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AWA
SPECIAL INTERVIEW

Profile

  • 若泉久央
    AWA株式会社取締役



    求人情報誌業界を経て、1999年にエイベックスへ入社。総務、音楽コンテンツの配信ビジネスなどを経て、2011年にAGHD社長室部長(現職)に就任。その他、坂本龍一のレーベル部門である「commmonsプロジェクト推進室」の室長も兼任。

  • 小野哲太郎
    AWA株式会社取締役/プロデューサー



    名古屋大学卒業後2007年度サイバーエージェントへ入社。社長室配属となり藤田の運転手兼アシスタント。2013年より投資事業担当として社長室長を経て、現在はAWA株式会社取締役/プロデューサー。

音楽を「没頭して聴く」サービスデザインと操作性の追及

「AWA」リリースまでの道程はいかがでしたか?

小野:2014年8月、エイベックス松浦氏、サイバーエージェント藤田の号令の下、両社にてチームが結成されました。それが私たちにとっての「AWA」のはじまりです。エイベックスからはレーベルとの交渉など音楽コンテンツに関する部分を担うためのメンバー5名。
今までの固定概念にとらわれないプロダクトを目指していたので、サイバーエージェントの中で、新しい技術や試みに意欲的な若手エンジニア6名でチームを構成しました。この時点ではまだデザイナーはいなかったです。

当初からこだわっていたのは、音楽を「没頭して聴く」ためのデザインと操作性。動きの良し悪しを判断するために、初期の段階から実際の動きを確認できるモック専用アプリをフルコードで作って動きのテストを繰り返していました。

その後、10月にデザイナーが加入し、それまでに200種類以上あげていたデザインパターンを一新、というか一蹴(笑)そこから、デザインと同時にインタラクション専用のモックをつくる体制が出来上がり、毎晩何時間もかけてチーム全員でデザインやインタラクション、機能、UIについて話し合う日々が続きました。

藤田が「最もクオリティの高いものをつくる、と最初から決めていた」とインタビューで言っていましたが、もちろんそのことは念頭にありつつも、音楽を「没頭して聴く」ためのデザインやUIを突き詰めていったら、必然的に今の形になった、という気がしています。音楽を楽しんで、その世界に没頭するには、そのツールもスマートでないといけないと思っています。

エイベックス × サイバーエージェントで起きた化学反応

若泉:松浦を筆頭にエイベックスとしては、5年くらい前から、海外で行われていたサブスクリプションというサービスをやりたいと思っていました。しかし、日本ではなかなかうまくいかなくて。そのような中、昨年、松浦がプライベートでも仲のいい藤田社長に相談を持ちかけて、この2社でサブスクリプション型の音楽事業をやることになったわけですが、私は最初からサイバーエージェントとだったら、うまくいくような気がしていました。
藤田氏と松浦、トップ同士の仲が良いということもそうですし、社風も似ているんですよ。感覚的に馬が合いそうな気がしていました。サイバーエージェントと組むと聞いて、直感的にワクワクしましたね。

小野:サイバーエージェントも、音楽事業はやりたいと思っていたことの1つでした。私個人としても、社内の事業プランコンテストに何度か音楽サービスの案を出しています。しかし、音楽業界は当社が裸一貫で乗り込んでいけるほど甘くないというのは重々承知していたこと。
エイベックスチームが、ほぼすべての国内大手レーベルやプロダクションへ誠実に説明をしてくれたからこそ、このスピードでリリースに至ることができたと思っています。

各社へ理解してもらうのは容易ではなかったと思いますが?

若泉:正直、うちの社内にだってサブスクリプションという仕組みは収益が下がると思っている人がいるくらい。各社が二の足を踏むのも当然です。1000円のシングル、3000円のアルバムを販売してきたこれまでの延長線で考えるとそうですよね。でも360円の有料会員でも数が集まれば、大きな額となる。そのことを理解いただけるように説明しました。

あとは、タイミング。レーベルだって、動くしかない状況にありました。あのとき、AppleもGoogleも日本でサービスを開始することはわかっていました。ここで何もしなければ彼らに日本の音楽市場のルールを決められてしまいます。それと・・・「気合い」です(笑)。絶対に「AWA」を成功させるんだ、っていう想いですよね。
「気合い」は、サイバーエージェント側からもひしひしと感じていました。

