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  • Makuakeを日本一のクラウドファンディングにしたプラットフォームデザイン戦略
  • Interview
  • 2017.4. 3
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Makuakeを日本一の
クラウドファンディングにした
プラットフォームデザイン戦略

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    中山 亮太郎
    2006年入社。社長アシスタントやメディア事業の立ち上げを経て、2010年からはベトナムにベンチャーキャピタリストとして赴任し現地のネット系スタートアップへの投資を実行。2013年に帰国。株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングを設立し代表取締役社長に就任。同年クラウドファンディングサービス「Makuake」をリリース。

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    佐藤 啓
    2012年中途入社。TMN→QunnApp→GRIPHONEを経てMakuakeに参画。ロゴやインターフェース構築に始まり、クリエイティブ全般のデザインを担当。

Makuakeは2017年3月現在、資金調達額が1,000万円以上を超える大規模プロジェクトが40件を突破、合計プロジェクト数は2,000件を超えました。サービスリリースから3年半たった今、日本一のクラウドファンディング プラットフォームとして市場を牽引しています。

そのMakuakeで、デザイナーがブランディングに関わったプロジェクトが、出資金額9000万円以上、目標達成率9000%を超える記録を残しています。

小さなボディにフルオーケストラ。Hi-Fiサウンドの完全ワイヤレスイヤホンAir

Makuakeの成長にとって、デザインは欠かせない要素と語るのは代表取締役社長の中山。Makuakeを日本一のクラウドファンディングに導いた要因はどこにあるのでしょうか。

「世の中にまだない」を生み出し続けるクラウドファンディング Makuake

Makuakeが成長していく過程で、デザインはどのように事業貢献したのでしょうか。

佐藤:4年前はクラウドファンディングというサービス自体の認知が低く、サイトに掲載しても何のことか理解されませんでした。「夢を応援しよう」と打ち出しても、クラウドファンディングで支援するという文化が定着していないので、何のサービスなのかも理解を得られていなかったんです。例えば、どういったサービスなのか知ってもらうために動画を掲載しても、ほぼ見られずに離脱されてしまうこともありました。

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初期のMakuakeサイト

そのため、Makuakeのサイトデザインを通じてビジネスモデルを丁寧に説明する必要があったことを覚えています。今でこそプロジェクトがたくさんあって事業を説明できるのですが、Makuake開始時はプロジェクトは10個もないくらいでした。だから、プロジェクトが生まれたらまずリリースし、早い速度で改善しつつ、丁寧にサービス自体の説明をしていく打ち出しを心がけていました。

中山:Makuakeの成長とともに佐藤のミッションも変化していきました。今ではサイトデザインだけでなく、掲載プロジェクトのプレゼンテーションのデザインにも関わるようになりデザイナーとしての幅が広がりました。最近では、プロジェクトのコピーライティングにも関わることもあります。

佐藤:Makuakeはプロジェクトごとに様々なオーナーがいます。みなさん自分のアツいアイデアをもっていますが、当然デザイン経験者ではないので、画像制作をはじめとしてPRする方法を知らない方が多いです。だから、ソーシャルのフィードに流れる0.2秒の間に人の目に留まるため、デザインだけでなくコピーライティングも考えて提案するようになりました。

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※Makuake支援金ランキング1位のAir (2017年3月時点)
※キャッチコピーや背景違いなどの8案を提案。キービジュアルに採用されなかったものを、FaceBook広告に活用。

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Makuakeで人気のMIN7。目標金額300万のall or nothing、リターン単価6万以上にも関わらず既に達成。キャッチコピー、キービジュアル、リターン画像、タイトル画像を製作。文字色の変遷で割引率を表現

中山:PRに関わったプロジェクトが、資金調達を達成して世の中に出ていく過程を見れたのもデザイナーとして成長できた要因だったと思います。

佐藤:そうですね。Makuakeから生まれたプロジェクトを自分たちの働く渋谷で目にすることができました。それこそ「この世界の片隅に」が渋谷の映画館で上映してたり、道玄坂をくだって行けば時間無制限・3000円で日本酒100種類が飲み比べし放題の「KURAND」」でおいしいお酒が飲めます。普段、身につけているKnotという時計は、今ではマルイに普通に売られるようになりました。

1個1個のプロジェクトにストーリーがあって、支援の声がメディアにのってテレビで紹介されていくのがクラウドファンディングのおもしろさですよね。中でも、自分がデザインで関わったプロジェクトがテレビに出ると「デザインしてよかったな~」という気持ちになります。

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デザインやキャッチコピーで関わった人気プロジェクト

Makuakeを日本一のクラウドファンディングに導いたプラットフォームデザイン戦略とは?

