
プレスリリース
AI Lab、15体のアバターロボットを1人で遠隔運用する施設案内の実証実験を実施
移動型ロボットが巡回収集した最新情報を案内ロボットに反映、オペレーターは現地に行かず接客対応の拡張を検証
本実証実験は大阪南港ATCを実証フィールドとし、広大かつ複雑な施設環境において、アバターロボットが膨大な案内マニュアルや日々変化する施設情報を踏まえたきめ細かな案内が可能かを検証します。
近年、少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化するなか、日本の持続的な発展には、若者から高齢者まで年齢・背景・価値観を問わず、多様な人々がライフスタイルに応じて社会参画できる環境の実現が求められています。
このような課題に対し、内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発事業」では、人が身体・脳・空間・時間の制約から解放される社会の実現を目標に掲げており、これまで「AI Lab」と大阪大学大学院基礎工学研究科の先端知能システム(サイバーエージェント)共同研究講座では、同事業の一環として「遠隔ロボットで働く」をテーマに実証実験を継続してまいりました。
これまでの実証では、1人のオペレーターが5体の設置型アバターを直接操作し、生産性向上や業務効率化の可能性を検証してきました。
今回はその発展として、自律制御で動作する15体のアバター群を、1人のオペレーターが統合的に遠隔制御することで、接客のパフォーマンスを大幅に拡張できるかを検証します。
■概要
本仕組みは大規模言語モデルを基盤とした制御方式を採用し※3、実環境における実践的な施設案内サービスを提供できるかを検証します。
各アバターは2026年2月21日(土)から3月8日(日)※4の期間 、大阪南港ATCの広大な敷地内に分散配置し、テナント店舗や展示イベント情報、施設設備の詳細案内や道案内など、多岐にわたる案内業務を担います。
案内業務の遂行には、来訪者の質問や現場状況に応じた柔軟な案内内容の変化に加え、現場での失敗や対応履歴をもとに、正しい業務知識の継続的な学習・更新が重要です。
本実証では、設置型自律接客アバター「SAI-CA(サイカ)」と移動型情報収集アバター「MAI-CA(マイカ)」の2種類を活用します。移動型情報収集アバターが現地を巡回して収集した最新の施設情報や状況変化を、遠隔地にいるオペレーターが即座に把握・整理。オペレーターが現地に赴くことなく、詳細な最新情報を設置型自律接客アバターの案内に反映する運用の実現を目指します。
本プロジェクトで蓄積した知見を広く共有し、実社会におけるロボット活用の可能性を広げるとともに、速やかな社会実装に貢献します。
今後も「AI Lab」と大阪大学大学院基礎工学研究科は、共同研究講座における実証を通じて得た知見をもとにロボットによる遠隔対話の研究を推進し、実用化に向けた取り組みを加速してまいります。
※1
2017年4月1日より発足した、サイバーエージェントAI Labと大阪大学大学院基礎工学研究科石黒浩教授との共同研究講座。人と社会において調和的に関わることが出来る、ロボットを含めた対話エージェントの実現に向けた基礎技術の確立および、人の持つ対話能力に関する科学的な知見の獲得を目指しています。
※2
「ムーンショット型研究開発事業」および石黒教授のプロジェクトについて
■ムーンショット型研究開発制度
超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進する制度
■ムーンショット目標1
2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
■研究開発プロジェクト「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会の実現」
プロジェクトマネージャー(PM) 石黒 浩(大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授)
研究開発プロジェクト概要:利用者の反応をみて行動するホスピタリティ豊かな対話行動ができる複数のサイバネティックアバターを自在に遠隔操作して、現場に行かなくても多様な社会活動(仕事、教育、医療、日常等)に参画できることを実現します。2050年には、場所の選び方、時間の使い方、人間の能力の拡張において、生活様式が劇的に変革する、社会とバランスのとれたアバター共生社会を実現します。
※3
複数の遠隔接客アバターを効率的に運用する技術で特許を取得済み
※4
実証期間のうち、移動型情報収集アバター「MAI-CA(マイカ)」は2月23日(月)から26日(木)・3月2日(月)から3月5日(木)の計8日間のみ稼働します。