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Interview

- サイバーエージェント社員が聞く -
「10年後のトップラインを狙う」
BASE代表取締役CEO鶴岡さんが描く未来とは

切磋琢磨する社外の友人を招いて対談する本コンテンツ。
第二弾はEコマースプラットフォーム「BASE」を展開するBASE代表取締役CEO鶴岡氏を迎え、当社執行役員のシロク社長飯塚と同世代経営者としての「今と未来」を語っていただきました。

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  • 鶴岡 裕太
    1989年大分県生まれ。クラウドファンディング「CAMPFIRE」の運営を行うハイパーインターネッツ社でインターンを経験後、paperboy&co.創業者家入一真氏が立ち上げたモノづくり集団「Liverty」に参画。2012年Eコマースプラットフォームの「BASE」をリリースし、会社を設立する。社員数現在約70名。

初めて触れた同世代スタートアッパーは「My365」のメンバーだった

飯塚:僕たちの出会いってなんでしょうね?

鶴岡:飯塚さんとは数年前に若手経営者飲みで一緒になったんですよね。

飯塚:確かに、そうでしたね。鶴岡さんとは年齢も一緒で、シロクが2011年、BASEが2012年と近い時期に設立したので縁があるなと思っています。

鶴岡:実は、シロクのメンバーとは大学生の時に面識があるんですよね。クラウドファンディングの「CAMPFIRE」でインターンをしていた時、当時の社長が「『My365』というイケてるアプリを作っている大学生とランチに行く」と聞いて同席したんです。そこで会ったのが、関西から来ていた向山さん(現シロク取締役)でした。

飯塚:そんな前に接点があったんですね。

鶴岡:「自分でプロダクトを作ってるんだ、めちゃくちゃかっこいいな」と思って刺激を受けました。実は、それまで同世代のスタートアッパーって知り合う機会がなくて、僕が初めて触れたのが「My365」のメンバーなんですよ。飯塚さんが「My365」を立ち上げたきっかけは何だったんですか?

飯塚:サイバーエージェントのインターンで今のボードメンバーと出会ったんですけど、ビジネスアイデアを議論するうちに、意外と自分たちで作れるんじゃないかと思い始めて。「その辺の会社より良いサービスが生まれるかも」という過信から「My365」は始まりました(笑)。鶴岡さんが「BASE」を始めたのはどういういきさつですか?

鶴岡:「CAMPFIRE」でインターンをした後、家入一真さんが立ち上げた「Liverty」というモノづくり集団で年間10個くらいのサービスをひたすら作っていました。その時に、自分でもアイデア設計からプロダクト作りに関わりたいと思って始めたのがEコマースプラットフォームの「BASE」です。

飯塚:リリース後の初速がすごかったですよね。

鶴岡:メディアにも取り上げてもらって、想像以上に反響は大きかったですね。今は「BASE」に加えて「PAY.JP」や「PAY ID」という決済事業を展開していて、ものづくりをしている人、価値を創造している人が(自身が生み出した価値を)最適に他の価値と交換できる場所を提供しています。

※「PAY.JP」オンライン決済サービス、「PAY ID」ID型決済サービス

Twitterで出資を決めてくれた藤田さん

飯塚:BASEにはサイバーエージェントからも投資させてもらっていますよね。

鶴岡:藤田ファンドの第一号案件で2013年に出資していただきました。

飯塚:きっかけは家入さんと藤田のTwitterでのやりとりだったとか(笑)

鶴岡:そうですね(笑)藤田さんは尊敬する起業家ですし、Amebaから「BASE」への流入が多かったというのもあって、出資してもらいたいと思っていたんです。その矢先に家入さんが藤田さんと飲むというので出資の話を持ちかけてもらうようお願いしたのですが、躊躇している間に会が終わってしまったようで(笑)。
このままでは僕に悪いと思った家入さんがTwitterでお願いしたところ、「喜んで」という想定外の答えが藤田さんから返ってきました。

飯塚:その後はどうなったんですか?