掲載するプロジェクトを魅力的に伝えるために、プラットフォームデザイン戦略に力を入れているそうですね。

中山:クラウドファンディングというプラットフォームにおけるサイトデザインは、掲載するプロジェクトの種類や量に左右されます。ただ単純に格好良いデザインにすれば良いというわけではないのが難しいところです。

佐藤:支援者の方はMakuakeを見に来ているようで、プロジェクトを見に来ているんですね。その応援したい気持ちを削がないようにしています。支援者がプロジェクトの1個1個の世界観に入れているか、求めている体験を得られているかを大切にしています。

その上で、Makuakeのポップでエネルギーのある雰囲気を見て楽しめているか。それが最終的に1ピクセルまで浸透しているかを考えています。

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中山:Makuakeのコンセプトは「まだ世の中にないプロジェクトがMakuakeで見られるという新しさやワクワク感の実現」。そこをしっかりとデザインで伝えたいと思っています。プロジェクトを掲載したい人には「Makuakeにだったら載せたいな」と思えるようにしたいし、支援してくれる人からも「Makuakeに行くとワクワクするよね」という感覚を持ってもらいたい。そういった気持ちが集まるプラットフォームデザインであってほしいと思っています。

佐藤:ポイントは、ユーザーがプロジェクトのキービジュアルやキャッチコピー、全体の文章を目にした時に、それを使った体験を想像できることです。

中山:掲載するプロジェクトを最大限生かしながら紡ぎ上げて、Makuakeとして楽しい場になっていくという「紡ぎ上げるデザイン」をプラットフォームを作る上で目指しています。佐藤のデザインは、前に出過ぎない事を意識しているのか、うまくやってくれているなと思います。

プラットフォームが成長した今だからこそ、Makuakeはデザイン変更できた

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2017年3月にMakuakeサイトはリニューアルしました。どうしてこのタイミングなのですか?

中山:Makuakeというサービスが大きくなってきたことによって、掲載されるコンテンツの種類・量ともに上がってきたのがきっかけです。

実はサイトリニューアルの提案は、佐藤から2年前に提案を受けていましたが、Makuakeがプラットフォームとして成長フェーズにあったためGOサインを出しませんでした。提案されたデザインを実現するためには、次々と絶え間なく新しいプロジェクトが出てくる状況に、Makuake自体が育っている必要があったからです。

それから2年経過し、世の中に紹介したいプロジェクトがたくさん出てくるほどMakuakeは大きく成長しました。ファーストビューで紹介できる枠はそれまで1つだったのですが、もっとたくさんのプロジェクトを目立たせたい、もっとクリエイティビティを発揮しながら、見た人がワクワクするような形で見せたいという気持ちが強くなっていきました。そのタイミングで、佐藤から再びサイトリニューアルの提案がありました。

佐藤:Makuakeのサイトは掲載するプロジェクトと密接につながっていますよね。一つ一つのプロジェクトが魅力的なだけに、サイトを訪れた瞬間からもっとプロジェクトの世界観に最初から引き込ませたいなとずっと思っていました。

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中山:Makuakeを訪れるユーザーに「世の中にまだないおもしろいアイデアが次々出てくるな」と楽しんでもらいたいと思っています。それをMakuakeのサイトでどうやって表現しようかというのはすごく悩んでいたので、今回のトップページのデザインは非常に満足のいくデザインになったなと実感しています。

また、今回リニューアルしたトップのスライダーですが、サムネイル裏の背景画像をMakuakeで制作しています。プロジェクトが掲載されて終わりではなく、プロジェクト一つ一つの世界観を魅力的に伝えるために、プロジェクトのPRデザイン制作もやる。口で言うのはすごく簡単なのですが、やり続けていくのは大変な作業です。ユーザーにワクワクを届けられるデザインになるので、ユーザーが楽しんでくれるんだったらコストをかけてでも運用しようと決断して始めました。

