Interview

20代のうちにエンジニアが
経験しておくべきこととは?
- 30歳未満が参加条件「Battle Conference U30」開催を控えて -

3月11日(土)に開催される、30歳未満のエンジニアによる30歳未満のエンジニアのための技術カンファレンス「Battle Conference U30

「Battle Conference U30」では、若手エンジニアが所属を超え、これまで様々な領域で培ってきた技術的知見の共有や参加者同士のコミュニケーションを促進するとともに、若手エンジニアが自身の技術、事業、キャリアにおける挑戦を発表する場と、技術力をより一層向上すべく、互いに刺激を受け合うことができる場を提供します。

開催を約1か月後に控え、当社で活躍する20代の社員と40代の社員にインタビュー。
20代のうちに経験しておくべき同世代エンジニアとの交流やそこから得た刺激、そしてそれらをもとにこれまでどんなことに挑戦してきたのか、話を聞きました。

Profile

  • 馬場 惇
    28歳、アドテクスタジオ AI Lab データサイエンティスト。2014年新卒入社。内定者時代に社内版新規事業コンテストで優勝し、カテゴリ解析エンジンの開発を担当。現在は人工知能・機械学習を研究するAI Lab内でブランディング広告チーム責任者を務めている。

  • 冨樫 晃己
    26歳、AWA株式会社 プロダクトマネージャー。2013年新卒入社。サーバーサイドエンジニアとして入社し、オークションサービスなど複数のコミュニティサービスの開発を担当。2014年よりAWA株式会社に出向し、定額制音楽ストリーミングサービス「AWA」でプロダクトマネジメントとインタラクティブアニメーションの開発を兼務。

  • 白井 英
    41歳、Smartphone Games & Entertainment(SGE) CTO。大手SIerを経て、2010年中途入社。サーバーサイドエンジニアとして入社し、数々のゲーム開発に携わったのち、2014年より現職。ゲームやエンターテイメント事業に携わる子会社13社が所属する事業部SGEにて、各子会社のノウハウ展開や各社間のスムーズな連携の橋渡しの役割を担う。

メディア、広告、ゲームで活躍するそれぞれのキャリアとは

馬場:それでは白井さんから現在どういったことを担当されているか教えてください。

白井:ゲームやエンターテイメント事業の開発や運営に携わる13社の子会社が所属するSGE(Smartphone Games & Entertainment)のCTOを担当しています。各社の技術やエンジニアについて見つつも、子会社間の連携を通してSGE全体で成果を出せるようにするのが私のミッションです。
今年はSGE全体を通して新規リリースが多いので、リリースまでに問題がないかそれぞれフォローに入ったりしています。

馬場:最近はご自身でコードは書いていないんですか?

白井:プログラムのコードはあまり書いてなくて、メンテしなくて良いようなものはちょいちょい書くようにしています。引き継ぐ時間がとれないので。

馬場:それでは、冨樫さんお願いします。

冨樫:私はちょっと特殊なキャリアかなと思うのですが、元々エンジニアでしたが今は定額制音楽ストリーミングサービス「AWA」のプロダクトマネージャーとして、サービスの仕様を決めています。インタラクションを作ったりと手を動かすこともあります。

サーバーサイドエンジニアとして入社して、内定者のときから3つほどコミュニティサービスの開発を担当していました。2014年8月から「AWA」の立ち上げに参加して、当初はネイティブアプリエンジニアとしてiOSやAndroidを開発していたのですが、それぞれにもう1名ずつ担当がいて、立ち上げ当初は一人でがっつり基盤を作った方が良いだろうということで、私はデザインを行うことに。
当時の「AWA」にはまだデザイナーがいなかったので、エンジニアだった私が必死にSketchを勉強し作っていました。そして2か月後にはデザイナーがジョインしたので、じゃあ次はデザイナーに作ってもらったものに動きを加えたらどうなるか見ないと、ということでインタラクション用のモックを作り始めて、そこからインタラクションを担当することになったんです。そうするとアプリの全体像が分かるようになったので、そこから仕様書を作るようになり、結果プロダクトマネージャーになったという流れです。

馬場:最初からプロダクトマネージャーになりたいと思っていたわけではないんですか?