鶴岡:すぐに藤田さんに会いに行ったら、その場で2億円の出資を決断して下さって。当時、色んな投資機関を回って交渉が進んでいたところもあったんです。でも、目標の調達額を2億円と伝えると、「ほかを断ってくれたらうちから全額出すよ」と。

飯塚:そこで即決したんですね。

鶴岡:でも、その後とんでもないことが起こりました(笑)。投資が正式に決まる投資委員会の前日に、Yahoo!がeコマース事業でストア出店料を無料化したんです。正直、終わったなと(笑)サイバーエージェントの投資委員会も通らないだろうし、他も全部断っていたので、資金調達をどうしようかと頭を抱えました。
そうしたら、藤田ファンドの担当者だった小野さんから電話がきて買収の提案をされたんです。出資でも断るような案件なのに、買収ですよ。本当に買収するつもりだったのか、僕が日和っているのを悟られたのか。どちらのマインドだったか分からないけど、その時に「藤田さんってやばい人だな」と思った。完全に見透かされているというか、心を読まれてる感というか。それで、当初の予定通り2億円の出資を受ける形で着地させてもらったんです。

飯塚:藤田はそういうところありますよね。

コマースのルールは必ず変わる。その瞬間いかに先頭に立てるか。

飯塚:僕から見たBASEって、リスクを取ってアクセルを踏み続けている感じがするんですよね。ちょっとした規模でまとまらないような経営をしているというか。

鶴岡:それは意識していますが、葛藤することもあります。きちんと収益を出すか、投資をしまくってトップラインを伸ばすか、今年の方針に迷った時期があって。

飯塚:今はどっちに振り切れているんですか?

鶴岡:やはりトップラインを取りに行く、ですね。収益化に興味がなく資金をつぎ込むということではなく、リターンの最大化を狙うことには経営者として責任を持ちます。ただ、BASEに関わる人が僕に期待していることって、足元の数字を達成することではない。会社の将来を見込んで投資してくれる人がいる限りは、僕もそれに応え続ける。そうじゃないとお互いの存在意義がないんです。

飯塚:最近は大型の資金調達を繰り返していますよね。

鶴岡:昨年はメルカリと資本提携をしたり、金融系数社から投資していただきました。

飯塚:投資を受けるか判断する時の投資機関の見極め方ってあるんですか?

鶴岡:藤田さんやメルカリの山田進太郎さんもそうですけど、トップがどういうマインドで投資してくれるのかは判断軸になりますね。BASEのビジネスモデルは目の前の利益を追うのではなく、5年後10年後のトップラインを狙いにいくもの。そこをどれだけ理解してくれているか。

飯塚:長期的な視点で投資してくれるかというところですね。

鶴岡:そうですね。現状のトップECプレイヤーが10年後トップのままでいるわけがないと思っていて。今後はもの作りをしている人が直接消費者に売る時代になる。
コマースのルールは必ず変わっていくので、その瞬間、いかに先頭に立てるか。的確な未来を予想して、その未来に良いプロダクトを持って待ち伏せしたいと思っています。そして、株主には100倍、1000倍のリターンを返したいですね。

「良いプロダクトを作る」その一点で僕らは勝負する。

飯塚:BASEの役員って鶴岡さんより年上の方が多いですよね。役員会は鶴岡さんが仕切るんですか?

鶴岡:僕は「はじめます」という最初の挨拶しかしないんです(笑)論理立ったもの、正解があるものは僕よりも説明が上手な役員に任せています。

飯塚:役割分担がしっかりしているんですね。

鶴岡:経営陣が僕に期待していることは「良いプロダクトを作ること」、その一点です。経営経験という意味では藤田さんや進太郎さんに絶対勝てない。「AbemaTV」みたいな規模の事業を展開する資本もない。でも、良いプロダクトを作るという点では僕らの方がアドバンテージがある。自分の持っているもので勝負すると考えた時に、そこを妥協すると僕らが僕らでいる意味がないんです。

飯塚:鶴岡さんはエンジニア出身で、自分でプロダクトを作れる経営者ですよね。メリットやデメリットはどんなところですか?

鶴岡:今の時代にプロダクトを作るのであれば、経営者がコードを書けるという要素は大きいアドバンテージ。メリットしかないと思っています。優秀なエンジニアにいかに気持ちよく働いてもらえるかという観点でも、経営者が技術を理解していることや、理解しようという姿勢が見えることは大事。それに、コードを書けるとサービスを作る楽しさを知りやすいしプロダクトが自分事になりますよね。簡単な電卓機能をつくって1人でも2人でもユーザーに使ってもらうという経験をするだけでも大きく違うと思います。

サイバーエージェントの社長になりたいと言える、えげつない才能

鶴岡:飯塚さんが今後作りたいサービスって何かありますか?

飯塚:僕の場合はサービスというより経営に興味があるんですよね。

鶴岡:なるほど。経営の醍醐味はなんですか?

