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オンラインでの悩み相談におけるアバターを使った非言語コミュニケーションの重要性を明らかに。秋葉原ラボ所属エンジニアの論文が、Webとソーシャルメディアの国際会議「ICWSM」にて採択

サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)は、メディア事業における研究開発組織である「秋葉原ラボ」に所属する高野雅典・角田孝昭の論文「Self-Disclosure of Bullying Experiences and Social Support in Avatar Communication: Analysis of Verbal and Nonverbal Communications」がソーシャルメディア研究を扱う国際会議「 The 13th International AAAI Conference on Web and Social Media (ICWSM-2019)」に採択されたことをお知らせいたします。

◾️研究背景
「秋葉原ラボ」ではこれまで当社が運営するメディアサービスをユーザーの皆さまに安心・安全に楽しんでいただけるような機能の研究・開発を進めております。近年、インターネットの普及・IT技術の向上により、インターネット空間と現実世界は融合しつつあり、現実世界の課題をインターネット空間で検知し、解決する可能性が高まっております。このような背景のもと、秋葉原ラボでは「インターネット空間における人間行動の理解」を目的とした計算社会科学(※1)の研究に取り組んでいます。

◾️論文研究の説明、概要
社会的生活の中でヒトは他者を様々な形で支援し、また支援を受けます。この物質的・心理的支援を「ソーシャルサポート」と言い、これはインターネットを介したコミュニケーションでも発生します。
今回採択された論文では、社会的課題でもある「現実世界のいじめに関する相談」に着目しました。当社で運営するアバターコミュニケーションアプリ「ピグパーティ」をインターネット上の仮想的な社会と見立て、そこでの相談とソーシャルサポートにおける環境と振る舞いに関して統計的に分析した結果、次の2点が明らかになりました。

1) アバターの表情や身振りによる豊かな感情表現は、被害の告白(自己開示)とそれに対するソーシャルサポートにおいて、いじめによる心の傷の告白やそれに対する共感として重要な役割を果たすこと

2) それらが効果的に発揮されるのは「閉じた空間で少人数の友人とのやりとり」であることがわかりました。


◾️今後の展望
本研究により自己開示とソーシャルサポートにおけるアバターを介したコミュニケーションの重要性が示されました。この知見に基づき、当社が提供するメディアサービスにおいても、自己開示とソーシャルサポートを促すことで、ユーザーの現実世界の問題を緩和するような「場」としての役割も担えるサービスづくりを目指した研究を進めてまいります。

(※1)計算社会科学とはソーシャルビッグデータの分析・モデル化によって人や社会の性質の理解を目指す学際領域です。

関連組織

▪️秋葉原ラボ
秋葉原ラボは大規模データ処理やデータ分析、機械学習などを専門とするエンジニア約40名が在籍する研究開発組織です。サイバーエージェントのメディアサービスから得られるデータを活用することで、メディアサービスと会社の発展に寄与することを目的として2011年4月、秋葉原にオフィスを開設しました。