冨樫:元々入社したらプロデューサーになりたいと思っていて、内定者のときから人事に「エンジニアとして一人前になったらプロデューサーに転向したい」と話していました。
AWAにジョインしたときも事業責任者に「企画する人足りなくないですか?」とちょくちょく言ってみたりしましたね。

学生時代からサービス作りが好きで、周りに作れる人がいなかったので自分で作るしかないと思ってエンジニアになったという、少し変わったキャリアかもしれないです。

馬場:私は今アドテクスタジオ内の人工知能・機械学習を研究するAI Labで、データサイエンティストとしてロジック開発に携わっています。AI Labの中で機械学習や統計学を取り入れる一つのチームの責任者でもあります。
産学連携を強化しているAILabでは、現在6つの大学とAI分野において研究を行っており、私はそのうちの2つの研究室とブランディング広告配信のロジックについて共同研究を進めています。

内定者のときにアドテクスタジオ内で新規事業コンテストがあって、同期とカテゴリ解析エンジンについての提案をしたところ優勝することができ、そこから新卒3人でチームをつくりました。実はこれがアドテクスタジオにおいて一番最初にできたデータ分析の研究組織だったんです。

そこから新卒だけでスマートフォン広告のCTRやCVR予測を行う研究を開始したものの、なかなか効果が出なくて事業貢献できずにいました。当時は新卒だけでやっていたこともあり、なかなか周りのエンジニアとコミュニケーションがとれていなかったので、今度は横断的なデータ解析チームを皆で一緒につくることにしました。それが今のAI Labの前身です。
その後、もっと研究領域を強化しようということで AI Labが設立され、現在はAI Lab内のブランディング広告チームで配信ロジックの開発を行っています。

アドテクスタジオでの分析・開発以外にも、最近では全社の取り組みに参加させてもらう機会も増えてきて、若手だけの技術カンファレンスを実施したいと提案し、いまは「Battle Conference U30」の運営に携わっています。

社外のエンジニアとの交流を通して、枠外の発想を得るきっかけに

馬場:白井さんはどんな20代を過ごしていたんですか?

白井:サイバーエージェントは3社目なのですが、20代は1社目のSIerでWebよりのシステムを担当していました。当時は画期的だったんですが(笑)大学の履修登録をブラウザでできるようにするシステムです。私が大学生のときなんて、教授に紙を渡してましたからね(笑)

SIerでもWeb寄りのシステムを担当している時はコードを書くことが多くて、ひたすらコードを書いていました。20代後半は仕様書を書きまくっていたので、エクセルがお友達という感じでしたが。
当時の自分の技術力はまだまだ未熟で、自分が書いたコードを1年後にメンテするときに「こんなイケてないコード誰が書いたんだ」と思っていたら自分が書いたものだったりして(笑)
言語としては、JavaやOracleを使っていました。納品するシステムにオープンソースを使うのは難しくて、Oracleの製品を利用することが多かったです。

馬場:20代の頃から積極的に技術コミュニティに参加していましたか?

白井:当時は仙台にいたのでほとんどそういうコミュニティはありませんでした。Railsのコミュニティだけあって、そこにはたまに顔を出していましたね。
今のように勉強会やイベントの開催情報に関するプラットフォームがなくて、人づてに聞くことが多かったんですが、東京は毎週色々やってて華やかだなぁと羨ましく思っていました。

サイバーエージェントに転職した2010年のタイミングで東京に住むようになり、最初の1-2年は多くの勉強会に参加するようにしていました。特にappengine ja nightにはよく顔を出していましたね。

馬場:冨樫さんの学生時代はどうでした?

冨樫:私は元々山形に住んでいて大学で東京に出てきたのですが、勉強会やイベントが頻繁に開催されているとは全く知らなかったんです。
学生の頃から暇な時間が嫌いだったので、自分でアプリを作っていましたが周りにそういう人がいなかったので、フォトショから独学で勉強していましたね。サークルの先輩にたまたまサイバーエージェントの先輩がいたので、ちょくちょく聞いたりしてはいましたが、開発で行き詰るとひたすらググるしかなく…辛かったです(笑)

馬場:今はよく参加していますか?

冨樫:たまに参加もしますが、プロダクトマネージャーになってからは登壇させていただくことの方が多いかもしれません。 プロダクトマネージャーといっても、まだまだ名ばかりかもしれませんが…(笑)

馬場:プロダクトマネージャー界隈は最近熱いですもんね。先日「Japan Product Manager Conference」が開催されましたが、ああいうイベントがようやく出てきた感じです。

冨樫:馬場くんは?

馬場:私は大学のときは一切参加しなくて、サイバーエージェントのインターンを受けてから周囲のインターン生が積極的に参加していることを知り、彼らとの共通言語がほしくて参加するようになりました。当時はネイティブアプリのカンファレンスに行ったりしていましたね。 入社してから、先ほどお話したように新卒だけで研究組織を立ち上げることになり、大学時代は学会にも2回くらいしか論文を出したことないレベルだったのでこれはまずいと思い、アドテクスタジオの研修制度で1年目から国際カンファレンスに行かせてもらいました。入社3年目ですが、すでに5回ほど参加させてもらっています。

国際カンファレンスに参加するうちに、まずはそういう場に行くことが大切なんだということを痛感しました。自分が何を知らないのか知るだけでも大きな一歩になりますし、そこで知らなかった単語を耳にするだけでもその後の意識ががらっと変わるように思います。

白井:20代ってけっこういたの?