小野さんのチームと週に2、3度、プロダクト進捗のすり合わせのためにMTGをしてきましたが、毎回テスト用のモックをみせてくれて。1つ1つのこだわりを、熱心に、丁寧に説明してくれるんですよ。彼らは「自分たちのプロダクト」を絶対成功させるんだと心から思って、熱中しているんだなと。
その熱意を受けて、「共に1つのサービスを創りあげている」という気持ちが高まりましたね。

すごく印象に残っていることがあって。リリース直前に、藤田氏、松浦や関係者が集まって「AWA」の完成披露を目的に皆で食事会を外でしたんですけど、会のはじめに、不具合か何かで起動しなかったんです。そうしたら、サイバーエージェントのエンジニアたちがすぐにその場でPCをバッグから取り出して一心不乱に不具合修正の対応を始めたんですよ。バグを修正しているところをライブ感たっぷりで見られたんです。もちろんバグは出してはいけないのですが、この出来事はとても印象的だった。

これまでの事業では、私たちは制作会社に発注して作ってもらう立場だったので、もし不具合が起きても、電話の向こうの担当者に「お願いしますよ」と伝えるしか術がありませんでした。目の前で修正が行われているということに、興奮しましたね。
この場にいる全員が「AWA」を成功させたいと心から願っている同志なんだと感じて、この心のつながりを嬉しく思いました。

サービス提供開始からCM放送。利用者の反応

そしてついにサービス提供開始。CMも放送され利用者数も順調にのびていますが、反応はどうだと感じていますか?

小野:コンセプト狙い通りの「操作性が良い、デザインがいい」という評価はもらっているとは思います。音楽ってその世界に没入して楽しむものだと思っているので、その体験を阻害してしまうような、使っていて気持ちよくないものにはしたくありませんでした。そういう意味でデザインがいいという評価は狙い通りで嬉しいです。
ただ、リコメンドの精度や、コンテンツ表示、データ量、ユーザー遷移など、まだまだ改善点は山のようにありますね。

若泉: 音楽・芸能業界から「(これまでの他社サービスと比べて)間違いなく1番かっこいい」と言ってもらっています。彼らの反応ってすごく大切なんですよ。アーティストやレーベルから「AWAの世界感が好きだから、そこに自分たちの楽曲を提供するよ」って言ってもらえるケースもありますので。
そういう意味で「かっこいい」「世界感やデザインが好き」という反応は1番大切なんじゃないかな。小野さんの言った課題は、これからいくらでも修正できますが「かっこいい/悪い」っていうイメージだけは、なかなか覆せないですからね。

日本文化独自の感覚をとらえる。それが海外サービスにできない「AWA」の強み

競合企業との差別化や今後の戦略について教えてください

若泉:「邦楽の扱い方」が肝になると思っています。例えば、洋楽だとテイラー・スウィフトが好きな人は同じ女性人気アーティストカテゴリーのアリアナ・グランデもアリになる場合があると思うんですけど、邦楽って難しいんですよ。例えば、倖田來未をよく聴いている人に浜崎あゆみをリコメンドしてもそれが必ずしもあっているとは限らないですよね。それは、日本のファンはアーティスト自身への思い入れが強い場合が多いからです。アーティストのファンなので、同じカテゴリーだからアリにはならないことが多い。

そういう日本人だからこそわかる機微(きび)みたいなところは海外サービスだとできないんじゃないかな。
日本の文化って本当に独特で、日本人だからこそ感じとれる機微の部分を人的にカバーすることが絶対必要。機械じゃなくて、人が音楽を届けるってことがキーになると思います。良いエンジニアと良い音楽のバイヤーの両方がいることがポイントで、そういう意味でいうと「AWA」は他社に負けないと思います。

小野:UI/UX、操作性を含め、文化にいたるまで日本独特の考え方があるというのは同感です。だからこそ、日本国内でエッジがたつ存在感が出せれば、絶対に強いですよね。今後、各レーベルに対してAWA独自で集計したデータをリアルタイムで閲覧することのできる「ダッシュボード」を提供します。例えば、アーティストの楽曲が、地域、時間帯別に何回再生されたということがリアルタイムでわかるようにすることで、アーティストのマーケティング活動に活かしていただきたいと思っています。
有料会員や再生回数に応じて金額を支払うことは勿論なのですが、それ以外にもこのようなアーティスト側への情報提供にも力を入れることでこれも一つの差別化になると考えています。

若泉:サブスクリプション型音楽配信サービスって、レコードがCDに変わったこととは比べものにならないほどの革命的なインパクトをもたらすと思っています。

小野:この音楽業界の革命の波をうまく乗りこなして、日本を代表するヒットサービスに「AWA」をしていきます。
 

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