【Before】
HEROの下のスライドバナー、右の誘導枠が目立ち、ユーザーを迷わせやすい。

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【After】
プロジェクトの世界感で1面を覆う。
同時にキャッチコピーが視野に入ることでMakuakeがチャンレンジを応援する場所だということが意識されていく。

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HEROリニューアル前とリニューアル後の1週間のクリックログ

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元々はPCユーザー向けのものだったメールマガジン。文字サイズの視認性やキービジュアルのサイズを認識しやすいサイズや空間のバランスをスマホユーザーのために調整しなおした。SPユーザーの増加に向けてメルマガのリニューアルもやりました。リニューアルして1ヶ月くらいですが、メールマガジン経由での売り上げが3割増とのこと。

成長するためのインプット/アウトプットの習慣

成長するために普段から繰り返している習慣はありますか?

佐藤:普段のインプット/アウトプットはdribbbleを使っています。世界中から自分が気に入っている人をフォローして、インターフェースのデザインはどう作っているのかや、人気のある人のデザインを見て配色や空間、文字のバランスを見たりして、追いかけています。

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もう一方では、インタラクションプラットフォームのサイトを見ながら、どういう設計でインタラクションを実現しているのか、気になったライブラリはダウンロードして動かしたりしています。複雑なインタラクションは、フロントエンジニアの方ではないとわからないくらいソースコードも難解ですが、こういうふうに見る習慣をつけておけば「これはMakuakeで使える」と思って導入しやすいですよね。

今回のサイトリニューアルでも、プロジェクトの紹介スライダーは普段から見ているインタラクションのサイトを参考にしました。

また、社外のプロジェクトにも関わるようにしています。例えば、デザインのコンペがあったら申し込んでみたり、Tシャツのデザインにエントリーして選んでもらったり、社外で活動しつつ、そこで得たインスピレーションをまたMakuakeに返すという事を繰り返しています。

それに、社外でアウトプットした成果をソーシャルに投稿すると、中山社長が拡散してくれたり、経営者からの理解があるのもやりやすいですね。

中山:クラウドファンディングとして世界レベルの事業を作っていくことを目指す中で、自分自身も世界レベルの経営者にならなければいけないと思っていますし、そこで一緒に働くデザイナーも、世界レベルになってほしいと思っています。

特にMakuakeは「クリエイティブなプロジェクトがたくさん出てくるのが楽しい」がブランドの1つになるので、デザイナー自身が突き抜けたクリエイティブを発揮する場所になっていく必要があります。そうでないとこれから先、プラットフォームとして世界と闘っていけないと感じています。

デザイナーにとって経営者がこうしてくれると一番うれしいってありますか?

佐藤:裁量権をもって任せてくれることが一番うれしいですが、特に中山社長は、自分が外でやっている活動をFacebookでシェアしてくれたり応援してくれます。いちデザイナーとして見てくれていることが嬉しかったりします。

あとは相談しやすいところですね。やりたいことがあって相談するとちゃんと聞いてくれることです。

中山:佐藤はさり気なく提案してくるんですよね。インタラクションまで作り込んだものをそっとSlackにPostしてきたり。

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Makuakeの今後の展望

中山: 新しいアイデアやプロダクトが、次々と世の中に出てくるための後押しの場として、Makuakeというプラットホームがあると考えています。

それを運営するサイバーエージェント・クラウドファンディングは、面白いものがたくさん生まれていくために、付随したことはどんどんやっていきたいと思っています。例えば、メーカーさんと組んで、プロダクトのプロデュースをすることで、おもしろいイノベーティブなものを出していく事もやりたいことの中に入っています。

Makuakeという新しいアイデアの発射台になる場所を中心にしながら、新しいアイデアが実現していくために必要なことをどんどん仕掛けていきたい。いろいろな領域で新しいアイデアが実現していくということの手助けをしていきたいと思っています。それを実現する上で、デザイナーは欠かせないキーパーソンです。

ただ、このままいろいろなことをやっていくと、優秀なデザイナーは引っ張りだこになっていくので、デザイナー組織をどう厚くしていくかは、今後の経営課題かもしれないですね。

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