2000年6月18日
私たちの会社の強みはスピードと実行力であり、走りながら考えること自体が戦略です。これは創業以来公言してきたことですが、 株式公開して株主や世間に対しても説明責任を負う今、なかなか説明し辛いものとなりました。
それでも私は若い経営陣と従業員の会社の戦い方は、「走りながら考える」しかないと考えています。
「これからどういう世の中になっていって、どういう機能が必要になるのか、我々はどういう戦略をとるべきか…」 そういったことを頭の中で構想を練るのなら、ビジネス経験や知識の豊富な人にかなうわけはありません。 例えば27歳と54歳の社長の会社では、年齢で2倍、ビジネス経験では5倍以上の時間の差があります。社員も同様です。
それでは若い人ばかりで経営する私たちの会社が何が強みかといえば、 実際に現場で手足を動かしてスピーディーに変化に対応する実行力と、失敗を恐れず次に挑戦するバイタリティが強みなのだと思います。 よく過去の経験によるしがらみが無い分、若い人は柔軟な発想ができるという人がいますが、 若いのに発想だけしている人でうまくいっている人を見たことがありません。
大きな責任を伴う商取引を実行し続けている限りは真剣な商談の中から世の中のさまざまな商機が見えてきますが、 そこにいち早くたどりつけるのです。 周囲が気が付いた時には、サイバーエージェントは世の中に無くてはならない機能となっていたいと思います。
創業以来、走りながら戦略を立てて実行し、検証してまた戦略を立てていますが、 戦略や方向性や組織やルールは小刻みに変わっても、唯一「成長を志す」という信念だけは変えないことが重要です。
走ってばかりで考えないのは、それはそれでまずいのですが、頭もいい人材を集めているつもりなので大丈夫でしょう。対外的な説明の仕方は考えるとして、これからも知識やプランではなく実行力を評価し、馬力のある組織作りをしていきたいと思います。