飯塚:例えば、手元に1億円があった時にどんな箱に入れるか、いかにその価値を高めるかがある種経営じゃないですか。それを何の箱にするか、どのくらいの金額をどのタイミングで入れるかに興味がある。極端なことを言えば、箱の中身は何でも良いんです。

鶴岡:生粋の経営者気質なんですね。この前飯塚さんと飲んだ時に、いつかサイバーエージェントの社長になりたいと言っていて、「やべえ」と思いました。

飯塚:そうですか?(笑)

鶴岡:これほど規模の大きい組織にいて社長になりたいと思えるのって、単純にすごいなと。次世代のサイバーエージェントを担いたいというモチベーションを持てるのはえげつない才能だなと思いました。

飯塚:サイバーエージェントがそういう風土ですからね。社長になりたいと思っている人は多いと思いますよ。

鶴岡:直近はどんな仕事が一番大きいですか?

飯塚:シロクの社長業と新規事業研究会(NABRA)の他に昨年から取り組んでいる「スタートアップJJJ」も比重としては大きいですね。社内のスタートアップ子会社や事業を時価総額で評価するもので、3か月に一度事業責任者のプレゼンを聞いて、「買うならいくらつけるか」を役員会で議論します。かなり辛めでガチな金額をつけてくるんですよ(笑)

鶴岡:子会社に時価総額をつけるんですね、面白い取り組み。

飯塚:僕らの場合は潰れるリスクよりも埋没リスクがあるんですよね。社内でスタートアップをやるなら、業界ナンバーワンを取るか、ずっと業績を伸ばし続けてないと存在意義がない。80以上あるグループ会社の中できちんと目立てるように、そして社外のスタートアップとも同じ基準で戦えるようにという目的で始まった制度です。

鶴岡:サイバーエージェントは上手いですよね、そういう文化をつくるの。

飯塚:仕組みを作っていかに流行らせるか、というところは徹底していますね。先日、管轄に所属する400名が一堂に会する場を設けて時価総額を発表しましたが、その演出にかけるお金や時間、手間といったコストも惜しまずに作り込みました。結果的に、「ここからサイバーエージェントの新しい柱をつくろう」と社長陣が語り出すような、士気の高まる会になりましたね。

最前線のWebサービスを作るにはラストスパート

飯塚:BASEには応援者が沢山いる印象がありますが、一番影響を受けた経営者って誰ですか?

鶴岡:一番は家入さんですね。一年のうち360日一緒にいた時期があったくらいですから(笑)。「作りたいものがあればとりあえず作ってみなよ」といつも言われていましたが、細部へのこだわりやメッセージの含ませ方など、Webサービスの作り方は家入さんから教えてもらった部分が大きいです。飯塚さんが影響を受けた人は誰ですか?

飯塚:やっぱり藤田ですかね。不思議なくらい、社員はみんな藤田のことが好きなんですよね。

鶴岡:藤田さんが社員に好かれる理由はどこにあるんですかね?

飯塚:言ったことを必ず守ってくれますよね。僕が内定者で社長になった時も、「期待している」と言って本当に全部任せてくれた。そうすると僕は、「この人に恩を返さなきゃ」と思う。同じようなことを藤田に対して思っている社員は多いと感じますね。

鶴岡:藤田さんが僕らの年齢の時って、もう会社を上場させていますよね。そう考えると焦るし、上の世代に負けたくないという気持ちもある。

飯塚:僕たちの世代がこの業界で果たすべき役割ってなんでしょうね?

鶴岡:業界を作りあげてきた諸先輩方を超えていかないと、これからのインターネットも発展していかないですよね。若い人がWebサービスを作る意義はものすごく大きいと思っています。

飯塚:僕らって物心ついた時からインターネットに触れているので、そういう意味ではユーザー視点でサービスをつくれる最初の世代ですよね。僕たちがインターネットの可能性をもっと引き出して、利便性を享受しきれていないユーザーにもサービスを届けていくべきなんじゃないかと思います。

鶴岡:僕は、自分が最前線のWebサービスを作れるのってあと3~4年くらいだと思っているんですよね。

飯塚:あと3~4年?どうしてですか?

鶴岡:だって、VRとか見ると超酔いません?(笑)あれに酔わない世代がくるとすごいなと危機感を感じますよね。

飯塚:確かに、僕も酔いますね(笑)

鶴岡:そういう意味ではラストスパートかなという気がして。その後は、ものづくりは優秀な後輩に任せて、僕は経営に振り切っていこうと思っています。後ろの世代がもっと良いサービスを作れるように、きちんと成果を出してつなげていきたいですね。

飯塚:僕らの世代は分岐点を迎えているのかもしれないですね。これからも鶴岡さんからは刺激を受け続けるんだろうなと思います。今日はありがとうございました!

鶴岡:こちらこそ、ありがとうございました。

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