Other

苦境の脱し方

以前この連載で、RTDマンスリーリーグの開幕から「放送対局5連続ラス、そこからどう立て直すかが腕の見せ所」と締めくくった回がありました。先日予選すべての放送を終えましたが、結果予選通過ボーダーまでポイントを戻しました。もちろん原稿を書いたのは対局前です。

予選7節中、2節を終えた時点でマイナス300を超える断ラスに沈んだ私のゲームプランは、「一気に取り返そうとするのではなく、1節に50ずつプラスするイメージで、最終節にチャンスが残れば良い」というものでしたがその通りになりました。結果論で言っているわけではなく、事前インタビューでもそう答えています。

5連続ラスというのはそう滅多にあることではないですが、誰にでも起こり得ることです。逆に5連続トップを取ることもありますが、同じ確率で起きると考えていいでしょう。俯瞰した立場でこうして書くと当たり前の話に感じるかもしれませんが、連敗の渦中にいる当人が、心中穏やかでいるのは簡単なことではありません。私はそのことを仕事から学んで知っていました。

2000年頃、インターネットバブル真っ只中にサイバーエージェントは上場しました。ところが上場直後にバブルは崩壊し、株価は急落、当時の業績は赤字で、週刊誌やネットで激しくバッシングされ、社長である私は株主からの怒りだけでなく、取引先からも反感を買い、従業員からは不信感を持たれていました。

当時の私は、何が問題なのかといろんな人のアドバイスを聞いて、迷い、右へ左へブレていました。そのせいで状況はさらに悪化、会社を手放すギリギリのところまで追い詰められていたのですが、最終的に私を救ったのは「信念を貫けよ」の一言でした。

今では想像し難いですが、業績低迷中の経営者を外から見ると、やることなすこと間違っているように見えます。そして周りを取り巻く人は様々な立場で様々な意見を言ってきます。それをいちいちまともに真に受けていたら軸がぶれるのは当たり前です。

麻雀も、連敗して自信を喪失している時に誰かにアドバイスをもらっても、それは参考程度にしかなりません。自分の「麻雀観」は自分だけのものであり、他人にはわからないものです。偶然の確立で連敗に遭遇した時、いかに自分の信念を貫けるか、それが麻雀にも人生にも通じる苦境の脱し方なのです。

「近代麻雀」2016年8月15日発売号に掲載

「近代麻雀」で連載中!「仕事が麻雀で麻雀が仕事」

サイバーエージェントのオフィシャルSNSアカウントをフォロー

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
Page Top