います。

ただこれをWebに展開すると、そのパッケージ性が失われて各コンテンツがバラバラで見られてしまう。極端なことを言えば、イベントカレンダーなんてそれ単体では拡散するようなコンテンツではないわけで。Webではそういうジレンマを抱えていたんです。

渡辺:たしかに、Webメディアは雑誌に比べてコンテンツをパッケージングして世界観を伝えることが難しい。1つ1つの記事の強度が求められますね。

天野:あと、当時はビジネスマンが駅のラックで手に取ってからの導線設計がかなり意識されていました。冒頭の「ランキンレビュー」というコラムは「電車ひと駅分」で読める長さに設定されていましたし、たとえば缶コーヒーのタイアップ広告なら、紙面で広告を見せ、電車内の中吊りでも印象づけて、電車を降りたあとにコンビニでの購入を促す、といったように。それは編集コンテンツと広告、どちらも含めてです。

ところがスマホが台頭してくると、電車ではみんなスマホばかり見るようになり、そういったことが通用しなくなってしまった。読者が『R25』を読むきっかけをつくれなくなっていました。

R25の大きな武器だった「駅のラック」をソーシャルメディアで代替したい

天野:さきほども言ったように、フリーペーパーの時代は、「駅のラック」という強烈なマーケティングチャネルがありました。それがなくなったいま、どうやってコンテンツに出会ってもらうか。今回はそれをソーシャルメディアで代替しようとしているんですよね。

渡辺:はい。いまのR25世代(25歳~30代前半のビジネスパーソン)の生活の中心には、スマホとSNSがあります。そんな彼らが当時の“駅のラック”と同じように自然と情報を手にするチャネルは、いまならやはりソーシャルメディアだと考えています。まずは“たまたまコンテンツに出会う”という体験が入り口になりますが、しっかりと、記事の“『新R25』らしさ”が伝わり、それが積み重なっていけば、最終的にブランドができると思っています。

天野:かつての『R25』が弱かった部分は、そのソーシャルでの拡散力だったと感じています。いかにYahoo!ニュースなどのトラフィックの大きなメディアに転載され、そこから誘導をもらうか、という発想から抜けられなかった。個人的にも、いま新しい編集部のなかでまさにそこを勉強、吸収させてもらっています。

渡辺:逆にサイバーエージェントは、ソーシャル時代の中で、いかにそこに適応したメディアをつくるかということを模索してきました。旧来のメディアとは違う入口から入っているんですよね。『新R25』でも、そのソーシャルマーケティング力を活かしていきたいという展望を持っています。いまはそこに、天野さんや、これまで『R25』を作ってきた方が培ってきた編集のイロハや、信頼性のあるコンテンツの作り方が注入されたと思っています。

新R25が大切にしたいコンテンツの条件

渡辺:冷静に考えると、いま「若手ビジネスマンをターゲットにしたWebメディア」ってある意味ブルーオーシャンだと思うんです。男性向けメディアはどんどん読者の年齢層が上がっていて。

天野:自分もそうですけど、やっぱりターゲティングしにくいところはあると思うんですよね。明確な志向があるわけじゃないし、欲がなくてお金も使わないし…。

渡辺:そう思います。ただ、難しいからこそチャンスもある。チームでも、いまの若手ビジネスマンついての議論を重ねましたよね。そして、そんなターゲットに対して、新R25はどんなコンテンツを届けたいのか。ソーシャルメディアで流通させるという戦略も意識したうえで決めた方針が次の3つです。

1.    R25世代にとって意義のある内容であること
2.    受動的なターゲットがスキマ時間で気軽に読めること
3.    印象に残る強い発見や深い学びが得られること

「R25世代にとって意義のある内容」という部分でいうと、1つ根底にあるコンセプトは「世の中がわかる」ということ。これは「世の中を“知る”」とは少しニュアンスが違うのですが、たとえば単に事実を伝えるだけであれば、われわれがニュースサイト以上の価値を提供するのは難しい。

『新R25』が目指しているのは、点在しているファクトや取材して得た情報・見解を線でつなげて、世の中の流れや仕組みを理解してもらうこと。それを「世の中が“わかる”」と定義しています。なので、読後の満足感にはかなりこだわっているつもりです。

天野:でも、「世の中がわかって、気軽に読めて、印象に残る学びや発見がある」という理想を満たす記事をつくるのは相当難しい。編集メンバーで、試行錯誤がつづきましたね…。

渡辺:そうですね。何度もチームで議論して方向転換したり、積み上げてきたものを崩したり、求めるレベルを引き上げたり…。それもあってリリースを延期する事態になってしまいました。

天野:僕はこれまであまり開発チームといっしょに議論するという経験がなかったので、それも新鮮でした。ちなみに、新R25はデザインもポップですごくいいですよね。読者に親近感を持ってもらったりわかりやすく伝えたりするために、文字の大きさひとつにもすごくこだわっている。

渡辺:同じ内容の記事でも、デザイン次第で印象や伝わり方が変わってきますからね。理想的なユーザー体験をつくるプロダクト開発力も、『新R25』の強みです。

自分に期待できる若者を増やして、R25世代の未来を明るくしたい

天野:個人的に、メンバーみんなで決めた事業のビジョン「R25世代の未来をちょっと明るくする」、そして『新R25』のキャッチコピー、「世の中がわかるジブンもいい。」というのが、かなりしっくり来てるんですよ。暑苦しくなくて、ちょっと肩の力が抜けた感じがいいなぁと。自分たちが目指すべき方向としても自分ゴト化しやすいですし。

渡辺:R25世代って、決してネガティブなわけではないですが、将来に対して漠然とした不安を感じながら自分なりの生き方を模索している。ただ、ネットを通じて日々たくさんの情報に触れているので、こちらからプッシュしても簡単には興味を持たない傾向があると思います。“スルー力”が高いというか、合理的というか。

『新R25』はそういったターゲットの志向を理解したうえで、彼らにも響く温度感で、少しずつR25世代にポジティブな変化を起こしていくメディアをつくりたいと思っています。自分に期待できる若者を増やすことを通じて、R25世代の未来をちょっと明るくする。簡単ではないけど、やりがいのあるチャレンジです。

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