馬場:国際学会では、日本人は比較的30代以上の世代の方々が多いように思いました。准教授や助教の方が研究室のアウトプットとして参加されていて、一研究者として参加している20代の人たちは見受けられなかったですね。
ただ中国や欧米出身の若い世代は多くいて、特に中国系の若い技術者のバイタリティには驚きました。怖いもの知らずでこういった場に出ていくことが何よりも大事なんだと痛感しまして、自分ももっとアウトプットしていかなければと思ったんです。

最近よく「足跡を残したい」という言葉を使っているんですが、若いうちから研究業績を少しずつ増やせるように積極的に動いていきたいです。

冨樫:あわよくば爪痕も残していきたいですよね。
白井さんはカンファレンスなどに参加する中で、同世代と交流しますか?

白井:見た目だけでは年齢が分からないというのはありますが、毎年行っているPHPカンファレンスでは、自分より年上かなという方も見かける気がします。でも同世代の方も多いかな。

SGEのゲームは基本的にPHPを使っているプロジェクトが多いのですが、5年ほど前にカンファレンスで参加者の方々と話していた時に「ゲームの負荷をCakePHPでさばいているのってチャレンジングですね」という声をもらうことがあって、社外の方から見るとそうなんだと驚きました。当時フレームワークとしてCakePHPを選択していたのですが、自分たちはCakePHPを使って負荷をさばいていることについて特に珍しいと思っていなかったので、社外の方と話してみないとわからないことは多いんだなと感じたんです。
その会話の中で、ぜひ登壇してみたらどうですかと提案をいただいたりしました。その時に感じたのは、登壇者と参加者の差ってそんなに大きな差がないということです。
上京する前仙台にいたころは、大きなカンファレンスで登壇する人ってまるで雲の上の人のように感じていたので、なおさら強く感じました。

冨樫:確かにそうですね。以前「AWA」のUXについて話す機会をいただいたときに、「どうしてそういう動きにしたんですか」と質問されたことがあって、自分たちにとっては当たり前でも社外の方から見るとそういう視点もあるんだと参考になりました。

その他にも先日音楽×ITのハッカソンがあり、「AWA」として協賛させてもらったので審査員として参加したのですが、とあるチームが音楽を再生しながらその楽曲のムードに合ったミックスジュースを自動作成するという取り組みを行っていました。ゆったりした曲調だと甘い味とか、激しい音だと酸っぱい味といったように再現するんです。私は普段アプリ開発というソフトしか作ってきていないので、こんな発想は絶対に思いつかないと感じました。日々目の前の開発に取り組むだけでは分からない気づきや知識って確実にありますよね。

馬場:自分の枠の外の発想が芽生えますよね。
今AI Labでもチャットボット事業に取り組んでいますが、以前参加した研究会で大手百貨店で行ったロボットの店舗活用について発表している方がいて。人間の店員よりもロボットの売り上げ実績の方が高かったそうなんですが、そういう今すぐスケールするかどうかというところよりも、5年後10年後の視点でユニークなことをやっている人たちがいるんだと知り、非常におもしろかったです。

普通だと、それってビジネスにならないんじゃないか、という短期的な発想になってしまいますが、2年後は成果にならなくても3年後にはバカ売れしている可能性がある。社外の方々と触れ合うとそういう発想や体験ができるのが良いですよね。

白井さんは、これまで社外の方との交流を通して刺激を得たり、何か今に活きていることってありますか?

白井:カンファレンスで自分より若いエンジニアが発表することはよくあるんですが、開発年数では自分の方が圧倒的に上なのに、短い期間でこんなに成果が出せるようになるんだということを目の当たりにすると、若いからなのかもしれないですが、いつスタートしてもある程度成果は出せるんだと刺激を受けますね。

なので私自身も年齢に関係なく、なるべく人がやっていない新しい分野なら勝てるんじゃないかと思って、常に新たな分野をウォッチするようにしています。

馬場:エンジニアの場合、技術領域が広いというか細かな領域が多い分、どんな小さな分野でもここだけは負けない、みたいな強さがあると若手でもバリューがあると思います。
 

ささいな挑戦でもアウトプットすることの大切さ

冨樫:白井さんがCTOとしてSGEの若手を見ていて、伸びるなと思うのはやっぱり新しいことに積極的に取り組んでいる人ですか?

