Interview

次世代のサイバーエージェントを
担う事業を生み出したい

Profile

  • 飯塚勇太
    株式会社シロク 代表取締役社長
    株式会社ハシゴ 代表取締役社長


    2012年入社。学生時代に写真共有アプリ「My365」を開発、サイバーエージェント内定者の時に子会社として株式会社シロク設立、代表取締役社長就任。2014年11月より株式会社ハシゴ代表取締役社長。2015年7月より、サイバーエージェント内新規事業研究会責任者。

経営者本を読み漁った高校時代

学生のときから、いつか起業したいと思っていました。2004年の楽天とライブドアの新規球団参入騒動のとき、僕は中学生。それがきっかけでベンチャー企業や経営者に興味を持ち、高校生のときは当社社長である藤田の自叙伝「渋谷ではたらく社長の告白」をはじめ、様々な経営者の本を読んだり、経営者ブログや各社の決算資料を見たりしていました。新しいサービスやビジネスを考えるのが好きで、大学生の時は顧客集客の企画を資格スクールに売り込み、実際に実行することで100万円規模の報酬を得たことも。ベンチャー企業を中心に就職活動を行い、2012年4月入社の新入社員としてサイバーエージェントへの入社を決めました。

趣味で作ったアプリがヒット 21歳で内定者社長に

「My365を会社化しない?」 藤田からそう声をかけられたのは、サイバーエージェントの内定者だった大学4年生のとき、2011年12月でした。同じく内定者として仲良くなった4人で「学生最後の思い出に」と作った写真共有アプリ「My365」。2011年10月のアプリリリースから10日間でいきなり10万ダウンロードを突破し、それを聞きつけた藤田から、冒頭の言葉をかけられたのです。アプリを作った4人でサイバーエージェントの子会社としてシロクを設立。私が社長に就任することに。写真をアップするという習慣がなかった男子学生4人が「これなら自分でも毎日アップする」と作ったサービスは半年間で100万ダウンロードを突破、最終的には400万ダウンロードという規模にまで成長しましたが、2012年当時Facebookに買収されたばかりの「Instagram」と比べると成長スピードは遅く、収益化は難しいのではないか、次第にそう思うようになりました。

キャッシュが尽きたら会社を解散

シロクの社名の由来は、「白」と「黒」という2つの色。収益を生み出すという事と、作りたいサービスを作るという両立が難しい両側面を、白と黒という相反する色に重ねて考えた社名です。収益化して会社を成長させるのは当然と考えていたからこそ、「My365」で勝負し続けるのは難しいと判断し、2013年4月に新規事業としてスマートフォン向けのアバターアプリを提供。サイバーエージェントが運営する「アメーバピグ」が人気だった背景のなか、アプリで提供すれば可能性があるのではないか、という考えの下でした。しかし、これが大失敗。会社のキャッシュもあと残り数百万円というところまで追い詰められ、「これ以上増資も融資もできない」との宣告を受けるというところまで来たのです。

合宿で考えついた新たなビジネスの芽

そのときに実施したのが徹底的なコストカット。コストを一つ一つ見直し、オフィスを渋谷マークシティからもっと坪単価の低いオフィスビルに引越し。引越し会社を使わずすべて自分たちで荷物を運びました。キャッシュが尽きたら会社を解散するしかない、という2013年の初夏。僕を含め「My365」の立ち上げメンバーであり、シロクの役員でもある4人が集まり、今後の事業について考えた合宿で挙がったのが、BtoC事業からBtoB事業への転換でした。「My365」を運営する上で培った、ユーザーの継続率を上げたり、離脱を防止するためにプッシュ通知を最適化するというノウハウを活かし、スマートフォンのプッシュ通知解析サービス「Growth Push」を開発。自分たちの経験が活きるというのはもちろん、市場に使いたいと思うサービスがなく、スマートフォンアプリがこれだけ増えている中、これはビジネスになると考えたのです。

他に類を見ないBtoC事業からBtoB事業への転換

そうしてBtoC事業からBtoB事業へ転換。サイバーエージェントしかり、業界を見回してみても逆の例こそありますが、このような業態変更を遂げた会社は見当たりませんでした。学生のときにアプリを開発し、1年半。それまではユーザーにとって便利で使いたくなるサービスはどんなものかをずっと考えてきたところから一転、自分も、メンバーも、みな意識を変えなければいけませんでした。何より、「My365」への愛着があり、事業転換に抵抗があるメンバーもいたかもしれません。ただ、会社を存続するためにはそんなことも言ってられない。僕自身、営業経験もありませんでしたが、スーツを着て、自ら率先して営業に出ていました。リリースして1日で100ものアプリから問い合わせがあり、「My365」と同様「イケる」という手ごたえを感じました。

意思統一の秘訣は率直に話すこと

今は「Growth Push」をはじめとするアプリ運営者向けの支援ツールを提供し、年間数億円の営業利益を出すまでになりました。経営で心がけているのは率直に話すこと。業態変更のときも、社員全員を集めて、今これだけしかキャッシュが無いからこのままだと会社は解散せざるを得ない、とはっきり伝えたからこそ、180度違う事業への転換もメンバー全員で乗り越えられのだと思います。

上には上がいる環境が闘志を生み出す

学生時代から起業したいと思っていましたが、ほかの会社に入社していたら、今も一社員として働いている気がします。この4年弱と同じ経験をするには、自分で起業するしかありませんが、そうしていたら失敗していたでょうね(笑)やはりメンバーに恵まれたのと、身近に相談できる経営者がいるというのは大きい。あと、僕自身、独立して起業するより、サイバーエージェントグループにいることがより魅力的なんです。なぜかというと、目線を常に上げ続けられるから。サイバーエージェントではすべての事業や子会社が「CAJJプログラム」で10段階にランキング化されていて、シロクは黒字事業のJ5。ただし、トップであるJ1は年間100億円の営業利益規模の事業です。独立企業だったら、いまのシロクの利益規模でも上場している会社はたくさんありますが、サイバーエージェントグループの中にいることで、上には上がいるということを常に実感させられます。もっと頑張らないと存在感が生まれないし、目線を上げざるを得ない。なかなか自分たちに満足できない状況という方が、やる気がでますね。

新規事業発掘の責任者に 将来の会社の柱を生み出したい

現在は、シロクハシゴという2社の社長とともに、サイバーエージェント内で新規事業を生むための取り組みである新規事業研究会(NABRA)の責任者を務めています。サイバーエージェントは「小さく生んで大きく育てる」の言葉のとおり、常に新規事業を創出し、それを成長させ、会社を拡大してきたという歴史があります。今までサイバーエージェントが手がけていなくても、まだまだ有望な分野があるはず。その種を見つけ、将来の有望事業と事業責任者を発掘することで、インターネット広告やゲーム、Amebaに続く、新たな事業の柱を生み出したい。そう思っています。
 

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