プレスリリース

AI Lab、推薦システム分野のトップカンファレンス「RecSys 2026」にて論文採択

AI

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、東証プライム市場:証券コード4751)は、AI技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の冨田燿志による論文が、推薦システム分野の国際会議「RecSys 2026※1」の本会議に採択されたことをお知らせいたします。
「RecSys」は推薦システムに関わる世界中の研究者やエンジニアが集う国際会議で、機械学習やデータサイエンスの応用に関して「KDD」「SIGIR」※2などと並び権威のある国際会議です。採択された論文は、2026年9月28日から10月2日にアメリカで開催される「RecSys 2026」にて発表予定です。
■研究背景
「AI Lab」では、マーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取り組んでいます。
機械学習領域の研究チームでは、プラットフォームにおけるユーザー体験や満足度を高める「意思決定戦略」や、実社会でAIを安定稼働させるための「学習理論」の基礎研究を進めています。これらの知見は、当社が提供する各種サービスの健全な成長や、予測モデルの信頼性向上を通じた社会実装に直結するものです。

■採択された論文について

MODE: Mutual Optimality in Direct Effects of Reciprocal Recommendations in Matching Markets

著者:冨田燿志(サイバーエージェント AI Lab)


求人紹介サービスやオンラインデーティングをはじめとするマッチングプラットフォームにおいて、ユーザーに他のユーザーを推薦する「相互推薦システム(Reciprocal Recommender Systems)」はサービスの根幹を支える技術です。相互推薦システムの分野では、特定ユーザーへの機会の偏りを抑制することでプラットフォーム全体のマッチ数を増やすことを企図する手法が研究されてきましたが、従来の手法では一部ユーザーにとって非最適な推薦が行われ、満足度の低下に繋がりうる点が課題とされていました。

本研究では、他ユーザーへの推薦状況を前提としたときに、各ユーザーが自身にとって最も好ましい推薦を受けている状態を推薦の「直接効果の相互最適性」として定義しました。この相互最適な状態を実現する推薦を算出することで、全ユーザーの満足度とプラットフォーム全体の高いマッチ率を両立させる新手法「MODE」を提案しました。シミュレーション実験において、提案手法は各ユーザーに最適な推薦を行うことで高いユーザー満足度を実現するとともに、プラットフォーム全体のマッチ数においても優れた性能を示しました。さらに既存手法と比較して高速に動作するため、大規模なデータセットにおいても処理が可能であることを実証しました。

■今後

本研究の成果は、当社の連結子会社である株式会社タップルが運営するマッチングアプリ「タップル」をはじめとした実サービスへの活用等が期待されます。
「AI Lab」は今後もビジネス・社会課題の解決に向けたAI技術をプロダクトに取り入れるとともに、技術発展と学術発展に貢献するべく、研究・開発に努めてまいります。


※1 The ACM Conference on Recommender Systems
※2 「KDD」ACM SIGKDD Conference on Knowledge Discovery and Data Mining
        「SIGIR」International ACM SIGIR Conference on Research and Development in Information Retrieval