白井:そうとも限らないと思っています。ただ、おじさん的意見になっちゃいますが(笑)今の新卒は入社する時点でUnityを触っていたりするので、技術の吸収力とかそもそものスタート地点が引きあがっているのは感じますね。ゲーム事業全体にとっては素晴らしいことだけど、真っ向勝負したらこっちが負けちゃうかもしれないなぁと(笑)

馬場:以前新卒向けの勉強会に出たときに、一つだけ身に付けるべき技術を挙げるとしたら?という質問があったんですが、とある先輩エンジニアが「新しい技術を身に付ける技術」と言っていたんですね、これを身に付けていないと生きていけないと。それに関しては私もすごく共感しています。

冨樫さんは最近何か新しい技術に取り組んでいますか?

冨樫:プロダクトマネージャーになってから、昔に比べてコードを書く時間は減っているのですが、新しいものが出てきたらとにかく使ってみるようにしています。Swift 3が出たときもインタラクション用のモックをすぐにSwift 3に書き換えましたし、LinuxのUbuntu OSを搭載したボタンのないスマートフォンが出たときもまず買ってみました。特にインタラクションでよく用いるアニメーションは様々な技術を駆使して実現するので、新しいデバイスや機能が登場したときは、まずは触ってみないと使いやすくするための発想の幅が狭くなっていってしまうんですよね。

新しい技術というわけではないですが、OpenGLを使って水の表現を用いたインタラクションを作ってみたりもしたんですが、その過程で「Metal」という新しい技術を発見して。簡単にいうとApple版OpenGLなんですが、OpenGLと何が違うんだろうと思いながらやってみて、iPhoneのCPUとGPUの距離が近いことを利用しているため圧倒的に処理速度が速い、という特徴を持ってることがわかりました。実際にすごく重そうなインタラクションを作ってみてもヌルヌル動くんです。

そのような感じで取り組んでいるので、新しい技術を知るためというよりも、実現したいことが最初にあって、その過程で気づいたら新しい技術に触れている場合が多いですね。水っぽい表現って気持ち良いからインタラクションに活かせないかな、でもそれを実現するにはどうしたらいいんだろうという感じです。OpenGLやMetalというのは手段に過ぎないので、その時々でユーザー体験として最適な技術を取り入れるようにしています。そうやって作ったものはチーム全体に共有して触ってもらうようにしています。
 

馬場:新しいことに取り組んだら、その結果をしっかりアウトプットするところまでやりきることが大事ですよね、日々の業務に追われているとなかなか難しいですが…。アドテクスタジオでは最近「ホワイトペーパープロジェクト」と題して、たとえば簡単な集計での分析など小さなものでも1ページか2ページの論文形式にする取り組みを始めています。書き上げたものはまとめて冊子にする予定です。研究開発って社内でも何をしているのか分かりにくいので、この論文を見れば第三者がすぐに理解できるようにしたいなと思い、始めた取り組みです。

とにかく何らかの形にして出すことのプロセスって大切だなと思いますね。 白井さんも何か新しいことに挑戦していますか?

白井:私自身は、サーバーサイドのエンジニアですが、インフラもそこそこ触れるので環境構築とか開発フローを楽にできるようなものを考えています。
今だとDockerをきちんと開発フローにいれたら開発が早くなるのではと思い、開発中のプロジェクトで取り入れているところです。
これでゲーム業界でDockerの運用実績ができたら変わるかなと。スマホゲームの運用では時間あたりのアクセス数が多いため、ゲームで運用実績ができると世の中のどんなサービスでも使えると思っていて、そういった新しい技術要素を使った実績をSGEから出していきたいと思っています。
 

馬場:他のサービスの実用例や実績って一つの基準になりますよね。

今回の「Battle Conference U30」では色々な企業の方に登壇いただきますが、リクルートさんやヤフーさん、楽天さんなど大規模サービスを提供する会社がどんな技術を使っているのかは、純粋に気になります。
その他にもたとえばDonuts所属のエンジニアにも登壇いただきますが、MixChannelのような動画サービスの技術選定や導入経緯についても知りたいですね。

ぜひ多くの20代のエンジニアに「Battle Conference U30」に参加いただき、若手エンジニア同士のコミュニケーションを通して気づきや刺激を得て、それがどんなささいな挑戦でも良いので皆さんの新たな一歩に結びついたら嬉しいですね。
 

Battle Conference U30では、みなさんのご応募をお待ちしております!
詳細はぜひ公式サイトをご覧くださいませ。

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