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トップメッセージ

MLB.comの失敗から学ぶ

2004年3月29日

※このメッセージは、当社の社内報「サイ・バー」にて  藤田が社員向けに宛てて書いたメッセージです。 失敗の経験はサイバーエージェントの最も重要な経営資源のひとつです。 当社はベンチャー企業であり、トライアンドエラー、スクラップアンドビルド、 走りながら考える経営方針です。 成功した事業も多いですが、韓国支社、インターレコーズ、ホワイネット、 サイバーブランディングなど、撤退した事業は数知れずです。 この事業は絶対成功させると考えたものでもいくつかは失敗します。 ユニクロの柳井会長が書いた「1勝9敗」は大変面白い本ですが、新規事業は 勝率5割ならいいほうでしょう。ユニクロは先日、周りから成功するのか?と 訝しがられながらスタートを切った野菜事業から撤退を表明していましたが、 私はその勇気ある挑戦と撤退に拍手を送りたいと思いました。 サイバーエージェントもこれまでのたくさんのリスクを負った挑戦と、勇気ある 撤退を繰り返してきた歴史によって今があります。 逆に言えば、失敗がなければうまくいった事業もないのです。 当社の新規事業の勝率は徐徐にあがってきていますが、業績絶好調の今だから こそ、これまでの失敗から学ぼう!ということで、今日は敗軍の将、兵を語る風に 書きたいと思います。 みなさんもご存知のとおり、当社はMLB.comの公式サイトの運営から撤退 しました。結果的には数億円の損失を出しましたが、MLBプロジェクトの メンバーは本当によく頑張ってくれたし、わずかな期間ながらもかなりの健闘を したと思います。特に朝日新聞、日刊スポーツとの提携はベンチャー企業である 当社のステージを上げてくれるような活躍でした。 それでも今年に入り、残り1年あったライセンスを売却し、プロジェクトも解散 しました。現実は厳しく、結果を出せなければ撤退もやむを得ません。 この決定はプロジェクトのメンバーにとっては大変辛かったと思いますが、 ベンチャーらしい迅速な撤退であったと思います。 現在MLBのプロジェクトメンバーは、ここで貴重な経験を得て、再び別の プロジェクトで活躍している人もいれば、頑張って残務を続けてくれている人も います。 そもそもMLB.comを当社が始めた理由はいろいろありますが、 大きくは次の3点です。 (1)当社はメディア事業でかなりの実績を上げているにも関わらず、ヤフーや 楽天のような象徴的なメディアが少ないため、MLB.comのようメジャーな メディアを保有したかった。 (2)ナショナルクライアントを獲得するための営業ツールとして、MLBの ように知名度のある自社媒体を持ちたかった。 (3)ブロードバンド環境が広がりつつある中で、有力な動画コンテンツの 権利を取得したかった。 うまく収益化できなかった理由も多々ありますが、主要なものを3つ上げると 次の3点です。 (1)アメリカ本社との交渉の難しさ。私たちの常識では到底理解できない相手 でした。相当粘り強く交渉し続けましたが、足元を見られていたのかもしれません。 (2)ブロードンバンド環境の読み違い。当時はブロードバンド=動画のイメージ を誰もが持っていましたが、考えていたほど動画は再生されていませんでした。 (3)広告営業の難しさ。スポーツのコンテンツに広告が入りづらいことは 知っていましたが、それでも当社の営業力なら何とかなると考えていました。 反省点はたくさんありますが、総じて感じることは、ネットビジネスは短期間に 多額の資金投下をすれば立ち上がるわけではないということです。 昔ヒロミや神田うのを起用してCMをやっていたライブドアも、大橋巨泉を起用 していたJSIDE.comも、短期間に大金をつぎ込んでも立ち上がりませんでした が、ネットビジネスには数年間の助走期間が必要です。これから大企業が一気に 何百億円という大資本を投下したとしてもヤフーやGoogleを立ち上げること は不可能なことも同じです。資金だけでなく、時間と経験が必要なのです。 これらの経験から当社は豊富な資金力がありながら"小さく生んで大きく育てる" という方針を打ち出しています。 また、会社には”やりたいこと”と”やれること”の見極めが必要です。 その時点での組織と人材、そしてビジネス環境(当社で言えばブロードバンドの 普及具合など)で、できる実力があるかどうかを冷静に見極めなくてはいけません。 とはいえ一度失敗したからといって、当社にはこの事業は不向きだったとか、 不可能だったとか結論付けてしまうのは絶対に間違っています。 なぜなら会社はまだ急成長している途中だからです。”やれること”の大きさは 会社と人材の成長とともに拡大していきます。 今回はアメリカ本社との交渉の難しさから一旦撤退して出直したほうが得策と 判断しましたが、MLB.comも数年間、根気強く続けていれば上手くいったかも 知れません。 その昔当社が立ち上げた"あるあるネット"は検索エンジンの結果を広告として 販売する事業プランでした。結局立ち上がらずに撤退しましたが、ご存知の通り、 悔しいことに検索エンジンの結果広告は現在、急激に成長しています。 サイバーエージェントも私も若い社員の皆も成長過程にあります。 インターネットビジネスも成長過程です。MLB.comから撤退したからと いってスポーツビジネスを諦めた訳ではないし、韓国事業から撤退したからと いって国際事業を諦めた訳ではないし、インターレコーズを解散したからといって 音楽事業をずっとやらないわけではありません。 失敗の経験を活かし、時期を見ていつか再挑戦したいと思っています。 「挑戦した結果の敗者にはセカンドチャンスを」これは当社のmaximsの 一節ですが、挑戦し続る人のほうがかっこいいし、挑戦をやめた会社なんて 退屈です。 今後も会社が成長していく過程でタイミングを見極め、いつか私たちがやりたい こと全てを実現させていきましょう。